あちこちの商店街で、リレーのような形式で続いている、竹あかりの「商店街数珠繋ぎ」。〝京都のまちを照らす〟この企画を取材しました。
撮影/児嶋肇ほか
夏から続く商店街とのコラボ
あたたかな気持ちになれるような竹あかり。昨年から京都各地の商店街にそれぞれ期間限定で飾られています。主催は「みんなの想火(そうか)京都」。西京区や向日市の竹林で整備した竹などを使っています。
昨年8月、活動を知った、るてん商店街(下京区)から声がかかり、9月には新京極商店街(中京区)、10月に納屋町商店街(伏見区)、12月は嵐山商店街(右京区)と、竹あかりを設置する商店街が続くように。これが、竹あかりの「商店街数珠繋ぎ」。
嵐山商店街副会長の石川恵介さんは、「この地域でもなじみの深い竹を使うことで、竹あかりも商店街も楽しんでもらおうと考えました」と話します。
現在は再び納屋町商店街に。アーケード約150m、31本の柱にデザインされた竹がくくり付けられています。デザインも伏見桃山城や舟、お酒など地元の人に親しみがあるものを用意したそう。昼間も点灯。2月中旬ごろまで。
「各商店街を盛り上げようとコラボが実現しています」と、「みんなの想火 京都」実行委員長の大森勇志さん。
竹林整備や竹炭の活用も
この「みんなの想火 京都」は、熊本や東京で竹あかりのアーティスト集団として活動する「CHIKAKEN(ちかけん)」が呼びかけた「みんなの想火プロジェクト」の京都の実行委員会。
同プロジェクトは、海外の人に日本のつながりを伝えようと、昨年開催予定だった東京オリンピック2020開会式の前日、全国47都道府県で竹あかりを一斉点灯するイベントを企画していました。オリンピックは延期になりましたが、昨年7月23日に全国各地で点灯を実施。各地の様子をオンラインでつなぎました。京都は洛西竹林公園で行われ、今年も7月22日(祝・木)の開催を予定。準備が進んでいます。
「みんなの想火 京都」のメンバーは、大森さん、妻の優子さん、竹垣職人の真下(ましも)彰宏さん、西京区で地域活動を行う鈴木千鶴さん。竹あかりの魅力に触れた大森さんが声をかけて集まりました。熊本出身の優子さんは、「ちかけん」と共にイベントの実行委員をしていたことも。
「空間をデザインする竹あかりには、何とも言えないあたたかさがあります。竹あかりで京都の町を明るくしたいですね」と大森さん。
「商店街数珠繋ぎ」は、京都だけの企画です。竹林整備などを行うワークショップには、地域の人や児童福祉施設の子どもたちも参加。使用後の竹あかりを竹炭にして、食材や肥料として活用することも考えているとか。
「次の世代につなげていくためにも、竹林整備、竹あかり、竹炭・肥料といったサイクルで循環させていきたいです」
今後もワークショップを予定。詳細はホームページ(https://kyototakeakari.wixsite.com/minnanosouka-kyoto)で確認を。参加費無料。問い合わせは「みんなの想火 京都」=メール:kyoto.takeakari@gmail.com=へ。
※写真はいずれも昨年撮影
(2021年1月30日号より)
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