美味しいだけでなく美しい和菓子は、京都の誇る芸術品の一つだと思います。京都の和菓子屋さんは、美味しさを追求するだけでなく、高い美意識を持たれているのだなと、お菓子のデザインのみならず、包装やお店の佇まいなどから常々感じることが多いです。
そんな和菓子屋さんのひとつ「鍵善良房」さんが、今年の1月にオープンした「ZENBI-鍵善良房-KAGIZEN ART MUSEUM」に行ってきました。
京阪祇園四条駅6番出口から3分ほど歩いたところに、とてもシックで品の良い外観の建物を見つけました。
少し奥まった入り口に向かいつつ、大きなガラス窓から、中の調度や坪庭が見えてくると、すべてが絵になる美しさで期待感が高まってゆきます。
チケットを購入すると、「菊寿糖 小菊」という真っ白な菊の干菓子を下さり、その和菓子屋さんならではの心憎い演出にまた感動。
外の猛烈な日差しが格子でやわらげられて、涼し気に感じる坪庭のグリーンを眺めつつ展示室に向かってゆきました。
今回の展示は、鍵善良房さんの手提げ紙袋に描かれている絵の画家「山口晃」さんの作品展でした。新聞連載の挿絵原画を中心に展示されていましたが、その画風は多彩で、シリアスでクールなものからユーモラスで可愛いものまで幅広く、感動したり、クスッと笑えたりする楽しいものでした。
会期中作品の入れ替えがあるようなので、パスポートチケットを買って4回行くのも面白いかもしれません。
絵画展の展示を堪能した後に、「ミュージアムショップ Zplus」へ行くと、ここでさらに和菓子屋さんならではのお楽しみが待っていました。
絵画展で観た「山口晃」さんが、和菓子のデザインをされ、それを実際に和菓子として再現し販売されていたのです。
私はカフェで手前の薄緑のお菓子を頂いたのですが、これは鴨川のデルタをデザインした「下鴨」という落雁でした。
更にこのふわっとした子は「ためいきちゃん」。「山口晃」さんのイラストを上用饅頭にして焼きごてで表現したものだそうで、面白いですね。
ちなみに原画はこちらです。↓
二重にも三重にもお楽しみのあるアートミュージアム鑑賞となりました。
美術館設立にあたっての館長さんのお言葉に「京都ならではの文化を発信し、日常の暮らしの中にある美を後世に伝え残す場所となれば」とあったのですが、何気なく置かれた窓辺の人形、さりげなくあしらわれていた一輪の朝顔、書籍コーナーに配置された座り心地の良い椅子…など、切り取られた光景のなかに美しいものがいっぱいでした。時には、そんな空間で過ごすのも良いものですね。
※写真は撮影可能な場所でのみ撮影しています。
ZENBI-鍵善良房-KAGIZEN ART MUSEUM
京都市東山区祇園町南側570-107
TEL:075(561)2875
https://zenbi.kagizen.com
営業時間等はHPから確認を
プロフィール
大好チヨ子
在住エリア:京都市西京区
メインテーマ:博物館などのアートイベント/パン屋さん
子育てを終えて、ようやく京都歩きを楽しめるようになりました。知識がない私でも「楽しい!美味しい!美しい!面白い!」と感じたり「知っていたらお得」な情報をゆる~く伝えてゆきたいです。趣味はドラム演奏と、博物館ボランティア。
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