路地奥にある京版画のお店「竹笹堂」

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yukoプロフィール
2022年3月15日 

日に日に暖かくなり、外出が楽しい季節になってきました。ずっと前に訪れた素敵な版画のお店「竹笹堂」さんに久しぶりに行ってみようと思い調べてみたら、お店を移転されていました。地図で見ると入り組んだ路地にあるようです。街歩きも兼ねて訪ねてみました。

綾小路通と烏丸通の交差点から西へ歩くこと数分。電柱にかかる表示があります。「膏薬辻子(こうやくのずし)」の入り口です。

西洞院通に差し掛かる手前です。うっかりすると見過ごしてしまいます。

ここは平安時代の僧、空也上人にゆかりのある地で「こうや(空也)」が訛って「膏薬」になったと入り口にある看板に書いてあります。「竹笹堂」さんの看板もあります。

「お店まで女性で81歩」。試しに数えながら路地を歩くことにします。このあたりは祇園祭の山鉾町でお祭りのときは多くの人で賑わいますが、日ごろは人通りが少ないようです。ビルに囲まれた細い道を進むとどんどん街の音が消え、不思議な空間に迷い込んだようです。

かぎ型に折れ曲がる路地を曲がり、ちょうど81歩目で「竹笹堂」さんの入り口に到着!

中の様子があまり見えない町独特の造りで、ちょっとドキドキしながら格子戸を開けて入ると、店内は明るく、軽快な音楽が流れていました。

土間にある棚にきれいな色の商品が並んでいます。京都の伝統工芸品である京版画の技術を使って若手からベテランの職人さん達が制作した版画を、ブックカバーやポストカードに仕立てたものです。

木版画といえば、小学生のころの図画工作の授業で作ったモノクロの版画を思い出しますが、ここにはパステルカラーのきれいな色のものが多く、版画のイメージが変わります。靴を脱いであがる畳のスペースにはポチ袋やレターセットなどの紙製品だけでなく、がま口や布巾、てぬぐいなどの布製品がありました。

また、現代風なお部屋にもよく合いそうな、額装されたアート作品や浮世絵の復刻版もありました。

築100年ほどの町家をそのまま使っているという店舗。腰をかがめて入る格子戸が今では珍しくなりました。

私は京町家を描いた小さな木版画とかわいらしい猫のカード、市松地にカエデの葉がちりばめられたポチ袋を買いました。京町家の木版画は額に入れて飾るつもりです。薄いピンクと青が洋風な我が家にも合いそうです。

職人さんが一枚ずつ手摺りした木版画の和紙雑貨にはあたたかみが感じられ、京都を訪れる友人や海外の方にも是非紹介したいと思いました。

竹笹堂さんではオンラインでも商品が購入できますし、様々なワークショップも開催されているそうです。

竹笹堂

京都市下京区綾小路通西洞院東入新釜座町737
TEL:075(353)8585
https://takezasado.com
営業時間等はHPから確認を

プロフィール

yuko

在住エリア:京都市左京区
メインテーマ:京都の文化(社寺、庭園、伝統工芸、建築)
子育てがひと段落ついた頃から、大好きな英語を生かせる通訳ガイドの仕事を始めました。
近くに住んでいるのに知らなかったことや、何度も訪れているのに気づかなかったことなど、新しい発見にあふれる街。迷子になって楽しい街、京都が大好きです。