大衆歌謡ショーで高齢者を笑顔に

2022年11月4日 

リビング編集部

「高齢者に元気を届けたい」という思いで活動している「ぶんげい一座」。歌あり、踊りあり、お芝居ありの大衆歌謡ショーを、高齢者施設などで開催してきました。活動が制限されていた中、新たな取り組みも。

撮影/山﨑晃治

「今日もこの曲から始まります!」と、南区にある高齢者施設に響く元気な声。観客となる施設利用者たち(以下、利用者)の視線の先には、色とりどりの着物を着た女性たちが。「三百六十五歩のマーチ」が流れ、ショーの幕開けです。

公演中の一幕。脚本、衣装、小道具全て自作だそう

女性たちは「ぶんげい一座」のメンバー。京都を中心に高齢者施設や地域の集まりなどに行って、ボランティアで大衆歌謡ショーを披露しています。9月、敬老会が行われたこの日は、さまざまな活動が制限されてから約2年ぶりとなる公演でした。

昭和の歌謡曲「東京キッド」に合わせたコミカルな演技が利用者を笑顔にし、童謡「ふるさと」は皆と一緒に歌います。「京都慕情」でしっとりムードになった後は、元気な民謡メドレーで一気に晴れやかな雰囲気に。

歌、踊り、お芝居と多彩な演目を、利用者は手拍子などで思い思いに楽しみます。「よう寝て、よう食べて、よう笑って、明日を迎えましょう」と、メンバーが声を掛ける場面も。

最後には、施設のスタッフもチアガールに変身して、飛び入り参加! 「アンコール」や「また来てね!」のコールも飛び出し、約45分の公演に幕を閉じました。

動物に扮(ふん)するメンバー。一度の公演で3〜4回ほど早着替えをするなど、飽きさせない工夫も

映像制作や一般向け公演にチャレンジ

11年ほど前の演劇フェスティバルのイベント時に、朗読劇をしたメンバーで立ち上げたという同団体。現在は50〜70代の女性8人と脚本家の男性1人がメンバーです。東山区を拠点に、練習に励んでいます。

「ぶんげい一座」のメンバー

「高齢者に笑って歌って元気になってほしい」と、80〜90歳くらいの人が青春時代に聞いていた歌謡曲や童謡に合わせて、オリジナルのショーを実施。観客からは、「子どもの頃を思い出す」「青春時代に立ち戻れる」と好評だとか。

高齢者施設への活動制限中に何かできないかと考え、昨年から一般向け公演やDVDの作成を始めました。

「訪問できなくても元気を届けたいと、寺社でもロケを行ってDVDを自主制作しました。現在は2作目を制作中です。レクリエーションの一つに活用してもらえれば」と代表の尾崎美和さん。2作目は来春完成予定。1作目とともに、協力金1000円で発送も行っています。11月には、他の団体とともに有料の一般向け公演も開催。

「私たちも活動を通して高齢者の皆さんの笑顔に元気をもらっています。これからも人と人とのつながりを大切に、思いを届けたいです」

問い合わせは、ぶんげい一座=TEL:090(3949)2513=へ。

一般向け公演「夢想バラエティーショー」

料金2022年11月20日(日)
①午前11時 ②午後3時
場所KYOTO ART THEATRE URU(シアターウル)
京都市右京区太秦北路町26-2 登喜和野会館
参加団体ぶんげい一座、あさむおじさん、ゆりかもめ座
料金2000円
定員各回30人

※予約優先。メールでぶんげい一座(bungei2513@yahoo.ne.jp)に申し込みを。氏名、人数、連絡先を明記。折り返し連絡があります

(2022年11月5日号より)