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定年退職以降も働き続けたい。収入と支出の目安と考え方は?【かけいぼ診断】

2024年10月18日 

リビング編集部

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65歳以降の収入と支出について、目安と考え方は? 老後生活へのアドバイスも。

50歳を越えたころから心身の不調に悩まされました。今は、食事を見直し、健康的な生活を心掛けています。65歳で定年退職後、再雇用制度はありませんが、可能な限り働き続けたいと思っています。実家では、高齢の父母が二人で生活。私の負担を心配し、終活に取り組んでいます。親に何かあったら、同居してサポートするつもりです。

本人55歳(会社員)

自分の老後生活、両親の介護など、気になることが多い年代ですね。

相談者は、外食費、遊興費、交通費が比較的多いようですが、65歳で定年退職後はつきあいが減り、これらの金額の減少が見込まれます。終身保険、iDeCo、個人年金保険の払込満了も合わせて、月々の支出は7万円程度ダウン。実家で同居するのであれば、家賃や食費なども含めて合計16万円程度が今より減ると思われます。

一方、趣味の観劇や旅行などの費用が一時的に増えることも考えられます。収支バランスを考えた上で、生きがいの面から、充実させる方向で考えてもよいでしょう。この部分の支出は貯蓄で補うこととし、月々の収支を基準に定年後の家計管理を考えましょう。

10〜15年後の生活イメージでは、物価上昇の影響も加えると、両親と同居しない場合は25万円、同居する場合で16万円程度の支出を想定。公的年金が月15万円、74歳までは個人年金とiDeCoで月8万円程度の収入が見込め、同居なら大きな持ち出しはなさそう。同居しない場合でも、生活スタイルによりますが、数万円の持ち出しで収まるでしょう。

相談者自身の万一への備えとして、施設への入居一時金や月々の費用、実家のリフォーム費用なども考えておく必要があります。今後の貯蓄と退職金が加わり、65歳までに2500万円ほど準備できそう。万一の場合を含め老後の生活資金は大丈夫だと思われます。

最後に、物価上昇の影響には要注意です。統計上は3%程度の上昇と言われていますが、もう少し高めと考えるのが現実的。長期的には、大きな影響が生じます。無理をしない範囲で、インフレ分程度は投資などで〝お金に働いてもらう〞ことも考えてみましょう。

ファイナンシャルプランナー
山副 耕一さん

(2024年10月19日号より)

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