かつて息子たちや友人と散策した場所が、実はとても貴重な場所であったと知りました。それは、西京区の国道9号線沿い、市バス停留所「国道三ノ宮」北側にある「天皇の杜(もり)古墳」。
こちらの古墳は、周囲が広場のように整備され、一般公開されています。散歩で立ち寄ったこの日も、広場で遊ぶ子どもたちを見かけました。
昔、幼い息子たちと広場でどんぐりを拾ったり、こんもりと繁った樹々の間にある階段を上って、小高いところを歩いたりしていましたが、れっきとした古墳。しかも、京都市内にある前方後円墳としては、最大級の古墳のひとつなのだとか。なんと、恐れ多い…
少し離れて前景を眺めると、こんもりとした形が確認でき、まるで小島のようですね。
全長83m、墳丘の形は前方部が広がらない「柄鏡式(えかがみしき)」です。円形に三角形をくっつけた、鍵穴のような形の前方後円墳よりも三角の裾が広がらず、柄のついた鏡の形になっているようです。
古墳の近くにあった説明書きによると、この形状は古墳時代前期(4世紀代)に属すものらしいので、この様なきれいな形を留めているのに驚かされました。
前方部から古墳に上る階段があり登ってみると、前方部と後円部の境目は、低くなっていました。一般的には、こんもりと丸く盛り上がった後円部に死者を葬るのだそうです。
広場の一角なのに、古墳の上はまるで山登りしている様な風景。
古墳への登り口は、後円部にもうひとつあり、緩やかな段が約30段。上り下りしても苦にならないので、ちょっと散策するのに良いですね。
私が古墳探索をしているうちに、ついさっきまで古墳の周囲で遊んでいた子どもたちがつぎつぎ帰って行きました。後には、沢山の名残のどんぐり…
この場所だけ昔から時間が止まってしまっていたのかと思えるほど、のどかな雰囲気でした。
埋葬施設や副葬品は未調査なので、まだまだ何か眠っている物があるのかもしれないとか。そんな4世紀の遺物の周りで子どもたちが遊びまわり、私たちは憩い、目と鼻の先には、現代の自動車が行き来する…。古墳時代と現代が交錯する京都って、なんだかすごい!と思いませんか?
史跡 天皇の杜古墳
京都市西京区御陵塚ノ越町
https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000005646.html
詳細はHPから確認を
プロフィール
大好チヨ子
在住エリア:京都市西京区
メインテーマ:博物館などのアートイベント/パン屋さん
子育てを終えて、ようやく京都歩きを楽しめるようになりました。知識がない私でも「楽しい!美味しい!美しい!面白い!」と感じたり「知っていたらお得」な情報をゆる~く伝えてゆきたいです。趣味はドラム演奏と、博物館ボランティア。
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