【コレ読んで!】随筆集 読むことの風

2020年12月11日 

リビング編集部

京都の書店員やカフェ店主がおすすめの本を紹介。
すてきな一冊に出あえそう!

随筆集 読むことの風
アサノタカオ サウダージ・ブックス(1980円)

世界や他者とつながる言葉 飾らずにつづられた随筆集

「読書家」とか「本好き」という言葉に違和感を持っている。ずっと。それをどう言葉にしたらいいのかよくわからない。
ぼくにとって本はたまたまあるものだった。本めっちゃ好きなんですよ! とかわざわざいうようなものではないのでは…。

そんなモヤモヤをすっとふに落ちる言葉で書いてくれたのが本書。
編集者でもある著者がかつて手がけた本、旅の記憶、出会った人、それぞれが短く飾らない言葉でつづられる。思いつくままに言葉を並べた散文集。

バラバラに見える言葉は、しかし確かにつながっている。思えば本を読むとは、その先にある世界や人にたどりつくための時間だったのだなと、なぜか少し懐かしくなった。

■本の紹介者
開風社 待賢ブックセンター
鳥居貴彦さん

http://kaifusha-books.com/taiken/

(2020年12月12日号より)