「お茶と宇治のまち歴史公園」で宇治の魅力を体感

2021年8月27日 

リビング編集部

お茶どころ宇治に新たな観光交流スポットが誕生。貴重な歴史遺構のほか、宇治の魅力を体感できる交流館も。スタッフに話を聞いてきましたよ。

※取材は7月26日 写真/桂伸也


京阪「宇治」駅からすぐ、宇治川の堤防沿いに緑の茶畑が広がります。ここは、2021年8月21日にオープンの「お茶と宇治のまち歴史公園」。

昔ながらの茶園景観を再現。栽培道具を収納する「覆(おおい)小屋」も造られています

「なりきり衣装を着て茶摘み体験もできますよ」と教えてくれたのは中畑伶威(れい)さん。同公園内に立つ、「お茶と宇治のまち交流館 茶づな」の学芸員です。

「この公園が作られるきっかけとなったのは、2007年に発掘された国史跡『宇治川太閤堤跡』。約400年前、伏見に陸路と水路を集約するために豊臣秀吉が作らせた堤(つつみ)とされています。この貴重な遺構を保存しつつ、宇治の魅力と歴史を発信していく場として、市が整備を進めてきました」

「茶づな」のテラスからの眺め。緑豊かで心地よい鳥のさえずりも
国史跡「宇治川太閤堤跡」

約2.5ヘクタール、広々とした敷地は「史跡ゾーン」と「交流ゾーン」に分かれ、「史跡ゾーン」には「宇治川太閤堤跡」の復元遺構が設けられています。石積みやそれをせき止める木のくいなど、当時の堤の造りを間近に見られる貴重な場に。「本物の堤跡は保存のため埋め戻して、その上に復元しています」とのこと。江戸時代中期には埋没して砂州となり、後期には茶畑となった、その変遷を見ることができます。

ミュージアムや体験プログラムも

交流ゾーンの中心となる「茶づな」。レストランやショップも併設しています

「交流ゾーン」の中心となるのが「茶づな」。宇治茶と宇治の歴史を映像でわかりやすく紹介するミュージアムのほか、さまざまな体験プログラムも用意されています。

「お茶の飲み比べや茶道体験をはじめ、茶の葉を使ったプリザーブドアレンジメント、オリジナルの茶筒や茶の木を材料とした人形作りなど。いずれも講師は宇治市民。日本茶インストラクターの資格を持つ同館スタッフや茶道の先生のほか、市内のクリエーターたちが務めます。

このように宇治には多彩な文化や魅力ある人が存在しますが、意外と地元の人も気が付いていないことも。それを紹介することで、訪れた人に自分だけの宇治の楽しみ方を見つけてもらえればと思います」

茶筒や茶の木人形作りなど、1日8種ほどの体験プログラムが開かれるそう。「来るたびに楽しめる場所に」と中畑さん(撮影のためマスクをはずしています)

そのほか、200人収容の講座・会議室や茶園、宇治川を一望するテラス、レストランも。ミュージアムショップでは茶葉、茶団子、抹茶ジェラートなどのほか茶器、市内のクリエーター作の商品、同館オリジナルグッズなどを購入できます。

屋外の広場はマルシェなどのイベントにも使用可能。「〝茶づな〟の名のとおり、人と人がお茶でつながる、そんな場所になれば」

※こちらの「茶づな」については、社会情勢によりオープン日が未定。駐車場も閉鎖しています(2021年8月21日時点)。詳しくはホームページで確認を

お茶と宇治のまち歴史公園

  • 宇治市菟道丸山203-1
  • 京阪「宇治」駅から徒歩約4分、JR「宇治」駅から徒歩約12分
  • TEL:0774(24)2700
  • 「茶づな」は午前9時~午後5時、無休
  • ミュージアム利用料/大人600円、小中高校生300円、小学生未満無料
  • 茶づなのオープン日や体験プログラムなど詳細はホームページ(https://uji-chazuna.kyoto/)へ

(2021年8月28日号より)