竹あかりで京都各地がつながっています

2021年1月29日 

リビング編集部

あちこちの商店街で、リレーのような形式で続いている、竹あかりの「商店街数珠繋ぎ」。〝京都のまちを照らす〟この企画を取材しました。

撮影/児嶋肇ほか

夏から続く商店街とのコラボ

昨年嵐山商店街で飾られていた竹あかり。本物の炎のようにライトも工夫

あたたかな気持ちになれるような竹あかり。昨年から京都各地の商店街にそれぞれ期間限定で飾られています。主催は「みんなの想火(そうか)京都」。西京区や向日市の竹林で整備した竹などを使っています。

昨年8月、活動を知った、るてん商店街(下京区)から声がかかり、9月には新京極商店街(中京区)、10月に納屋町商店街(伏見区)、12月は嵐山商店街(右京区)と、竹あかりを設置する商店街が続くように。これが、竹あかりの「商店街数珠繋ぎ」。

嵐山商店街副会長の石川恵介さんは、「この地域でもなじみの深い竹を使うことで、竹あかりも商店街も楽しんでもらおうと考えました」と話します。

現在は再び納屋町商店街に。アーケード約150m、31本の柱にデザインされた竹がくくり付けられています。デザインも伏見桃山城や舟、お酒など地元の人に親しみがあるものを用意したそう。昼間も点灯。2月中旬ごろまで。

「各商店街を盛り上げようとコラボが実現しています」と、「みんなの想火 京都」実行委員長の大森勇志さん。

嵐山商店街の人々が思い思いにデザインした竹に自分たちで穴を開けました
納屋町商店街に飾られているオリジナルの竹あかり

竹林整備や竹炭の活用も

(左から)実行委員の大森さん、真下さん、優子さん(撮影のため、マスクを外しています)

この「みんなの想火 京都」は、熊本や東京で竹あかりのアーティスト集団として活動する「CHIKAKEN(ちかけん)」が呼びかけた「みんなの想火プロジェクト」の京都の実行委員会。

同プロジェクトは、海外の人に日本のつながりを伝えようと、昨年開催予定だった東京オリンピック2020開会式の前日、全国47都道府県で竹あかりを一斉点灯するイベントを企画していました。オリンピックは延期になりましたが、昨年7月23日に全国各地で点灯を実施。各地の様子をオンラインでつなぎました。京都は洛西竹林公園で行われ、今年も7月22日(祝・木)の開催を予定。準備が進んでいます。

「みんなの想火 京都」のメンバーは、大森さん、妻の優子さん、竹垣職人の真下(ましも)彰宏さん、西京区で地域活動を行う鈴木千鶴さん。竹あかりの魅力に触れた大森さんが声をかけて集まりました。熊本出身の優子さんは、「ちかけん」と共にイベントの実行委員をしていたことも。

「空間をデザインする竹あかりには、何とも言えないあたたかさがあります。竹あかりで京都の町を明るくしたいですね」と大森さん。

「商店街数珠繋ぎ」は、京都だけの企画です。竹林整備などを行うワークショップには、地域の人や児童福祉施設の子どもたちも参加。使用後の竹あかりを竹炭にして、食材や肥料として活用することも考えているとか。

「次の世代につなげていくためにも、竹林整備、竹あかり、竹炭・肥料といったサイクルで循環させていきたいです」

今後もワークショップを予定。詳細はホームページ(https://kyototakeakari.wixsite.com/minnanosouka-kyoto)で確認を。参加費無料。問い合わせは「みんなの想火 京都」=メール:kyoto.takeakari@gmail.com=へ。

ワークショップの様子
真下さんのレクチャーで、枯れた竹の除去や伐採などを行います

※写真はいずれも昨年撮影

(2021年1月30日号より)