【コレ読んで!】太陽にほえろ!伝説

2020年11月13日 

リビング編集部

京都の書店員やカフェ店主がおすすめの本を紹介。
すてきな一冊に出あえそう!

太陽にほえろ!伝説
岡田晋吉 ちくま文庫(990円)

魅力的な刑事が活躍する名物ドラマの制作秘話

僕は刑事(デカ)の所作が好きだ。警察手帳をかざす、走って犯人を追いかける、覆面パトカーでカーチェイス。刑事ドラマの金字塔「太陽にほえろ!」の影響だ。
細かいことよりかっこよければいいじゃないかの時代。当時思春期だった僕は歴代の魅力ある刑事たちから男の美学を学んでいた。

幅広い層に愛され15年続いた本作のプロデューサー(著者)が制作秘話を語る。
移ろう時代や裏番組に「殉職システム」が奏功するなど、長寿の裏にあった戦略が興味深い。

何よりは刑事の描き方。一匹狼(おおかみ)のスコッチ(沖雅也)、熱血漢なボギー(世良公則)、三枚目のドック(神田正輝)、いつも誰かに憧れていたことを思い出す回想録。

■本の紹介者
月と六ペンス
柴垣希好さん

(2020年11月14日号より)