コスメの整理術

2023年6月23日 

リビング編集部

ファンデーションや口紅、チーク、アイブロウ、マスカラ…。こうしたコスメをきれいに整理すれば、日々のメイクがもっと楽しくなるかも! 手持ちのアイテムや収納方法を見直しませんか。

※2023年3月にリビング読者にアンケート。有効回答数763 撮影/菊地佳那

自分に合った収納場所は?決め手はストレスフリー

化粧品やメイク道具を収納している場所は人それぞれ。リビング読者に聞いたところ、一番多かった答えが「洗面所の棚や引き出しなど」で36.5%。その後、「持ち運びできるメイクポーチ」「メイクボックス」「ドレッサー」と続きました。

洗面所の棚や
引き出しなど

36.5%

持ち運びできる
メイクポーチ

25.6%

メイクボックス

17.2%

ドレッサー

11.4%
その他 9.3%

「正解はなく、自分にとってストレスが少ない場所が一番です」と話すのは、空間コミュニケーションデザイナーの安尾香奈さん。

「私はキッチン横の備え付けの棚に設置した引き出しに収納しています。鏡も引き出しの上に置き、その場で立ってメイク。子どもが小さくて朝はバタバタするので、いつも家事の合間に〝ながらメイク〟なんです」

自分のスタイルでメイクをできているかどうかが、収納場所の決め手となるよう。

「例えば、洗面所が『暑い』『朝は家族と使う時間が重なる』といった不便な点があるなら、持ち運びできるタイプのケースやポーチに変えてみてはどうでしょうか」

また、読者の中には洗面所とリビングなど、複数の場所にしまっている人もいました。

「それが便利ならOK。私の場合、家を出る直前に塗る口紅だけは、玄関のそばにある洗面所が定位置です。また、使用頻度が高いものを2カ所に置くのもいいと思います。動線を意識して、自分にとって使いやすい場所を考えてみましょう」

まずは手持ちのアイテムのチェックから

新商品や季節カラーの化粧品が発売されると買いたくなりますが、手持ちのアイテムが増えると、引き出しやポーチなどに収まらなくなってしまうことも。とはいえ、迷うのがその捨て時。まだ残っていたら、〝もったいない〟との思いがよぎります。

「適切な保管環境の場合、未開封なら3年、開封後は3カ月〜1年以内に使い切ることが目安といわれています。確かに捨てづらいですが、私は〝古い化粧品を使うのは雑菌を塗るのと同じ〟と聞いて以来、ためらわず処分できるようになりました。クリームや化粧水は、顔ではなく体に塗って使い切るのも手です」(安尾さん)

オーガニック化粧品はさらに保証期間が短いので注意。使用期限が表示されている製品もあるのでチェックしてみて。

「〝いつかのために〟と取っていても、いざハレの日が来たら古いものよりも新しいものを使いたいですよね。化粧品は定期的にアップデートして新しいものをそろえておくと、メイクするときの気分も高まりますよ」

見やすさ、取りやすさを大事に整理・収納方法アイデア

コスメを整理・収納するコツは、スペースを仕切りで分けて、アイテムごとに定位置を決めること。これは洗面所の引き出し、メイクボックスなど収納場所が違っても同じだといいます。

「仕切りが足りないときは、100円ショップなどで購入を。そのほかにも、整理に使える便利なアイテムがいろいろとそろっています」と安尾さん。具体的なコスメの整理・収納方法のアイデアを教えてくれました。

「いずれも一例なので、自分の収納場所に合わせてアレンジしてみてください。毎日使うものは手前に、使用頻度が低いものは奥に配置するのが基本です」

文房具入れといった、別のものの収納にも使えるケースをコスメ用として活用。100円ショップなどで、自分に合うものを探してみては。

深さがある入れ物の場合は、背の低いアイテムのスペースをメラミンスポンジで底上げ。取りやすい高さまで重ねましょう。メラミンスポンジも100円ショップで購入できます。

1色のアイシャドーや短いブラシといった小物は、埋もれてしまわないよう別の入れ物を用意。底の方にあると取り出すのがストレスになり、使う頻度が減る原因にもなります。

毎日は使わない〝二軍〟のアイテムは、毎日使う〝一軍〟とはケースを分けて下へ収納。別の場所にしまうと忘れて使わなくなりがちになります。また、写真のように化粧水やボディークリームなどのスキンケアアイテムをコスメとひとまとめにしても。

読者から多く寄せられたのが「ポーチの内側が汚れる」との悩み。汚れやすい布製のポーチは、中にプラスチックケースを入れるとお手入れが簡単に。液だれしたときもサッと拭けばOKです。

サンプルはもらったらすぐに試して

たまりがちな化粧品のサンプル。「旅行のために」としまっておき、気が付けば古いものばかり…、という経験はありませんか。

「結婚式に参列するときに、取ってあったアイシャドーの試供品を使ったら、かぶれてしまって反省したんです。それ以来、サンプルはもらったらすぐ開封しています」(安尾さん)

普段使うコスメと一緒に置いておくのがおすすめだとか。「しまい込むとどうしても忘れるので。シャンプーなどのサンプルは、お風呂場の目立つところに置いています。日常で試してこそ〝試供品〟です」

読者の悩みに安尾さんがアドバイス

アンケートでは、コスメの整理・収納方法にまつわる悩みも読者から寄せられました。快適なメイクライフのため、安尾さんのアドバイスを参考にしてみて。

手持ちの化粧品を見直す時間が取れず、どんどん増えていく

「誕生日や年始など、新しい気持ちになれそうなタイミングに処分の検討を。特に誕生日だと、新しいアイテムを買うのは自分へのプレゼントという気持ちになれますよ」

家族共有のドレッサーに入れているので、自分のスペースを確保しにくい

「家族それぞれのエリアをケースや仕切りで分け、交じらないようにする工夫が大事です。決めたスペースに収まらなければアイテム数を絞ることを考えて」

ポーチに入れているけれど、孫が化粧品をおもちゃにしてしまう

「ポーチでもケースでも、持ち運べるタイプがおすすめです。メイクをするとき以外は、子どもの手の届かない高さを定位置にしてみてはいかがでしょうか」

( 教えてくれたのは 

空間コミュニケーションデザイナー
安尾香奈さん

片付け・整理を通して、心地よい暮らしづくりをサポート。2児の母

\ 読者に聞きました /
私のコスメ整理術

読者が実践している整理術を紹介します。
※下記写真はいずれも読者提供

「眉ペンなどは、洗面所の引き出しの角に購入時のケースを固定して立てて、そちらに入れています。見つけやすくて快適!」(KTさん、55歳)

「持っているコスメの数が多いので、ポーチを仕事用、出かける時用、ベースメイク用の三つに分けました。出かける時用にはいろいろな種類のアイシャドーやリップ、マスカラを入れています」(YMさん、27歳)

「リビングの机でお化粧をするため、分けてバッグの中へ道具ごとに透明のケースに。何が入っているかを分かるようにしています」(KKさん、41歳)

「口紅が残ったらマドラーで掘って、小さいプラスチックのフタ付きケースに入れて使い切っています」(MKさん、44歳)

(2023年6月24日号より)