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マスク生活でたるんだ? 取り戻したい! すっきりフェイス

2021年9月3日 

リビング編集部

鏡を見て、マスクを外した自分の顔に「ちょっとたるんだ?」と思ったことはありませんか。それ、表情筋の衰えが原因かもしれません。マスク生活とフェイスラインの関係を専門家に聞いてみました。〝たるんだ顔〟への対策術も紹介しています。

イラスト/オカモトチアキ

表情筋が衰えるとたるみの原因に

「そもそも顔のたるみは、頬の脂肪を支える表情筋の衰えが主な原因。通常、20代以降は加齢とともに頬が下がってきます」とは、京都医療センター・形成外科科長の荒田順さん。たるみについて教えてもらいました。

「人間は誰かに見られていると、良い印象を与えようと自然に口角が上がります。しかしマスクで顔が隠れると、緊張が解けて表情がゆるみます。この無意識の変化から筋肉の動きが減り、通常よりも衰えのスピードが加速。マスク生活を機に、たるみが顕著に現れたと考えられます」

また、顔のむくみも関係しているそう。

「筋肉を動かさないと、リンパ管へのポンプ作用が弱まり、リンパの流れが悪くなります。そうなると顔から首にかけてむくみ、輪郭もぼやけてきます」

すっきりフェイスのポイントは表情筋

「デンマークでの研究によると、2週間運動をしないと若者は筋力の3分の1、高齢者は4分の1を失うという報告も。表情筋は小さく、使わないとすぐに衰えます。継続して動かすことが、たるみの予防・改善につながります」

どんな動きを意識すればよいのでしょうか。

「そしゃくで使う口周りの筋肉と、フェイスラインを維持する筋肉は違います。下顎にある顎舌骨(がくぜっこつ)筋や、首から顎にかけての広頚(こうけい)筋が衰えると、顎周りの肉が下がって二重顎になっていきます。頬が垂れ下がるブルドッグ顔の改善には、笑筋(しょうきん)を動かしましょう。笑顔を意識して口角を上げたり、表情筋トレーニングを取り入れてみて」

マスクによる口周りの乾燥もケアが必要とか。

「皮膚が突っ張ると、筋肉が動かしにくくなります。マスクを外したらしっかり保湿し、いつもより大げさに表情をつくるのもおすすめです」

美ラインをつくる表情筋

小頬骨(しょうきょうこつ)筋・大頬骨(だいきょうこつ)筋

頬を引き上げる筋肉。ほうれい線に関係する

笑筋・頬筋

口角を上げる筋肉。ブルドッグ顔や、口角から顎にかけて伸びるマリオネット線に影響

広頚筋

首の皮膚を引き上げる筋肉。衰えると首のしわや二重顎、ブルドッグ顔に影響

舌骨筋群

喉仏(のどぼとけ)よりやや上にあり、舌を支える「舌骨」を覆う筋肉。衰えて筋肉の緊張が弱まると二重顎の原因に。顎舌骨筋もこちらに含まれる

教えてくれたのは

独立行政法人国立病院機構
京都医療センター
形成外科科長
荒田順さん
https://kyoto.hosp.go.jp/

思い立ったらすぐできる 表情筋トレーニング

顔ヨガインストラクターの徳永友紀子さんによると、「マスクで口呼吸をする人が増加。口を開けていると、舌や下顎を支える筋肉がゆるんでいきます」。

フェイスラインを引き上げるには「舌を動かす」のが効果的だとか。

「舌を動かし、舌骨筋群のストレッチをしましょう。また、舌を動かすと口・頬の筋肉も一緒に刺激できます。一部の筋肉だけを鍛えるとバランスが崩れてしまうので、顔全体を動かすトレーニングを忘れずに」

コツは目を大きく開け、額にしわを寄せないように取り組むことだそう。

「慣れるまでは鏡を見ながら、動かす筋肉を意識して。表情筋を動かす運動を1日3分だけでも習慣にすると、たるみの改善につながります。トイレに行った時、お風呂に入っている時など、タイミングを決めておくと続けやすいですよ」

表情筋をほぐす運動と、たるみを抑えるトレーニングを三つ教えてもらいました。おうち時間に試してみては。

「くちゃくちゃぱっ」

筋肉を緊張、弛緩(しかん)させることで血流、リンパの流れを良くします。

01

鼻から大きく息を吸い、「シューッ」と口から息を吐きながら顔のパーツを真ん中にぎゅっと寄せる。下唇、顎を鼻に近づけるよう意識する。

02

目や口を大きく開き、顔全体をゆるめる。

ブルドッグ顔には側面の引き上げを
こめかみリフト

01

顔の側面に手を当て、斜め後ろに引き上げる。目尻が上がってほうれい線が消えるように意識する。

02

側面を引き上げたまま、押さえている反対側に頭を真横に倒す。舌を斜め下に突き出し、息を鼻から吸って口から吐く。反対側も同じように行う。

POINT

目尻の上にしわが寄らないように注意します。

マスクをしたままスキマ時間にトライ
ほうれい線プレス

舌でほうれい線を内側から押すように、口の中でグルッと円を5回描く。逆回りも同じように行う。

POINT

舌をなるべく大きくゆっくり動かします。難しい場合は、歯茎をなぞる程度でもOK。

広頚筋を伸ばして二重顎をすっきりと
三角の舌

姿勢を正して、上を向く。舌先を三角にとがらせ、天に向かって伸ばす。鼻で呼吸しながら10秒キープ。これを2〜3回繰り返す。

POINT

口をぽかーんと開け、舌先以外の力を抜きます。胸に手を当てると、広頚筋が伸びてより効果アップ。

教えてくれたのは

高津文美子式
顔ヨガインストラクター
徳永友紀子さん
https://40770989.at.webry.info/

急なマスクオフにも便利 たるみカバーメーク

顔がたるんでしわが増えると、一気に老けた印象に。そこでマスク生活に役立つ、たるみの即効カバーメーク術を京都美容専門学校の木村美紀さんに教えてもらいました。

「40代以上は隠すのではなく目の錯覚を利用して。マスクは化粧崩れしやすいので、ナチュラルメークと部分ごとのカバーがおすすめです。例えば〝三大老けライン〟とされるゴルゴ線、ほうれい線、マリオネット線は〝始点〟をカバー。一番彫りが深い部分の凹凸をなくすことで、ライン全体が薄く見えます。朝のベースメークはもちろん、化粧直しにも生かせるテクニックです」と木村さん。

また、ベースメークにパープルやピンクの化粧下地を選ぶのもおすすめだとか。「血色を良くしておくと、ラインが目立ちにくくなりますよ」

参考にしてみて。

チーク

頬骨に沿って少し高めの位置に入れると、引き締まったフェイスラインに

ハイライト

口角に肌よりワントーン明るいハイライトを入れると、マリオネット線の凹凸に効果的

コンシーラー

ゴルゴ線のカバーには、目頭下に5mm程度のせてなじませます。さらに涙袋にパールベージュ色のアイシャドーを入れておくと、視線をゴルゴ線からそらせます

コンシーラー

ほうれい線は小鼻のくぼみに、マリオネット線は始点に5mm〜1cmほどのせ、凹凸をカバー

リップ

マスク生活は目元のメークが濃くなりがち。顔の上半分とのギャップからフェイスラインが際立つことも。肌に合わせた明るい赤やピンクのリップを使い、視線を唇に誘導しましょう

教えてくれたのは

京都美容専門学校
講師
木村美紀さん
https://www.kyobe.ac.jp/

(2021年9月4日号より)