京都の書店員やカフェ店主がおすすめの本を紹介。
すてきな一冊に出あえそう!
宮沢賢治の残した詩が装いも新たな一冊に
「雨ニモマケズ」などで知られる宮沢賢治。同作ほか約70 作品を装いも新たに編み直した一冊だ。
賢治の作品は多くがノートや裏紙に書きつけられたものだという。改めて読むと荒々しさを感じる言葉も多く並ぶ。表題作「農民芸術概論」は、彼の生まれた東北の地に生きる人びとへの「もっと明るく生き生きと生活する道を見付けたい」という強いメッセージだ。雪と風に閉ざされながら土地を耕す農民のくらしは賢治の目にどのように映っていたのだろうか。
言葉は土地から生まれる。賢治のいう「農民」を私たち自身に置き換えたとき、「芸術」は何にあたるだろう。日々の生活の中でそれぞれの「芸術」を心にともしておきたい。
■本の紹介者
開風社 待賢ブックセンター
鳥居貴彦さん
http://kaifusha-books.com/taiken/
(2024年3月13日号より)
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