読者の“同い年”エピソード

2022年9月9日 

リビング編集部

親しみを覚えたり、ライバル視したり─。出会った人が〝同い年〟と分かると、相手への気持ちが変化することってありますよね。そこで読者から同い年にまつわるエピソードを募集。思わず「そうそう!」とうなずく体験談が届きました。

※2022年6月にリビング読者にアンケート
イラスト/かわすみみわこ

打ち解けるきっかけに 時には複雑な感情も

流行の音楽やファッションなど「あの時のあれ」がパッと通じる同い年。学生時代は身近にいたけれど、今は接する機会が減ったという人もいるのでは。

それもあり、大人になって出会う同い年の人は一段と近しく感じるのかも。読者のエピソードからも、「同い年だと知って急に距離が縮まった」「自然と会話が弾んで楽しい」といった喜びが伝わってきます。その半面、張り合ったり嫉妬したりで、モヤモヤするケースも…。そうした同い年にまつわる心理について専門家に聞いてみました。

刺激し合える関係「仕事仲間」

競合他社の営業担当が同い年。本来はライバル関係ですが、同じ道を行く彼女にシンパシーを感じ友達申請。社内では話せない仕事の悩みを共有できる、貴重な友人になりました(YK・34歳)

職場の年上だと思っていた化粧っけのない人が、実は同い年…。衝撃でした(YA・45歳)

イベントダンサーの仕事で、少し派手めで苦手なタイプの人と一緒に。でも同い年だと分かってすぐ意気投合。デュオで踊るのも楽しい!(TM・41歳)

バイト先のこわもての男性が同い年と知り、気軽に話しかけています(笑)(NT・63歳)

編集部
これもギャップ萌え?

同い年のパートさん同士はくだけた口調で仲良しなのに、正社員の私には同い年でもよそよそしい敬語。仕方ないかもしれないけれど…(WY・48歳)

親近感や意欲がアップ!「ママ友」

同い年のママ友が、私が結婚前に働いていた金融機関でパート勤めをしているとのこと。私もやれるかなと面接を受けると合格。影響を受けて今でも頑張れている(TM・49歳)

高齢出産をした私。幼稚園のクラス会で年齢の話になり嫌だなぁと思っていたら、同い年の方が。仲良しのママ友ができました(MM・44歳)

新居に越してきて出会ったママ友が同い年。学生時代のように本や漫画、映画など趣味の話をしています(AH・32歳)

マンションも子どもの年も同じで、エレベーターで声をかけられたのが出会い。同い年同士、一緒に聖子ちゃんやドリカムのライブに行っています(SY・49歳)

編集部
ともに青春時代に戻れそう!

同じ保育園の母子と、動物園やプールなど行く先々でばったり。聞けば同い年で、一気に仲良くなりました。今では家計の相談までできるいい関係です(KM・45歳)

編集部
よく出くわすのは気が合う証拠

一緒だからなお楽しい「趣味友達」

若々しくおしゃれなジム仲間は同い年。負けていられないと服装も気持ちも若返りを試みたら、人から「いいね!」と言われるように(TK・64歳)

ヨガ教室で出会った同い年の人。体が硬すぎるという共通点もあり仲良しに。その後、2人とも体が柔らかくなりました(UM・38歳)

近所の土手をウオーキング中にタオルを落とし、それを拾ってくれたのが同じくウオーキングをしていた同い年の男性でした。今度互いの妻を連れて喫茶店でモーニングする予定(TK・61歳)

推しの握手会のチケットを取ろうと始発で大阪のCDショップ前へ。並んでいる人と話すと同い年。もう10年以上、推し活以外でも仲良しです(NM・38歳)

編集部
20年、30年と末長く付き合いが続きそう

64歳で通い始めた水泳教室。同い年の方がいて、2人ともクロールの息つぎがうまくいかず、励まし合ってできるように。一緒に楽しく泳いでいます(UJ・67歳)

編集部
いくつになっても親しい友達がつくれるってすばらしい!

井上陽水のコンサート帰り、同い年の人に声を掛けられて盛り上がり、以来28年の付き合い。価値観と趣味が合う友人は貴重!(NH・60歳)

こんな巡り合わせも…

USJでアトラクションの列に並んでいたとき、後ろの家族と目が合って話をしました。半年たって街中で偶然再会。同い年だと判明し、会話が弾んでもう20年。ふた夫婦そろってジムで汗を流し、旅行も一緒。USJにも行っています(HH・56歳)

編集部
こんな出会いがあるなら、待機列もワクワクします

今のファッションが若い頃の流行と似ている、という話からショップ店員さんと同い年と分かり、昔好きだった服装やヘアスタイルなどの話に花が咲きました(OE・38歳)

高校卒業後、都会に出て就職した私。寮で知り合った同い年の女性と打ち解け、不安だった寮生活が楽しいものになりました。あれから45年たった今も連絡を取り合う、生涯大切な友です(OY・63歳)

年下だと思っていた男性。話がよく合うので年齢を聞けばなんと同い年。夫婦になり、今でも同い年トークで盛り上がっています(KM・32歳)

編集部
楽しく弾む会話が夫婦円満のカギかも

文化として根づいた関係性 良き友、良きライバルに

「〝同い年〟だと知って生まれる心理は、日本独特の文化的なものが影響しているのかもしれません」と話すのは、京都光華女子大学准教授の今西徹さん。

「日本は年功序列の傾向があり、部活動でも1歳違うだけで先輩・後輩です。同い年なら同質性が高いと感じて打ち解けやすく、相手をもっと知りたいという感情を持つのでしょう」

共通点が見つかることで、仲間だと思えるそう。

「もちろん、人それぞれだとは思います。甘え上手な人は年上、世話を焼くのが好きなら年下が仲良くなりやすいという場合もあるので」

一方で、対抗心を抱くことも。

「同じ環境で育つ兄弟姉妹の関係に似て、身近で対等な存在だからこそ負けたくないと思うんでしょうね。同い年の人と比べて落ち込んでしまうときは、相手ではなく自分を見つめ直してみてください。きっと長所が見つかりますよ」

競い合って互いに成長できれば、良きライバルになれそうです。

「同年齢という共通点は、つながりを深める土台に。仲良くなって相手との違いを発見すると、またそれも面白く感じると思います」

教えてくれたのは

京都光華女子大学
健康科学部心理学科
准教授
今西 徹さん

(2022年9月10日号より)