魚料理は下処理に手間がかかりそう…、と敬遠しがちな人も多いかも。そこで〝手軽さ〟をキーワードに、今が旬のタイ、サワラ、シラスなどを主役にしたレシピをプロの料理人に考案してもらいました。春の魚を食卓に取り入れて。
撮影/橋本正樹、三國賢一
シラスで作るスペインの定番オムレツ
マダイのアヒージョはだし汁で一体感を
「トルティージャとはスペイン風の厚焼きオムレツです」と話すのは、「estilo h」のシェフ・畑下公平さん。
現地では、生ハムなどを加えるところを、今回はシラス入りにアレンジしてバーガーに。味の決め手はアリオリソース(ニンニク入りマヨネーズ)です。「スペイン料理の定番の組み合わせ」とのこと。冷めてもおいしいトルティージャは、お弁当にもぴったりです。
アヒージョはオイル煮のイメージがありますが、畑下さんによると「油と同量くらいの水分を足すのがコツ。塩がオイルに溶けやすくなります」。タケノコの煮物を活用し、その煮汁を加えてもOK。その場合は塩を減らすなどして調整を。
しらすトルティージャ de バーガー
材料(1人分)
- シラス 45g
- ジャガイモ(薄めのいちょう切り) 1/2個分
- タマネギ(スライス) 1/4個分
- 卵 2個
- バンズ 1個
- オリーブオイル 適量
- 塩 ひとつまみ
- アリオリソース 適量
〈アリオリソースの作り方〉(作りやすい分量)
- 皮をむき、芽を取り除いたニンニク(2かけ)を水からゆでる
- 火が通ったら湯を捨て、牛乳(大さじ2)を加えてブレンダーなどでピューレ状にする
- ❷の倍量のマヨネーズを加え、混ぜる
※手軽に作るなら、市販のすりおろしにんにく(チューブ入り)とマヨネーズを混ぜればOK
作り方
- フライパンにジャガイモとタマネギを入れ、オリーブオイルを具材の半分の高さまで注ぐ。塩を振ってひと混ぜし、弱火にかける
- ジュジュッと音がしたらふたをし、時々かき混ぜながら揚げ焼きのようにする。ジャガイモがやわらかくなったら火から下ろし、油を切る
- 卵をボウルに割りほぐし、シラスと❷を入れて混ぜる
- 中火で熱したフライパンに❷の油(適量)をひき、❸を流し入れる。かき混ぜながら丸く焼く
- 上下に半分にカットしたバンズに❹とアリオリソースを挟む
真鯛のアヒージョ
材料(1人分)
- マダイ 2切れ
- タケノコの水煮(くし切り) 100g
- だし汁 40cc
- 塩 ひとつまみ
- 薄口しょうゆ 適量
- 【A】
- オリーブオイル 30cc
- 白ネギ(粗みじん切り) 10cm
- ニンニク(スライス) 1かけ分
- タカノツメ(種を除き、半分にちぎる) 1/2本
作り方
- 小さめのフライパン(あればスキレット)に【A】を入れて中火にかける
- ニンニクの香りがしてきたら、マダイを皮が下になるよう入れて焼く
- こんがりとしてきたら、ひっくり返す。空いている場所にタケノコを加えて少し炒めるようにし、だし汁を加える
- ジュワッとするのが落ち着いたら、塩と薄口しょうゆで味を調える
- タケノコの上にマダイを置き、木の芽(分量外)を飾る
教えてくれたのは
畑下公平さん
estilo h(エスティーロ アチェ)
中京区間之町通二条上ル夷町560-8-2階
https://estilo-h-kyoto.com/
あっさり優しいサワラのごはん
メバルの煮つけは春野菜でうま味アップ
あっさりとしたサワラと優しい甘みのあるダイコンが相性良し。
「日本料理 研野」の酒井研野さんが教えてくれた「鰆と大根のごはん」は、シンプルな塩だけの味付けが特徴です。おかずも一緒においしく食べられるように、バランスを考えてのことだとか。「仕上げに塩を振るこの作り方は、失敗も少ないです」
煮つけは、野菜を入れるとうま味がプラスされ、だしまでコクが出るそう。メバルにトマトの酸味、アスパラガスとキャベツの爽やかさがよく合います。
鰆と大根のごはん
材料(4人分)
- サワラ(薄切り) 8切れ
- 米 3合
