重要な役割を持つ交差点の「雨庭」

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大好チヨ子プロフィール
2024年5月10日 

美術館から帰る途中、交差点の角に作庭されているスペースを見かけました。そういえば、数年前から見かけ「最近は道路の緑地や交差点付近も庭園のようだな」と思っていたのですが、その庭に建てられていたプレートを見つけて読んでみたところ、「雨庭」というものなのだと知りました。 

季節の花も見られる植栽―東山二条交差点南東角の雨庭

雨庭とはなに?

「雨庭」とは、「降った雨水を一時的に貯留し、ゆっくり地中に浸透させる構造を持った植栽空間で、雨水流出抑制効果・修景・緑化・水質浄化・ヒートアイランド現象の緩和など、様々な効果が期待され、近年注目されているグリーンインフラの一つ」だそうです。

雨庭の中に、説明のプレートがありました

確かに、道路から水が流れるようにブロックに穴があり、地中に雨水を浸透させやすくした州浜となる、少しごつごつした石を敷いた部分がありました。

道路にたまった雨水を、庭の方に集める取り込み口がありました

京都では、このような機能を取り入れた庭園文化が寺社などで古くから継承されているので、その造園技術力をいかし、道路上など公共用地で整備を進めているとのこと。
言われてみれば、京都市内の他の場所でも見かけたことがありました。

東山二条交差点南東角の雨庭は妙傳寺の前にあり、周囲の風景と馴染んでいる

市内で見ることができる雨庭

調べてみると、市内数ヵ所の交差点などに平成29年から作られ始め、年々その場所が増えているではないですか。

堀川高校前の雨庭

特に、堀川通で多く見られ、四条堀川交差点は東西南北のかなり広範囲が雨庭となっていたのです。そういえば以前はこんなではなかったなと、今更ながら過去を振り返りました。

四条堀川交差点の雨庭(手前と向かい側に見える)

令和4年に整備されたばかりの雨庭がこちら。

手前に見えるのが雨庭

東本願寺市民緑地、お東さん広場に雨庭が整備されていました。何気なく広場全体を捉えていたので、改めて、雨庭部分に着目すると、州浜になっていますね。

東本願寺前市民緑地内の雨庭

最近は、雨水が地中にしみこみやすいアスファルトが舗装に使用されるなど、道路も雨が降ることを想定した工夫が考えられるようになりましたね。雨庭も今後増えていくグリーンインフラのようなので、新たにできる場所も着目してみようと思っています。

各所に合わせた植栽にも注目したい

プロフィール

大好チヨ子

在住エリア:京都市西京区
メインテーマ:博物館などのアートイベント/パン屋さん
子育てを終えて、ようやく京都歩きを楽しめるようになりました。知識がない私でも「楽しい!美味しい!美しい!面白い!」と感じたり「知っていたらお得」な情報をゆる~く伝えてゆきたいです。趣味はドラム演奏と、博物館ボランティア。