読者が体験 いつものメイクを〝今どき〟に

2023年9月8日 

リビング編集部

読者が体験 いつものメイクを〝今どき〟に

何年も同じメイクを続けていると、どこか古い印象になったり、肌質や顔立ちの変化から「しっくりこない」ということが。そこでメイクのプロに、大人世代の今どきのメイク方法を教えてもらいました。

撮影/武甕育子

キーワードは〝抜け感〟 〝アーチ眉〟や〝ツヤ肌〟が人気

「近年は顔全体にナチュラルで柔らかな〝抜け感〟を出すのがトレンドです」と教えてくれたのは「OHBL BEAUTY DOORS(オーブル ビューティー ドアーズ)」の代表で、リビングカルチャー倶楽部講師の奥田浩子さん。

「トレンドを構成するのは、色・形・質感の三つの要素。今は韓国風メイクの影響から、眉山の目立たない〝アーチ眉〟や透明感のある〝ツヤ肌〟が人気です。アイラインやマスカラにオリーブ色や赤紫系のバーガンディー色を使うのも、今どきな印象に。とはいえ、似合う色は人それぞれなので、形や質感も参考にすることでトレンドを押さえた雰囲気になりますよ」

30代、50代の読者2人をモデルに、具体的なメイク方法を実演してもらいました。

30〜40代
トレンドは自分に合ったものだけを取り入れて

「家事、育児、仕事と多忙な30〜40代は、ライフスタイルと同じようにメイクも自分自身を見つめ直すタイミング」と奥田さん。

「たとえば面長さんや目・鼻の形が直線的な人のアーチ眉は、顔全体に柔らかさがプラスされて調和のとれた雰囲気に。逆に、丸顔さんや顔のパーツに丸みがある人は、眉頭から眉山にかけて直線的なラインにすることでメリハリがつきます。

トレンドのすべてをまねしようとせず、自分に似合う取り入れ方にしましょう。

大切なのは、自分の顔を客観的に分析し、特徴を理解すること。パーソナルカラー(※)や骨格がわかっていれば、トレンドが変わっても、自分をより美しく見せるスタイルに応用できます」

今回モデルになってくれたのは、読者の豊田芽実さん(36歳)です。

※その人が生まれ持った肌・瞳・髪など体の色に似合う色やなじむ色のこと

「非対称な眉や隠しきれないシミが悩みでしたが、ポイントを押さえるだけでこんなに印象が変わるんだとびっくりしました!」(豊田さん)

いつものメイク

アイブロー(眉)

ゆるやかなアーチ状になるよう、ペンシルやパウダー、眉ばさみなどで形を整えます。左右で眉の位置が違う場合、「高い方は下げ、低い方は上げる」を意識して両眉の中間の高さに調整するとバランスの良い位置に。眉の形ができたら、さらに肌の色に合わせ明るい色のパウダーを重ねていくことで、ふんわりとした立体感を出すことができます。

アイメイク

アイシャドーは単色または2色までがベター。下まつげの際にも薄く色をのせると、頬の縦幅が短くなり小顔に見えます。アイラインやマスカラはトレンドカラーを使用。

チーク・ハイライト

チークは自然な血色を意識し、頬骨に沿って俵形に薄く塗って。ハイライトはピンポイント使いがおすすめ。鼻の付け根、鼻頭、頬の一番高いところ、上唇の山の部分に入れます。鼻筋全体に入れると面長に見えるので注意を。

リップ

上唇はもとのサイズより少しだけ広めにリップを塗ると、人中(鼻と口の間にある縦の溝)が短く見え、小顔効果が。唇の中央のみにグロスを重ね、ツヤを出します。

50〜60代
思い込みにとらわれないメイク方法に挑戦

50〜60代は「新しいメイク方法に挑戦してみて」と奥田さん。

「80年代後半に主流だったこめかみから斜めに入れるチークや、すべてのパーツを作り込んだフルメイクは避けたいですね。腹八分目と同じように、メイクも程よく〝抜く〟のが大事です。

パレットの順番通りに全色使うといった自分の中の思い込みも取り払ってみて。色付きのアイシャドーはまぶたに影を作る効果があるので、目が落ちくぼんだ印象に。トーンアップする下地にとどめ、色付きのアイラインやマスカラで今どきの目元を作りましょう」

