Y2Kファッションを大人も楽しもう

2022年11月4日 

リビング編集部

今年のトレンド〝Y2Kファッション〟。2000年ごろに流行した服装のことで、いまZ世代と呼ばれる10代から20代前半の若者に人気だそう。そんな〝Y2Kファッション〟を大人も楽しむには? 婦人服の専門店に教えてもらい、読者のFRさんとIMさんがコーディネートに挑戦しました!

撮影/橋本正樹ほか イラスト/かわすみみわこ

繰り返す流行 若者には新鮮なスタイル

〝Y2K〟は〝Year2000〟の略称。代表アイテムはショート丈トップスや裾が広がったフレアパンツです。なぜ今、若者に流行しているのでしょうか。京都精華大学准教授の蘆田裕史さんに聞きました。

「韓国の音楽やファッションの人気が理由の一つだといえます。ショート丈トップスは、韓国の女性アイドルグループによる〝おへそを見せる服装〟を新鮮に感じた若者の間で広がりました」

また、流行のサイクルも関係しているとか。

「昔から『ファッションの流行は繰り返される』といわれています。効率的に新しい商品を作るためには、過去に流行した商品を参考にすることが多いのです。この数年はワイドパンツのブームが続いていた中、昔はやったバギーパンツを参考にしたフレアパンツが〝Y2Kファッション〟として台頭しています」

そして、SNSの影響も大きいそう。

「SNSが生活の中心になってくると、素材の違いや着心地など視覚的にわかりにくいものは重要視されなくなる傾向が。代わりに肌見せやシルエット、色やロゴなど、2000年ごろにはやった、目で見てすぐにわかるスタイルが支持されてきています」

教えてくれたのは
京都精華大学 デザイン学部 ファッションコース 准教授
蘆田裕史さん

ショート丈ジャケットできちんとスタイルが完成

ショート丈のトップスと膝から下に緩やかに広がるシルエットが特徴のフレアパンツを合わせた、〝Y2K〟の王道コーディネートです。大人はトップスにジャケットを選んできちんと感を演出して。

読者モデル・FRさん
ショート丈ジャケット4900円、ストレッチフレアパンツ3900円、リブニット(参考商品)、ブーツ(スタッフ私物)

裾広がりのパンツは股上が深く

2000年ごろはおへそが見えるほど浅かった股上が今は深くなり、ゆったりとした腰回りに。〝バギーパンツ〟から〝フレアパンツ〟になりました。

短丈カーディガンをさらりと羽織って華やかに

総柄ワンピースに今年流行のグリーンをまとった華やかなスタイル。ショート丈はカーディガンなら大人も取り入れやすく、羽織るだけでさまになります。ワンピースにロングブーツを合わせて全体を引き締めるのが大人ならではのポイントです。


ニットカーディガン4200円、ワンピース7900円、ブーツ(スタッフ私物)

ロングブーツはシンプルに

編み上げデザインと厚底ヒールで存在感のあったロングブーツ。最近は、無装飾でシンプルなタイプが主流です。

ポンチョの丈も短め ロングスカートと好相性

レトロなポンチョ風ニットもショート丈を。スカーフなどの小物を取り入れて視線を引き寄せるのが、こなれた大人スタイルのコツです。当時もはやったミニのチェックスカートは、落ち着きのあるロング丈に変えてみて。ブラウスをインすることで、足長効果もねらえます。

読者モデル・IMさん
ショート丈ポンチョ3500円(スカーフは別売り)、ニットスカート5500円、ブラウス(参考商品)、ブーツ(スタッフ私物)

ショート丈トップスは
ゆったりシルエットに

当時は〝チビT〟と呼ばれる、体にフィットするコンパクトなトップスが流行。現在はゆったり着やすいシルエットに。ジャケットやカーディガンなど種類も増えています。

ふんわり長めのトップスでフレアパンツの腰回りをカバー

フレアパンツはおなか回りやヒップラインが気になって挑戦しづらいという人は、ロング丈のトップスで隠せばOK。大人は肌見せせずに、ヌーディーカラーやシアー素材で抜け感を出すのがおすすめです。コロンとしたミニバッグがアクセント。

リブフレアパンツ4900円、プリーツトップス4900円、バッグ・ブーツ(スタッフ私物)

ミニバッグは形が豊富に

2000年ごろのミニバッグといえば、高級ブランドのワンハンドルでしたが、素材はフェイクレザーに変わり、形も豊富になりました。

大人世代の着こなしは色とバランスがカギ

「40代以上の方は懐かしさを感じるかもしれませんが、〝Y2K〟アイテムは着こなし次第でスタイルアップもできて、簡単に旬のコーディネートが完成する便利なものなんです」とは、コーディネートを教えてくれた婦人服のセレクトショップ「COCOナガイ」オーナーの大林良佳さん。

大人世代が〝Y2Kアイテム〟を着こなす際のコツや注意点とは。

「約20年前にはやったアイテムが再燃しているとはいえ、当時と同じ着こなしにならないように大人ならではの工夫を。ショート丈トップスにはボリュームのあるアイテムを合わせて、全体のバランスを調整しましょう。また、暗い色みでまとめると顔色がくすみ地味に見えることも。きれいな色やデザイン性のあるもので華やかさをプラスして」

教えてくれたのは
「COCOナガイ」オーナー
大林良佳さん
北山通で婦人服セレクトショップを経営。「挑戦をしておしゃれを楽しむ」をモットーに、仕入れから販売までを担当
https://coco-nagai.com/

※写真のアイテムは全て「COCOナガイ」の商品(特記のものを除く)

(2022年11月5日号より)