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錦市場で伊藤若冲の作品鑑賞―タペストリーとシャッターアート

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大好チヨ子プロフィール
2023年3月27日 

京都市内散策の折、あらゆる商店街にも立ち寄ります。四条界隈に出るときは錦市場にも。

錦市場はアートスポット

美術好きの私にとって錦市場は、日本画家伊藤若冲の生家である青物問屋「枡源(ますげん)」があった場所としてインプットされています。錦市場の入口、高倉通側には、伊藤若冲絵画をプリントした大きなタペストリーも掲げられていますね。

高倉通側の入口

そして、その入口通路脇には、伊藤若冲についての解説板も設置されています。
「絵画の道に進むことに決めた若冲さんは弟に家督を譲った」というのは有名な話ですが、その後、錦市場の存続にも一役買っていたと解説板で知りました。

解説板には、錦市場と若冲さんとのかかわりも記されています

華やかなタペストリー

錦市場を通過するときにはいつもアーケードを見上げ、色鮮やかな若冲絵画のタペストリーを眺めます。
若冲さんの生家は大店で裕福なため、良い画材を使っていたことで、若冲さんの絵画は現在も美しい色を留めていると聞いたことがあります。そんな色鮮やかな若冲さんの絵画のタペストリーが、錦市場のアーケードをさらに華やかに演出していて、さながら若冲美術館。

タペストリーにプリントされた絵は、どれも少し愛嬌のあるフォルムの生き物たちで、生命力も感じますね。

カラフルな若冲絵画は、現代でも「映(ば)える」作品だと思います。

早朝や夜間などに観られるシャッターアート

1615年から店を構えるようになった錦市場。2016年、若冲の生誕300年を記念し、若冲作品の原画を用いた特殊フィルムをシャッターに貼り付けたシャッターアートが誕生しました。

雪芦鴛鴦図

当時の夜間ライトアップイベントで、若冲絵画のシャッターアートを堪能したのを懐かしく思い出しつつ、久しぶりに観て回ることにしました。
シャッターアートなので、休みのお店が多い水曜日や、開店前の朝9時過ぎに行ってみると、比較的多く観ることができました。

虎図

夜間の鑑賞も趣がありましたが、早朝は明るくて解説などが読みやすいですね。

雪中雄鶏図 細見美術館蔵

若冲さんは青物問屋のせがれなので野菜の作品も多く、私のお気に入りは「菜蟲譜(さいちゅふ)」。のほほんとしたフォルムの野菜を見ていると、ほのぼのとした気分になれます。愛くるしい野菜って、自分ではなかなか描けませんよ。

菜蟲譜には愛嬌のある野菜や虫が描かれています

「果蔬涅槃図」(かそねはんず)も面白い作品です。涅槃図も、若冲さんの手にかかればお野菜の涅槃図になっちゃうなんて、その愉快な発想に脱帽です。

お釈迦様の代わりに、大根が横たわる涅槃図

錦市場のアーケードを通過しつつ、たくさんの若冲アートを観ることができました。お買い物だけでなくアートスポットとしても楽しめる錦市場、京都に住んでいるからこそ、時間や曜日を気にせず楽しめるのは良いなと思うのでした。

プロフィール

大好チヨ子

在住エリア:京都市西京区
メインテーマ:博物館などのアートイベント/パン屋さん
子育てを終えて、ようやく京都歩きを楽しめるようになりました。知識がない私でも「楽しい!美味しい!美しい!面白い!」と感じたり「知っていたらお得」な情報をゆる~く伝えてゆきたいです。趣味はドラム演奏と、博物館ボランティア。