また、肌の悩みは重ね塗りで隠したくなりますが「ベースメイクのテクニックを駆使してカバーしましょう」。詳しい方法を下記で紹介しています。

モデルは「厚塗り感なく自然に見せるのが大変」と話す、読者の齊藤喜久子さん(58歳)です。

「いつもより軽い仕上がりなのに、肌が明るく、シミやシワも目立たないなんて。普段使わない色の選択も新鮮でした」(齊藤さん)

いつものメイク

アイブロー(眉)

ゆるやかなアーチ状に形を整えます。細い山形にならないよう、自眉の太さや形を生かして。ペンシルやパウダーは、髪色よりやや明るい色を選ぶと抜け感が出ます。

アイメイク

ダークブラウン系のペンシルやジェルタイプのアイライナーでまつ毛の隙間を点で埋めるようにラインを書きます。アイホールには、トーンアップ用のアイシャドー下地のみを。再び目尻に厚めにアイラインを引くと、目尻が引き上がり黒目が大きく見えます。下まつ毛が少ない人は、リキッドアイブローペンシルで1本ずつ書き足すと目力アップ。マスカラには、今回バーガンディー色を使いました。

チーク・ハイライト

ベースメイクの際、パウダーの前にチークを仕込んでおくと、内側からにじむような血色感に。頬骨に沿って俵形に入れます。ハイライトは鼻の付け根、鼻頭、頬の一番高いところ、上唇の山の部分へ。

リップ

唇にボリュームを持たせたい人は、まずマットな質感の濃い色でベース作りを。セミマットの淡い色や明るい色などを重ねて色合いを調節します。ブラシを使うと、きれいにライン取りできますよ。

全年代向け
肌に透明感を与えるベースメイク術

「メイクは塗り重ねていくものなので、肌にのせる〝量感〟のコントロールが決め手に。化粧下地を兼ねたオールインワンクリームや、ファンデーションの伸びとコンシーラーのカバー力を兼ね備えた『ファンシーラー』など、一つで多機能な化粧品を使うことで厚塗りを防ぎ、軽やかなツヤ肌に仕上がります」と奥田さん。

さらに顔の高い位置、中心部分を明るくなめらかな状態にすると、「そこに視線が誘導されて『綺麗な肌』と認識し、細かいシミなどから意識をそらせる」のだとか。

「フェイスパウダーにはメイクを固定し、きめ細かい肌に見せる効果が。ファンデーションは最低限にとどめ、パウダーを少しずつ重ねていくと、透明感のあるベースメイクになりますよ」

〈手順〉

〈手順〉

顔全体に化粧下地を塗った後、肌より少し明るい色のファンシーラーをまぶた、目元、頬、下唇の両端に適量をのせて。スポンジでたたき込むように外側に向かってAの範囲まで塗り広げます。このとき、下まつげの際までしっかりのばすことがポイント。また、髪の生え際や首の境目にはほぼ塗らないことで、自然な陰影が生まれて立体的になります。

仕上げのパウダーは顔全体に少しずつしっかり付け、ブラシで余分な粉を払います。指で触れたとき、柔らかくさらっとした状態がベスト。

肌トラブルのカバーには「コントロールカラー」を

「コントロールカラー」は、色の性質を利用して肌の色を補正するアイテム。悩みによって色を使い分けたり、顔全体に使うことで肌に血色感や透明感を与えることができます。色ごとの使い方を教えてもらいました。

  • オレンジ目の周りのクマや口周りのくすみをカバー
  • グリーン小鼻の赤みや赤いニキビ跡など、ピンポイントな赤みの悩みに効果あり
  • ブルー肌の赤みを抑え、透明感と清潔感を与えます
  • ピンク血色感を与え、フェミニンな印象に。化粧下地など、面の補正に向いています
  • パープルピンク、ブルー両方の効果がほしいときに。黄ぐすみや色むらのカバーにも

化粧品やメイク道具も年齢に合わせて見直しを

化粧品や道具類も定期的に見直したいですね。

「スキンケアはメイクの仕上がりを左右するので、年齢に合わせて保湿力の高いものにしてみては。ポイントメイクは、そのときトレンドの〝質感〟になる化粧品を選びましょう。アイシャドー、リップ、アイラインなど使い切れる最低限のものでOK。

道具類は自分のメイクテクニックを手助けしてくれるものなので、長く使える質の良いものがおすすめです」

教えてくれたのは

OHBL BEAUTY DOORS 代表
美容家 奥⽥浩子さん
https://ohbl.jp/

(2023年9月9日号より)