老後を仲間と生き生き楽しむ〝おやじ〟たち

2022年1月28日 

リビング編集部

右京区で生き生き活動している〝おやじ〟たち。ボランティアに講習会、ウオーキングと、楽しく続く秘訣(ひけつ)を取材してきました。

撮影/桂伸也

公園清掃に集まったメンバー。左から2番目が代表の小泉さん。京都市梅津地域包括支援センターのスタッフ(両端)も一緒に ※撮影のためマスクを外しています


12月下旬のある朝、右京区にある葛野児童公園に集まってきた5人の男性。全員65歳以上、ボランティア活動などを一緒に行っている「右京気ままおやじ会」のメンバーです。今日は月に一度の例会の日。会場に向かう前に、いつも地元の公園を清掃しているのだそうです。手に手に竹ぼうきや熊手を持ち、落ち葉がたまった広い砂場へ。

ごみ袋5、6個分の落ち葉を集めて、広い砂場がきれいに


「これじゃ、子どもが遊べへんからな」と、全員で落ち葉を集め、大きな石も砂場の外へ。すっかりきれいになった砂場の中で、「今日はこれくらいにしといたろか!」と笑顔なのは、代表の小泉順邦さん(77)です。メンバーは15〜16人はいるそうですが、「例会から参加する人もいるし、何をするにしても来たい人だけが来るんや。〝気まま〟な会やからな」とのこと。清掃終了後、会場として借りているグループホームへ向かいました。

右京区社会福祉協議会が用意した車いすで、押し方の練習をしつつ例会会場へ。車いすに乗っているメンバーの星野さんは、「この会に参加すると元気になります」


メンバーの最高齢は85歳。出会いは、京都市の地域支え合い活動創出事業の一環で行われた中高年男性対象のボランティア講座でした。参加者同士仲よくなり、「このまま解散するのは惜しい」「何か一緒にやってみよう」ということで、同会を2019年4月に結成。右京区社会福祉協議会や京都市梅津地域包括支援センターなどの協力も得つつ、活動を行ってきました。

公園の清掃以外に、ボランティアで高齢者施設でコーヒーをふるまったり、区のイベントの案内スタッフをしたり。また、車いすの押し方研修や無農薬野菜講座なども、講師を招いて自主開催しました。ウオーキングの会や外部のイベントにも誘い合って参加。外出自粛期間を経て、現在少しずつ活動を再開しているそうです。

気兼ねなく話し合える仲間たち

活動内容はいつも、みんなで提案・相談して決定。今回の例会では、小泉さんから市内の美術展の作品募集や、健康講座の情報が共有されました。メンバーの山下さん(65)からは、「月1回ではなく2回は集まれれば」という提案が。「みんながいつでも集まれる事務所があれば」と話したのは星野さん(84)。「思いやアイデアを自由に言い合える、とても民主的な会ですよ」

例会からの参加は2人。今回もさまざまな情報が共有されました


今回は、京都市右京区地域介護予防推進センターの協力のもと体力測定も行いました。最後はメンバーの井上さん(84)主導で体をほぐす体操を。和やかな中に終了しました。

体力測定では、メンバー全員がおおむね健康、という結果に

「今後は区内のほかのボランティアグループとも情報交換し、連携できれば」と小泉さん。「右京区の65歳以上の男性なら誰でも歓迎。好きなことだけ参加したらいい。みんなで一緒に、楽しく気ままに、ね」

入会希望者は、京都市右京区社会福祉協議会=TEL:075(865)8567(右京区地域支え合い活動創出コーディネーター大岩さん)=へ。

(2022年1月29日号より)