子どもとの世代間ギャップ

2020年7月3日 

リビング編集部

常識だと思っていたのに、下の世代には通じないということも。今回は高校生以下の子どもとの間で感じた〝世代間ギャップ〟を読者に聞いてみました。すると、驚きの行動やひと言がたくさん! 子どもと一緒に読んでも盛り上がれそうです。

イラスト:ずーたん

読者の声

  • ダイヤル式の黒電話をかけようとした小学5年生の孫。穴に指を入れて押していました(YE、61歳)
  • 娘(9歳)が、「公衆電話」「受話器」などの言葉自体聞いたことがないというのにびっくり(OM、45歳)
  • 6歳のめいに折り畳み式の携帯電話を見せたら、「おもちゃ?」。携帯電話だと信じてもらえなかった(NS、29歳)
  • 友達の子ども(6歳)に「家の電話番号って?」と聞かれました。個人携帯があるので、固定電話を設けない家も多いのですね(HH、45歳)

黒電話に携帯電話、電話の歩みを振り返ってみると

NTT西日本によると、固定電話として〝黒電話〟が登場したのは1933年のこと。代表的な電話機として活躍しましたが、1969年に〝プッシュホン〟が誕生してからはボタン式がメジャーになりました。

一方、どんどん進化する携帯電話はというと…。1991年、NTTから超小型携帯電話「mova」シリーズが発売。折り畳み式もあり、携帯電話は急速に普及していきました。Apple社から「iPhone」が発表された2007年以降はスマートフォンの利用が広がっているものの、折り畳み式の携帯電話は現在も販売されています。

そして、大人も使う機会が減った公衆電話。1988年度は全国で82万7167台ありましたが、30年後の2018年度は15万5214台に。とはいえ、災害時などいざというときのため、子どもに使い方を教えておくとよさそうです。


読者の声

  • 「ラジカセって何?」と9歳の孫に言われました。もはやカセットテープは過去の産物のようです…(ES、61歳)
  • CDを知らなかった、 おいの子ども(小学5年生)。音楽はスマホで聞くものだと思っていたみたい(SN、60歳)
  • めいの子ども(小学5年生)にレコード盤を見せたら、何か分からなかった。直接つかもうとしたので慌てて取り上げました(KH、61歳)

どこでも気軽に曲が聞けるように進化を続ける音楽メディア

「レコードが一般家庭に広まったのは1970年代。80年代になると、徐々にCDへと移行されていきました」と話すのは、JEUGIA・AVソフト担当マネージャーの望月達也さん。

「『ウォークマン』の流行に伴いカセットテープが人気になるのも80年代です。〝A面〟〝B面〟という呼び方になじみがある人も多いのでは」

80年代後半~2000年代にはいわゆる〝CDバブル〟が起こり、CDが主流に。カセットテープは録音ソフトとしての面が強くなります。90年代に発売されたMDも録音ソフトとして活躍しますが、「iPod」の登場で目にする機会が減少。

「どこでも気軽に音楽が聞きたいとの需要に合わせ、音楽メディアは進化してきました。一方で、『歌の練習時に便利だから』と今でもカセットテープを愛用する人も。音楽配信サービスも浸透してきましたが、物として手元に残る音楽メディアはこれからもなくならないと思います」


読者の声

  • 小学1・3年生の母です。漢字の書き順が私が習ったときと今では違いました(KE、41歳)
  • 友達の子ども(小学1年生)の宿題を見ていたら「さくらんぼ計算」なるものをやっていた! 初めて知りました(IH、33歳)

覚えやすさなどが重視され書き順が変わった漢字も

漢字の書き順は時代によって変わるのでしょうか。日本漢字能力検定協会に尋ねたところ、1958年からは同年に文部省が発行した「筆順指導の手びき」の書き順が基準になったとか。ですが、「この手びきは正しい筆順を一つに定めるものではなく、未掲載の筆順を誤りともしていませんでした」(同協会担当者)。

1977年以降、現在までは「原則として一般に通用している常識的なもの」が教科書に採用される書き順の基準になっていますが、実際は「筆順指導の手びき」がそのまま掲載されているといいます。

また、1958年より前の基準はなし。「上」「右」「寒」「取」といった漢字は、今と違う書き順で教えることがあったそう。「担任や習い事の書道の先生から、この時代の筆順を習った人もいるのかもしれません」

