平城京から平安京遷都に至る間の、僅か10年間都であった長岡京。その歴史の痕跡をたどるうちに、一人の研究者の名前を何度も聞くようになりました。それが中山修一先生。
そんな中山修一先生の記念館があるとお聞きし、行ってみることにしました。
中山修一先生のご自宅がそのまま記念館に
「中山修一記念館」入口の門には中山修一と表札が掲げられていましたが、それもそのはず、この記念館はもともと先生のご自宅で、先生亡き後、ご遺族が寄付されてできたものだったのでした。そんな訳で、気持ちは、まるで先生のご自宅へ訪問した客人のよう。
常駐のガイドさんによる解説がきけました
館内にはガイドさんが常駐されていて、中山修一先生が遺跡発掘に至ったきっかけなど、生い立ちの年表をたどりながら、約30分程度の解説をしてくださいました。
先生の書斎だった室内には、先生が使われていた書物や持ち物の他、出土品や、先生が研究されていた長岡京の条坊復元図(レプリカ)など、発掘によって詳らかにされてきた長岡京の姿を紹介する資料が並んでいました。
お話の中で何よりも驚いたのは、今日長岡京のあった場所として整備されている朝堂院跡の発掘などを、ご自身が中心となり進められただけでなく、その調査に関わる費用の多くは中山修一先生が私財を投じていらしたという事でした。
また、教員をされながら、好きな歴史の研究もされていたので「先生」と呼ばれていたのだとか。
館内には、実際に発掘現場に出向いて、メンバーらと共に発掘調査をされたときの微笑まれているお写真があり、学生さんや調査メンバーの方々に慕われていらっしゃったのだろうなと、先生のお人柄が伝わってきました。発掘メンバーの中には、ノーベル化学賞を受賞された吉野彰氏の若かりし頃のお顔も!考古学好きの吉野氏とも接点があったのですね。
室内や庭にも魅力的な要素が
記念館は、先生のご自宅の一部(先生の書斎)2部屋からなっていましたが、その室内の欄間や襖、床柱などの建具も見どころと言えました。
躍動感のあるウサギが彫刻された欄間も立派でしたが、襖の細工が珍しく、和風建築なのにアクセントになっていて、私はそこが気に入り丁寧に拝見したのでした。
ガイドさんはとても気さくな方で、わかる範囲で質問にも答えてくださるそう。春・秋は史跡ウォーキングをされる方が多く立ち寄られるので、夏・冬のほうが実はゆったりとお話や質問ができそうです。
解説を聞きたい場合は、閉館までに30~40分程度の余裕をみて入館するのが良いですね。
中山修一記念館
京都府長岡京市久貝三丁目3-3
TEL:075(957)7176
https://www.city.nagaokakyo.lg.jp/0000001312.html
開館時間等はHPから確認を
プロフィール
大好チヨ子
在住エリア:京都市西京区
メインテーマ:博物館などのアートイベント/パン屋さん
子育てを終えて、ようやく京都歩きを楽しめるようになりました。知識がない私でも「楽しい!美味しい!美しい!面白い!」と感じたり「知っていたらお得」な情報をゆる~く伝えてゆきたいです。趣味はドラム演奏と、博物館ボランティア。
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