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【コレ読んで!】ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた

2023年6月30日 

リビング編集部

京都の書店員やカフェ店主がおすすめの本を紹介。
すてきな一冊に出あえそう!

ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた
斎藤幸平 KADOKAWA(1650円)

著者が現場で体験し考えた、日本の今

研究者である著者が、日本各地の「現場」に足を運び、自ら体験を記録した本書。

ギグワーク(その場限りの仕事を請ける労働形態)で感じた孤独と虚無感、グローバル化、効率化のもと無駄と排除された仕事の重要性を再認識したコロナ禍、資本主義が推し進められる中で置き去りにされてきた環境問題や人権問題の今。
もちろんすぐにすべてを理解するのは難しい。しかし、知ったことをありのままに受け入れ学ぼうとする著者の姿勢に、日々変化する社会や諸問題、違和感について、当事者ではないからと目を背け、一人の力では何も変わらないと語ることから逃げている場合ではないと気づかされる一冊。

■本の紹介者
マヤルカ古書店
なかむらあきこさん
 
http://mayaruka.com/

(2023年7月1日号より)