書きやすさ、覚えやすさ、整えやすさ、字源、運筆などが考慮され、書き順が変わる場合があったとのことでした。




読者の声

  • 汲み取り式トイレを知らなかった10歳の娘。叔父さんの家で見て、「落ちちゃう!」と大騒ぎになりました(NM、41歳)
  • 和式トイレの使い方が分からなかった5歳のおい。「このトイレは怖い!」(ST、49歳)
  • 幼稚園で働いています。2歳児がトイレで固まっているので声をかけると、「フタ開かないねん」。自動で開くと思っていたみたい(HK、49歳)
  • 高校生のめいは、トイレのレバーで水を流すことを知らなかったそう。今は自動で水が流れるタイプが多いからですね(NT、38歳)

水洗トイレは今や90%以上 便利な自動機能も搭載

汲(く)み取り式トイレの歴史は古く、鎌倉時代までさかのぼります。

「鎌倉幕府が麦の二毛作を奨励してから、糞(ふん)尿は貴重な肥料に。明治時代までは貯糞汲み取り式トイレが主流でした」と、日本レストルーム工業会の担当者。その後、1904年に初めて和式水洗トイレが製造されます。

「下水道や浄化槽の普及により、2014年ごろの水洗化率は90%以上。また、1970年代後半に洋式トイレの出荷が和式トイレを上回り、2000年代前半には和式トイレの出荷比率が5%以下となりました」

子どもたちが汲み取り式や和式のトイレに戸惑うのもうなずけます。

自動式の機能については、「フタを自動で開閉する機能を搭載した温水洗浄便座は1992年に、自動で便器洗浄をする温水洗浄便座は1995年に発売されています」。発売以来、徐々に広まっていったよう。今後も便利な機能が〝当たり前〟になっていくかもしれませんね。


読者の声

  • 土曜日は半日学校に行っていたと話したら、小学生のわが子に「土曜日は休みやん」と言われた(HH、44歳)
  • 〝じゅんれんか〟といえば、私世代は長渕剛の「巡恋歌」。中学生にとっては湘南乃風の「純恋歌」らしいです(HY、45歳)
  • 「キムタクって歌えるの?」と小学生の息子。「SMAPだったし、歌って踊れるよ」と言ったら、「SMAPだったの!?」。ドラマやCMのイメージが強かったようで。衝撃でした(IJ、45歳)
  • 近頃少ない、回すタイプのドアノブ。5歳の娘は開け方が分かりませんでした(KK、36歳)
  • 手遊びの歌詞。私のときは「お寺のおしょうさんがカボチャの種をまきました。芽が出てふくらんで花が咲いたらじゃんけんぽん」でしたが、3歳の子どもは「~花が咲いて枯れちゃって忍法使って空飛んで東京タワーにぶつかってかみなりゴロゴロじゃんけんぽん」。長い!(ST、39歳)
  • 18歳の娘によると、最近は泣くことを「ピエン」と言うらしい。それ以上に悲しいと「パオン」。もはや人ではなくゾウになっている(NY、53歳)
  • 実家に帰省した際の入浴時。6歳の息子が固形せっけんの使い方が分からなかった様子。普段ボトルタイプしか使っていないからか…(IY、34歳)
  • 美容師をしています。小学2年生にどんな髪形がいいか尋ねたら、「iPadで見本調べて」と。ヘアカタログを取り出そうとした手が止まりました(HT、39歳)
  • 「『テレビをつけて』って言ってるのにつかないよ?」と、遊びに来た友達の子ども(幼稚園児)。ごめんね、私の家にスマート家電はないのよ(YS、42歳)
  • 14歳と11歳の息子が話す言葉が全く分かりません。「まじ卍(まんじ)」(※1)「草はえる」(※2)「ワンチャン」(※3)…。「訳して!」が口癖です(UR、42歳)

(※1)特定の意味は定まっておらず、感情の高まりを表す。「ヤバイ」に近い言葉
(※2)「笑った」ことの意味
(※3)「ワンチャンス」の略。低いながらも可能性がある、といった意味



編集後記

電話マーク(☎)が伝わらなくなる日も近いかも…と感じた今回の特集。「お寺のおしょうさん~」の歌詞は、記者(20代後半)は「~空飛んでテレビの前でじゃんけんぽん」と歌っていました。身近な人との世代間ギャップも探してみては。

(2020年7月4日号より)