地下鉄蹴上駅から北へ10分ほどのところに「琵琶湖疏水記念館」があります。
琵琶湖疏水記念館は、琵琶湖疏水竣工100年を記念して平成元年に開館し、その後、2019年にリニューアルされ現在に至っています。
琵琶湖疏水記念館のある付近は、風光明媚な景色が広がり、ウォーキングコースに最適。何度か立ち寄っていて、今回も岡崎界隈散策の折に行ってきました。
琵琶湖疏水の歴史が分かる「琵琶湖疏水記念館」
館内入ってすぐのガイダンスシアターで、琵琶湖疏水建設の歴史をたどりました。莫大な予算と人手が掛ったことや、当時我が国最長のトンネルを掘るのため工法を模索したエピソードなどが紹介され、現在もその恩恵にあずかっていることに感謝せずにはいられません。
更に1階展示室では、疏水事業に関わった人々の紹介や年表が展示され、突き当りのプロジェクションマッピングでは様々なデータが紹介されています。「琵琶湖疏水の1日の水量200万㎥は25mプール4,000個分に匹敵する」のように身近な例えで説明されていて、大人にも子どもにもイメージしやすいなと思いました。
2階に行くとレゴで作られた疏水が!
プロのレゴ作家さん作なので、水路閣の段差や旧御所水道のポンプ室の外観など、凄く精工に再現されていて驚きました。
もう一つ、2階の窓からの風景写真があるので、橋や電柱の数の違いなど比較しながら、同じアングルで疏水を眺めてみました。眼下に広がる現在の景色、水のある風景は美しいですね。
京都の発展を支えた、琵琶湖疏水開通
苦労の末に完成した琵琶湖第一疏水は、水力発電、灌漑(かんがい)・防火用水、舟運など多くの役割を果たし、京都市三大事業(第2疏水の開削及び発電事業・上水道整備・道路拡築及び市電敷設)への足掛かりとなったのだそうです。
地下1階展示室では、琵琶湖疏水開通から京都がどのように発展し、疏水が現代にどう役立っているのかなど、資料や当時使用された機材の展示で学べました。そして、岡崎周辺のジオラマやインクラインのミニチュアなどは実際に動かせるので、操作しながら展示を見て行きました。
模型を動かしてみることで、インクラインが、土地の高低差を利用していた様子が分かって「こういうことなんだな」と納得できるのでした。
館外へと続く展示
「琵琶湖疏水記念館」の面白いところは、展示が館内にとどまっていないことです。1階・2階・地下1階と展示を見た後、地下1階からさらに館外の関連施設も見て回りました。
まずは地下1階を出て正面、水の高低差だけで吹きあがっている噴水、そして右手の奥にある蹴上インクラインを操作していたドラム工場です。目の前に広がっている風景すべてが、まさに琵琶湖疏水の施設そのもの。
出入り口から左手方向に進んで行けば、そのままインクラインへと道が続き、その先には、蹴上発電所や水路閣、旧御所水道ポンプ室などの、琵琶湖疏水関連施設へとつながってゆきます。琵琶湖疏水への知識は記念館の中だけにとどまらず、周辺施設ひっくるめてすべてが展示会場のよう。琵琶湖疏水記念館は、知識の入り口ともいえるのではないかと思えるのでした。
もう一つお楽しみ。記念館の入口向かって左手にある、京都市上下水道局のキャラクター「ホタルの澄都(すみと)くんとひかりちゃん」デザインマンホール。こちらは蹴上浄水場など京都市内4か所にしか設置されていない珍しいマンホールなのです。琵琶湖疏水記念館窓口で、マンホールカードがもらえます。もちろん私も頂きましたよ。
※展示室内は、許可を得て撮影しています。
琵琶湖疏水記念館
京都市左京区南禅寺草川町17
TEL:075(752)2530
https://biwakososui-museum.city.kyoto.lg.jp/
営業時間等はHPから確認を
プロフィール
大好チヨ子
在住エリア:京都市西京区
メインテーマ:博物館などのアートイベント/パン屋さん
子育てを終えて、ようやく京都歩きを楽しめるようになりました。知識がない私でも「楽しい!美味しい!美しい!面白い!」と感じたり「知っていたらお得」な情報をゆる~く伝えてゆきたいです。趣味はドラム演奏と、博物館ボランティア。
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