- ダイコン(2cm角にカット) 1/3本分
- ダイコンの葉 適量
- 塩、サラダ油、大根おろし、しょうゆ 各適量
作り方
- といだ米を炊飯器に入れ、3合の目盛りまで水を加えてダイコンと一緒に炊く
- ダイコンの葉を30秒~1分間熱湯でゆで、冷水につける。水気を絞り、みじん切りにする
- サワラに軽く塩を振り、サラダ油をひいたフライパンで両面を焼く
- ごはんが炊き上がったら❷を入れて混ぜ、塩4つまみを振る
- 茶わんに❹を盛り、❸をのせる。固く絞った大根おろしをトッピングし、しょうゆをかける
メバルとトマトと春野菜の煮つけ
材料(4人分)
- メバル(内臓を取ったもの) 2匹
- トマト(2cm角に切る) 2個
- アスパラガス(斜め切り) 4本
- キャベツ(4cm幅に切る) 1/4個
- 酒 200cc
- 水 600cc
- 【A】
- 砂糖 60g
- みりん 100cc
- おろししょうが 10g
- 濃い口しょうゆ 100cc
- ニョクマム(なければ濃い口しょうゆ) 20cc
作り方
- メバルを3枚におろす(小ぶりのものなら丸ごとでもOK)
- ❶とトマト、酒、水を鍋に入れ、強火にかける
- 沸騰したら中火にし、【A】を加える。落としぶたをし、約10分コトコト煮る
- アスパラガスとキャベツを加え、さらに約5分煮込む
- 器に盛り、木の芽(分量外)を飾る
教えてくれたのは
酒井研野さん
日本料理 研野(けんや)
左京区岡崎徳成町28-22
https://www.instagram.com/sakai_kenya/
たっぷりの卵黄で焼き上げるタイ
韓国風のり巻きはアジを使ってアレンジ
とき卵を具材につけて焼くジョン。「韓国だと甘ダイがメジャーですが、今回は手に入りやすいタイで作りました」と、「韓国の食堂 ハハハ」の全敞一(しょういち)さん。火を通し過ぎないことがポイントです。
韓国風のり巻き・キンパもアジを取り入れてアレンジ。
「韓国の精進料理である細巻きのキンパを応用しました。ごはんを少なめにするのが本場風。ホウレンソウの代わりに市販のナムルを使うとさらに手軽です。彩りが良くなるので、黄色いたくあんを巻いても」
鯛のジョン
材料(2人分)
- タイ(刺し身用の切り身) 6切れ
- 卵 1個
- 卵黄 1個分
- 塩、ごま油、小麦粉、木の芽、いりごま、酢じょうゆ 各適量
作り方
- タイに塩を振る
- ボウルに卵を割り入れ、卵黄を加えて混ぜる
- フライパンを中火で熱し、少量のごま油をひく
- ❶の水気をキッチンペーパーで取り、小麦粉を軽くはたいて❷にくぐらせる。フライパンで両面を焼く
- もう一度❷にくぐらせて、木の芽をのせる。フライパンで両面を軽く焼く
- 器に盛り、いりごまを加えた酢じょうゆを添える
鯵のキンパ
材料(4人分)
- アジ 1/2切れ
- ホウレンソウ 1/2束
- たくあん(7〜8mmの細さにカットしたもの) 4~8本
- ごはん 約200g
- 焼きのり(全形) 4枚
- 塩、ごま油、しょうゆ、いりごま 各適量
作り方
- アジは塩を振って耐熱皿にのせ、ラップをかけて電子レンジ(500w)で2分加熱し身をほぐす
- 軽くゆでたホウレンソウを絞って3等分にカット。中火で熱したフライパンにごま油(小さじ1)をひいて軽く炒め、しょうゆで味付けする
- ラップに焼きのりをのせ、ごはん(1/4量)をのりの手前から約1/3まで薄く広げる
- ごはんの上に❶❷、たくあんをのせ、ラップごと手前から巻く。同様に4本作る
- ラップを広げ、スプーンでごま油を少量かけ、いりごまを振る。食べやすく切り、器に盛る
教えてくれたのは
全敞一さん
韓国の食堂 ハハハ
下京区寺町通高辻西入ル恵美須之町516-1
https://www.instagram.com/hahaha.teramachi_takatsuji/
(2022年3月26日号より)
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