ボランティア仲間から、素敵な作品があるよと勧められていた「染(そめ)・清流館」。
館のある付近を通っていたはずなのに、長いこと見つけられずにいました。
ある日、室町通を四条通から北上すると、目に留まった壁に大きく「SOMÉ」と書かれているではないですか!「もしや…ここが染・清流館?」
漢字の看板があるとばかり思い込み、見逃していたなんて…。
そんな訳で、ようやく初入館を果たし、その時開催中の企画展「春を染める」(~2023年2月26日まで)を鑑賞しました。
染色専門の美術館
「染・清流館」は、室町通に面した明倫ビル入ってすぐのエレベーターで6階に上がると受付があり、靴を脱いで鑑賞する美術館でした。さらに入室すると、展示室は驚くほど広々とした畳敷きの開放的な空間!
染色作家100人の約500点もの作品が収蔵され、年に何度か企画展の開催があるそうです。染色作品とお聞きして、反物や着物を連想しましたが、パネルや屏風などの作品もあるのですね。
かなりの大作が並び、殆どがガラスを付けない状態で展示されているため、作品の材質や染料の厚みまで手に取るように観ることができるのでした。
椅子に座ってお気に入りの作品を心行くまで眺めていらっしゃる来館者さんの姿もあるかと思えば、「どうやって染めてるかわからないわ~」と、染色経験者さんたちのグループが、手順を皆で推測されているのも見かけました。
様々な表現の染色作品
一口に染め物といっても、「蝋染め」「捺染(なっせん)」「手染め」「型染め」など、いろいろな技法があるのですね。色止めの方法や使用されている染料も種類があるようなので、作品につけられたキャプションやいただいた目録を読み、作風の違いを見比べながら鑑賞してみました。
染色の知識を持ちませんが、間近で見ながら、どうやって色止めしたりぼかしたりするのかなと考えずにはいられない、複雑な色合いの作品が並んでいました。
好きな桜のモチーフは、作家さんによって全く異なる表現で、比較ができて面白かったです。
モノトーンだけど、とても華やかな着物の作品は、身にまとってみたいなぁと、ある種憧れの気持ちをもって鑑賞したり。
かわいらしい作品のデザインは、自分が何かデザインするときの参考にもなりそうだなと、心にしっかり留めておきましたよ。
一見絵画の様でもありますが、染色作品ならではの表現や表情は、絵画では出せない味わいの魅力があるのだなと、たくさんの作品を観て思ったのでした。
企画展示で鑑賞した重要無形文化財「型絵染」の人間国宝保持者、故稲垣稔次郎さんについて帰宅後調べると、とても素敵な作風の作家さんでした。「染・清流館」で未知の分野の芸術に触れられたことは、大変勉強になりました。
3月17日からはコレクション展「異文化へのまなざし」が始まっています。趣の異なる他の作家さんの作品を観られるのが楽しみです。
※館内は許可を得て撮影しています。
染・清流館
京都市中京区室町通錦小路上ル山伏山町550-1明倫ビル6階
TEL:075(255)5301
https://someseiryu.net
営業時間等はHPから確認を
プロフィール
大好チヨ子
在住エリア:京都市西京区
メインテーマ:博物館などのアートイベント/パン屋さん
子育てを終えて、ようやく京都歩きを楽しめるようになりました。知識がない私でも「楽しい!美味しい!美しい!面白い!」と感じたり「知っていたらお得」な情報をゆる~く伝えてゆきたいです。趣味はドラム演奏と、博物館ボランティア。
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