【コレ読んで!】わたしたちの心をつなぐふつうのことばたち

2024年6月28日 

リビング編集部

京都の書店員やカフェ店主がおすすめの本を紹介。
すてきな一冊に出あえそう!

わたしたちの心をつなぐふつうのことば
キム・イナ、(訳)たなともこ イースト・プレス(1760円)

自分を見つめ直し、他者と心を通わせる手助けに

韓国で作詞家 、作家として活躍する著者が、普段何げなく使っている「好きだ」「疲れる」といった言葉を一つ一つ分解し、ときほぐしていく本書。

私たちは言葉を介して他者とコミュニケーションを取るが、それは楽しさや幸福だけでなく、トラブルやマイナスの感情を生むこともある。しかし、丁寧に言葉と向き合う著者の文章を読むと、一見マイナスのような感情や言葉も手放さずそばに置いておいていいのだと思える。

不完全な人間同士、言葉尻を捉えて非難したり単に言葉を吐き出したりしてしまうこともあるけれど、ときには立ち止まりながら、一喜一憂だけではない繊細な心の動きを大切にしていきたい。

■本の紹介者
マヤルカ古書店
なかむらあきこさん
 
http://mayaruka.com/

(2024年6月29日号より)