遺跡巡りをしているうちに「発掘調査現場を見たい」と思うようになり探してみたところ、公開中の現場はなかったのですが「長岡京市埋蔵文化財センター」の展示でたくさんの遺物があると知り、行ってみました。
阪急長岡天神駅から阪急バスなら明神前停留所で下車、徒歩1分。私はバスに乗らずウォーキングがてら駅から20分ほど歩いて行ったのでした。
平日に行った時は入口の扉が閉まっていたので、休館日を確認せずに行った私は「あ、またやっちゃった~」とがっかりしたのですが、よく見ると「開館中」の札が入り口の扉にかかっていました。
開館日には入り口に開館中の札がかかっていて、もし扉が閉まっている場合も、右手のインターホンを押すと職員の方に開けてもらえます。
各時代の発掘品が見られる常設展示室
入館してすぐ左手に常設展示室があり、長岡京市で発掘された遺物が時代ごとに展示されていました。
市内で発掘された品々は幅広い時代の遺物が揃っており、とても貴重な資料なのだと館の方に伺いました。確かに、常設展示には旧石器時代~江戸時代までの遺物が集約されていて、充実した展示という印象を受けました。
「埋蔵文化財…」とお聞きすると、専門的な研究者の方向けの難しい展示なのでは?と少し心配していましたが、クイズ形式の展示があったり、カラフルに色分けされた年表と展示品のプレートの色が同じにしてあったりと、予備知識がなくても理解しやすい工夫がされていました。
市内各所で発掘された弥生時代の土器だけでも、あらゆる形状が見られ、出土した遺跡の場所も書かれているので、今後の遺跡巡りの時の参考にもなりますね。
展示品の中でも、石包丁で実際に肉を切っている写真を見たのは衝撃的でした。「い…石で、本当に切ってる!」そりゃそうですが、何万年も前の時代が急に身近に感じられる気がしたのでした。
埴輪大集合
展示の中で楽しみにしていたのが埴輪(はにわ)の展示室。
入って右手のコーナーが常設の埴輪コーナーで、一歩中に足を踏み入れると、ありとあらゆる埴輪が大集結していました。
埴輪と共に副葬品も展示され、発掘当時の現場写真も見ることができたのでした。
それにしても、様々な形状の埴輪がありますね。以前恵解山(いげのやま)古墳公園で「水鳥形埴輪」が発掘されたという解説を読みましたが、それがこの子なんですね~。遭遇できて感無量です。
発掘現場の写真も展示されていましたが、もしも私が発掘調査員で、まとまって並ぶ埴輪をこんな風に見つけてしまったら、きっと大興奮したに違いありません。
あれやこれや見ながら、すっかり空想と妄想の世界に入り込みました。
資料や企画展示はエントランスで
このほか、入口エントランスでは企画展示もあり、受付付近には、古墳や史跡に関する冊子や、発掘品から読み解かれた長岡京の歴史などの資料をまとめたリーフレット類もあり、何冊かいただいてきました。どれも立派な冊子で、多くの写真が掲載されていて、とても読みやすいものでした。
発掘品は気が遠くなるど大昔のものでありながら、発掘現場には当時の人々の生活の様子がありのまま生々しく残っているので、ますます発掘現場に降り立ってみたいという願望が湧きました。
埋蔵品の出現は、何万年も昔の人々がそこに存在していた証であり、それを見ながら現代に至るまでの壮大な時の流れを思うと、日頃の雑事が些細なことに見えてくるような気さえするのでした。
長岡京市埋蔵文化財センター
京都府長岡京市奥海印寺東10-1
TEL:075(955)3622
http://nagaokakyo-maibun.or.jp/
開館時間等はHPから確認を
プロフィール
大好チヨ子
在住エリア:京都市西京区
メインテーマ:博物館などのアートイベント/パン屋さん
子育てを終えて、ようやく京都歩きを楽しめるようになりました。知識がない私でも「楽しい!美味しい!美しい!面白い!」と感じたり「知っていたらお得」な情報をゆる~く伝えてゆきたいです。趣味はドラム演奏と、博物館ボランティア。
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