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その昔乙訓地域には多くの城があった、と博物館で知って以来、城に興味を持った大好チヨ子です。以前朝堂院公園案内所のガイドさんに「城跡や城の痕跡がある場所に行ってみたいが、どこかにあるか」と尋ねたところ、城があった場所の一つとして、「上植野城公園」の名も挙がりました。

災害時の避難場所となった城跡

上植野城公園は、住宅街の中にあったので少し迷いながらたどり着きました。公園の名前から園内に何かその痕跡があるかとくまなく探したのですが、生憎、城跡としての遺構は残っていませんでした。

見つけた案内のプレートによると、城跡が北小路市営住宅となり、現在は防災拠点としての役割を担う公園となったようですね。

公園内を見渡してみると、災害用備蓄庫や防災トイレ・かまどベンチなど、確かに非難拠点としての機能を持った設備を見ることができました。

かわいらしい遊具も設置

広々とした園内は芝の緑に囲まれ、かわいらしい遊具もゆったりと設置されていて、遊ぶのにも憩いの場としても利用できそうなきれいな公園でした。

今は住宅街となっている公園のある場所は、周囲との高低差もないため、平城とは本当に跡形もなくなってしまうものなのだなと、少し儚げに思ったのでした。

かつて造られていた平城では、土を掘ってお濠を作り、その掘った土を盛って土塁を作ったとガイドの方に聞いたことがあり、それが遺構として残った物集女城公園のようなところもあれば、この上植野城公園のように、その後の開発で、記録によって名前だけが残された場所というものもあるのですね。

その昔、城があったことが現在は名前として残る「上植野城公園」は、これからも、かつて城があった場所として語り継がれてゆくのだなと思ったのでした。