以前ある資料館を訪れた時、乙訓界隈には、かつて多くの城があったという歴史を知りました。「現在も見られる城跡はないのか?」と気になり、長岡宮朝堂院公園案内所で常駐のスタッフの方に「どこか城跡を見ることができるところを教えてください」と尋ねました。
土塁と濠が残る物集女城跡
その時教わったのが「物集女城跡」。最も城跡としての形状を留めており、すぐ隣が公園なのでそこから見ることができるとのこと。資料の航空写真を見せていただき、さっそく現地に向かったのでした。
行ってみると、物集女城跡の隣接地は、向日市市政施行50周年時に整備された、真新しいきれいな公園でした。
城跡の場所自体は私有地のため、踏み入ることはできませんが、公園内の案内版には航空写真もあり、立地がわかりやすく、城跡の確認は容易でしたよ。
航空写真に見られる城の内郭部分を囲む土塁とおぼしきこんもりとした樹々…現地でも確かにこんもりとした樹々が見えました。公園の東端まで寄ると、確かに盛り土があり「あそこが土塁なのか」と。
遊具も整った、城跡の情報がわかる公園
園内の「物集女氏と物集女城」と題した案内板に、物集女城は周辺を支配した物集女氏の居城と考えられるとありました。土師器・須恵器なども出土しており、確かにこの場所に城があった痕跡が見つかっているのですね。
当時の城は、石垣を積まない平城であったそうですが、物集女城跡のある場所は、洛西口駅から向かうとかなりの上り坂。京都タワーが見下ろすせるほどの立地なので、少し小高い位置から領地を望める城だったのでしょうか。
物集女城公園は、美しく整備され、かわいらしい遊具もあり、公園としても魅力的な場所でした。
ベンチや屋根付きの休憩所もあったので、史跡巡りの途中に立ち寄るのにもよさそうです。
案内板の解説は漢字にルビが振られ、子どもたちにも読めますね。
お手洗いもお城風なデザインで統一感あり。
さらに、公園の入り口前には、向日市市政50周年のカラーマンホールまで設置されており、いろいろな楽しみ方のできる場所でした。
物集女城公園
京都府向日市物集女町中条23-5
プロフィール
大好チヨ子
在住エリア:京都市西京区
メインテーマ:博物館などのアートイベント/パン屋さん
子育てを終えて、ようやく京都歩きを楽しめるようになりました。知識がない私でも「楽しい!美味しい!美しい!面白い!」と感じたり「知っていたらお得」な情報をゆる~く伝えてゆきたいです。趣味はドラム演奏と、博物館ボランティア。
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