【コレ読んで!】ファンタジーと言葉

2021年11月12日 

リビング編集部

京都の書店員やカフェ店主がおすすめの本を紹介。
すてきな一冊に出あえそう!

ファンタジーと言葉
アーシュラ・K.ル=グウィン/(訳)青木由紀子
岩波現代文庫(1210円) 

「ゲド戦記」の著者がつづる 作品の背後に広がる世界

「ゲド戦記」の著者として知られる作家ル=グウィン。本書では人類学者でインディアンとの生涯をかけた交流を大切にした父との思い出やインディアンたちの教え、そして幼い頃からむさぼるように読んだ本や創作、ジェンダーについてなど、さまざまな媒体でつづられたエッセーや講演録がまとめられています。

ル・グウィンの代名詞とも言える「ファンタジー」は、ギリシャ語の「目に見えるようになること」という意味の単語を語源とするそう。

鋭い観察眼と、ウイットにとんだ言葉で語られる自身の人生や見てきたもの、それらを支える深い愛情。世界中で愛される彼女の物語世界の秘密に触れられるような一冊です。

■本の紹介者
マヤルカ古書店
なかむらあきこさん
 
http://mayaruka.com/

(2021年11月13日号より)