かけいぼ診断 7月31日号

2021年7月30日 

リビング編集部

ファイナンシャルプランナーが家計簿をチェック、家計のいろんな悩みにお答えします。
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4月にバイトを退職。介護の必要な兄との2人暮らしは赤字に。兄が施設に入所しても、やりくりしていけるのかアドバイスを。

本人70歳(年金受給) 兄72歳(年金受給)

難病で障がいのある兄をずっと支えてきた相談者。介護と家事を一手に担い、毎日とても頑張っておられますね。

家計はしっかりと節約できています。その中で、見直しできそうなのが保険料。加入したばかりという兄の医療保険は、入院日額3000円のものが2口。一つは月5500円と高額で、1カ月分の保険料が2日分の入院保障と同じくらいの金額になります。これを解約して、その分を貯蓄した方がさまざまな状況に対応できます。同様に、相談者も医療保険2口と、がん保険、府民共済に加入中ですが、医療保険1口は減額されては。保険による病気への備えは、最低限にしましょう。

また、赤字の生活が続いていますが、積立も考慮すると、実質の赤字は年間約20万円。医療保険の見直しをすると赤字は約8万円に減り、取り崩し額としては決して多くはありません。

将来、兄が介護施設に入る場合には、年金の不足額を貯蓄で補填(ほてん)することになるため、自宅の売却も、と考えているとのこと。兄が特別養護老人ホームに入るとその費用が月14万円、相談者一人の生活費が月13万円と仮定してみましょう。2人の年金からの不足額は年90万円なので、今ある貯蓄で14年近くカバーできる計算になります。さらに、払い込み済みの終身保険の解約返戻金350万円を活用すれば、約4年分プラスに。

これまで築いた資産でかなりの年数対応ができるので、自宅の売却は、最終手段と考えても大丈夫です。

施設を嫌がる兄を気遣い入所に踏み切れないようですが、施設によっては資金のめども立ちそうです。相談者自身の人生も大切に考えて、兄弟にとってベストな形を探っていきましょう。

ファイナンシャルプランナー
八束 和音さん

(2021年7月31日号より)

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