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ライフステージに合わせて、早めに資金作りの計画を【かけいぼ診断 2024年特別版】

2024年12月27日 

リビング編集部

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今年、「かけいぼ診断」で読者の関心が高かったのが「教育資金」「老後資金」に関する内容です。そこで、年末恒例の「かけいぼ診断スペシャル」では、ライフステージと「教育資金」「老後資金」の考え方について、ファイナンシャルプランナーの山副耕一さんに聞きました。

「教育資金」には児童手当を全額積み立て、投資も活用

子どもの教育にかかるお金の中でも、主に「教育資金」として準備しておきたいのは、もっとも負担の大きい大学進学と入学以降にかかるお金。高校3年時の予備校や受験の費用、大学の入学金や授業などを含め、高校3年~私大文系卒業までの5年間で約550万円かかるといわれています。子どもが17歳(高校2年生)になるまでに準備を終えるのが理想です。

まず、児童手当は全額を積み立てましょう。子どもが誕生前後の世帯なら、準備期間が17年と長く、「時間を味方につける」という意識を持つことが大切。加えて、税制優遇のある「NISA」で、安定感を優先した投資を活用するのも手です。例えば、100万円を準備するために、17年で3%なら月3800円、5%は月3250円を運用。

「教育資金」をためていない世帯で子どもが小学3年生以上、準備期間が10年を切る場合、家計の支出は当面「教育資金」を最優先することになります。例えば、550万円の三分の一を奨学金併用で捻出するとして、残り三分の二は月3万5000円を8年間3%で運用し積み立てていけば準備ができそう。

なお、国の少子化対策として、教育費の無償化が拡充されています。2025年度から、扶養する子どもが3人以上いる多子世帯は、大学の入学金や授業料などの一定額が所得制限なく無償化の対象に。こういった社会情勢も注目しておきたいですね。

「老後資金」の準備は、年金生活に必要なお金を想定することから

老後の生活費は世帯によって差はありますが、定年直後なら現役時代の7割が目安と言われています。ここに、住宅の修繕、余暇、介護の費用なども加え、老後の生活で必要な金額を想定しましょう。同時に、「ねんきん定期便」「ねんきんネット」で公的年金の見込み額を確認。公的年金では不足するお金を、「老後資金」として準備します。これは、現役のうちにためるのが基本です。

子どもが小さく「教育資金」の準備期間が長い世帯は、収入によっては並行して「老後資金」の準備が可能。15年程度の準備期間があるなら、長期投資のメリットを生かすことができます。

60歳目前で全く準備していない状況では、緊急の対応が必要。すぐ、給与や退職金など収入の見込み額を勤め先に確認。また、現在の生活費を節約できないか考えましょう。そして、今後の収支の計画を立て、少しでも早く、「老後資金」づくりに取り組んでください。

すでに、「iDeCo」の掛け金限度額の引き上げ、公的年金繰り下げ受給上限年齢の引き上げが実施。2025年度には、65歳までの雇用確保の完全義務化などが盛り込まれた高年齢者雇用安定法の改正が施行されます。「老後資金」を取り巻く社会環境の変化にも注意しましょう。

「教育資金」「老後資金」のいずれも、収支の黒字分をためるのではなく、先取り貯蓄を実行し、残ったお金で生活するのがおすすめです。

ファイナンシャルプランナー
山副 耕一さん

(2024年年末年始号より)

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