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『京都祇園らんぷ美術館』は八坂神社南隣・祇園バス停前にあり照明やランプが好きな私は気になっていました。明治時代に使われていた日本製、外国製の石油らんぷや、それらに付随する品々を800点展示している事を知り、入ってみました。

美しく煌めく『らんぷ』の世界

『らんぷ』が描かれた入り口を入った途端、そこはまるでランプの館！
受付にも『置きらんぷ』や『らんぷの本』が置かれて『日本のらんぷ』と『イギリスのランプ』の本が販売されてました。見渡してみると外国製のらんぷ、日本製/らんぷ以前の硝子を使用した灯火器や、吊りらんぷに、階段下のケースの中には私の好きな梟の白くて大きならんぷ(1882年製イギリス)もあり、2階展示室に上がる前に立ち止まって見つめてします。

階段にも様々ならんぷが飾られていて、ランプをモチーフにしたレリーフ、踊り場にはヘルメット型ランプ等が飾られているガラスケース、天井にはトンボの模様の綺麗なシーリングライト、壁には『日本製らんぷ年表』もあって上から下までキョロキョロしてしまいました。

美しい『らんぷ』&珍しい『ランプ』で溢れていました！

2階中央には、らんぷがいっぱい吊り下げているのですが、その中でも豪華絢爛な『吊りらんぷ』が上から見下ろせるではないですか！(吊りらんぷは見上げたことしかありません)
ロウソクが立つようにシェードが受け皿になっているのに気がついてビックリ。

様々な『らんぷ』がある中で、特に気に入ったのは、魔法使いが出てきそうな『金色のらんぷ』や、アメリカ映画のワンシーンのような『シカゴの信号機』、お花の形のらんぷがお洒落な『ランプストーブ』、子供部屋用の愛らしい『猫のらんぷ』。実用的な『らんぷ付き煙草盆』、梟や蝉の形のマッチ入れや、らんぷが描かれた版画等もあって明治時代に「暮らしを照らしていたらんぷ」が偲ばれました。

3階も綺麗で可愛い日本製の『らんぷ』がいっぱい！

3階に上がる階段にも『らんぷが描かれたステンドグラス』や天井には、アンティークで綺麗なシーリングライトもあるし、いずれもカラフルでとても素敵でワクワクしながら展示室へ！

3階にも上記のように様々な『らんぷ』があったのですが、入り口前のケースには、『U.S.A 風と共に去りぬ』と表示された美しくて豪華ならんぷが２つも展示されていて、スカーレット・オハラが好きな私は「映画に出てたのかなあ」と思いがけない出会いに感激！

美しいらんぷや、艶やかならんぷも目をひきますが、壁には『軒灯』も展示されていて心奪われました。表示には「明治時代ガス灯と称されが光源は、らんぷ。明かりの点灯、消灯、ほやの掃除などは点灯夫が行っていた所がある。」とあり、点灯夫が街の灯りを一つ一つ灯していた様子が目に浮かびました。

『京都祇園らんぷ館』では文明開花の象徴とも言える日本製石油らんぷ、およびその原型となった古渡り(江戸時代末期から日本へ渡来)の外国製石油らんぷ、また付随する品品を中心とした多年におよぶコレクションを展示しているんだそう。私は大好きなトルコランプや動物をモチーフにしたらんぷを探すのが楽しかったし、夫は1900年パリ万博に出展されたアールヌーヴォー『ガレーの石油らんぷ』やフォード車のライト、キャンプに持って行っていたストーブにそっくりなランプストーブやマントル保護用虫よけカバーや医療用らんぷ等を熱心に見ていました。

人々の暮らしを照らし続けた美しいらんぷを鑑賞して日本と西洋の文化が融合した明治時代を垣間見た気がしました。見る目を養う為にセンスの良い『らんぷ』をまた観に行きたいです。