商店街の中にできた空き地。なんとか活用したいと店主や近隣住民が立ち上がりました。長岡京市も巻き込んで、笑顔の花が咲く広場に変身。月に1度開かれる運営委員会で話を聞きました。
阪急「長岡天神」駅からほど近く、「セブン通り」を歩いていると、ひまわりの花が咲く広場が見えてきました。敷地には芝生が植えられ、ベンチが置かれて、通りがかった人が一休みしている姿も。週末にはキッチンカーがやってきて、周辺の親子連れなどが集う場になっているそう。
ここは通称「セブラボ広場」。市民団体「長岡京セブンストリートラボ」がその整備や運営を行っています。「セブン商店会」の店主らと近隣の主婦の12人で構成され、オブザーバーとして長岡京市の職員など5人も加わっています。
「近年まで保育園が立っていましたが、移転のため取り壊しになることに。土地所有者である長岡京市から商店会に、その後の活用法について相談があったんです」。そう話してくれたのは、同運営委員長の酒井勇介さんです。同商店会の役員である酒井さんは、「せっかくなら地域の役に立つ場にしたい」と他の店主や近隣住民と相談。取り壊し以前から長岡京市に活用法を提案し、協議を重ねました。そして、昨年6月より官民連携による〝広場の運営〟が始まったのです。
ワークショップや市民による物品販売も
広場の活用法を考えるにあたり、同会メンバーが掲げた目的は「地域課題を解決し、多世代がつながれる場に」でした。商店街に位置していること、この地域に子育て世代が多いことなどから、「にぎわい創出」「憩いと交流の場」「防災」「子育て支援」を軸として、イベントなどを開催していくこととなりました。
初回のひまわりを植えるワークショップには親子50人が参加。その後、地元の造園協会からの寄付や「セブン商店会」の協力も得ながら、芝生を植えるワークショップ、フリーマーケット、防災講座、野外シネマ上映と1~2カ月に1度のペースで催しを行っています。
同副委員長で、商店街内の店主である春山美穂さんは「保育園の元園児やお母さんたちをはじめ、近隣の高齢者の方々も関心を寄せてくれています。遠くに出かけにくかった昨今、『近くに人とのつながりを持てる場があるのがうれしい』という声も」と話します。
今年7月からは、一般に向け広場の貸し出しも有料でスタート。イベントでの使用のほか、「ここで自作のグッズやアクセサリーなどを売る、といったことも可能。実際に手作りキーホルダーなどの販売で出店した人もいます。起業の第一歩を踏み出す場にもなれば」と酒井さん。
同広場は2024年3月までの期間限定で、それ以降は市で整備が行われる予定とか。
「市の再開発事業によりほかにも空き地が生まれています。『セブラボ広場』の運営が別のエリアでも参考になればうれしいですね」
毎日午前9時~午後7時は開放されているのでふらりと立ち寄るのもOK。今後も新たなイベントの構想が練られています。詳しくはホームページで。問い合わせは同事務局へメール=sebulabo@gmail.com=で。または電話=090(3862)4103=で酒井さんへ。
次回のイベント開催予定
「ちょこっと防災」
〈日時〉9月10日(土)午前10時~正午
〈参加費〉無料 〈定員〉30組
〈会場〉セブラボ広場(長岡京市長岡1丁目4-1)
〈申し込み方法〉ホームページ(https://www.sebulabo.com)内の「イベント情報」から
(2022年8月27日号より)
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