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老親の支援と自分たちの老後資金の準備を両立するには?【かけいぼ診断】

2022年12月9日 

リビング編集部

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近居の老親のサポートと、自分たちの老後資金の準備。両立できそうですか?

上の子は社会人になり独立。下の子も来年大学を卒業し就職。パートの時間を増やして自分たちの老後資金をためたいのですが、近居で年金生活を送る夫の両親(80代)の家事手伝いや買い出しに時間も手間も取られ、思うように進みません。夫の兄弟3人で、月2万円ずつ実家用の積み立てを実行中。これから準備しておくことは?

夫55歳(会社員) 妻52歳(パート) 子22歳

教育費のやりくりが終わると、気持ちも家計も一段落。いざ自分たちの老後資金の準備に取りかかりたいところですが、老親へのサポートが負担になっているようです。

優先すべきは、自分たちの老後資金です。定年や継続雇用などに移行するたびに給与が減る可能性はありますが、年間100万〜150万円を目標に貯蓄を続けていけば、退職金もありますし、今後10年間で老後に必要とされる金額の準備が十分に可能です。

ただし、親の資産状況、今後の介護の内容によっては、老後資金の計画に調整の必要がでてきます。そのため、現状の確認をしっかりと行うことが重要です。ポイントは、両親の意向、貯蓄・不動産・借金などを含めた全資産状況、利用している保険などの金融商品について。子どもから親に尋ねにくい内容ですが、全ての当事者が納得して取り組むために避けては通れません。本格的な介護が始まるまでに話し合いをしておきましょう。

相談者も認識されていますが、相続や認知症の進行で意思表示ができなくなった場合など、親名義の口座からお金を引き出せなくなることがあります。いわゆる口座の〝凍結〞に備えて、兄弟で積み立てを実行中。さらに一歩進めて、相談者世帯が日常的に負担をしている親のための出費(月約1万円)も、この積み立てで精算するとよりよいと思います。領収書などを残し、兄弟間のトラブルにつながらないように配慮してください。

また、積み立てではカバーできない出費が生じる事態を想定し、「後見人」の選定、代理人が預貯金の引き出しを行える「財産管理委任契約」の締結を公正証書で行うことも。代理人による預金の引き出しが可能な信託の利用なども、検討しておくことをお勧めします。

ファイナンシャルプランナー
山副 耕一 さん

(2022年12月10日号より)

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