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奈良時代の姿を今に伝えるお菓子、「亀屋清永」の清浄歓喜団

WEBフレンド

大好チヨ子プロフィール
2021年12月23日 

みなさんは清浄歓喜団(せいじょうかんきだん)をご存知ですか?
奈良時代に中国から伝わった唐菓子の一種で「団喜」(略して「お団」)と呼ばれるもの。数多ある京菓子の中で、千年の昔の姿そのままを、今も留めているという由緒正しいお菓子!それがこちらです。

清浄歓喜団

創業から400年余りの歴史を持つ「亀屋清永」さんは、このお菓子を製造する日本で唯一の和菓子処なのだそうです。

「清浄歓喜団」はもともと、天台宗・真言宗などのお供えものとして使われ、一般の者は口にすることができなかった高貴なお菓子と聞き「せっかく京都に住んでいるのだから、ありがたいお菓子を頂いて一年の締めくくりをしたい!」と思い、買いに行きました。

亀谷清永さんは八坂神社の西むかいにあります

入り口の暖簾(のれん)の柄で、お店はすぐに発見できました。そして、店内のショーケースの中でも「清浄歓喜団」は存在感を放っていました。
丁度お土産に買って行かれる方を見かけましたが、お供え物やお祝い事にも使われるそうです。長い歴史を持った珍しいお菓子、頂けたら嬉しいですよね。

1個から購入可能 

そして、自宅でさっそく頂いてみることに…がその前に、まず1000年変わらず受け継がれてきたそのお菓子のフォルムを、四方八方から眺めて楽しみました。

おひねりの形になった生地はかりんとうのような色で、八つのバラが咲いたみたい。八葉の蓮華を表す八つの結びで閉じてあるそうです。上から見ると、几帳面にそろった結びが愛らしいですね。

さて、お店で食べ方を教わってきたので、早速頂いてみました。
巾着のような形の底部分に親指をあてがい、上に押し上げつつ割るのだそうです。少し硬いので、夫のごつい手で力を込めて割ってもらいました。
割ると、中にはこし餡が入っていて、ごま油がにじんできました。

オーブントースターで少し温めると良いと聞き、温めました

一かけ口に入れるとびっくり!まず、お香の様な香りが最初にやって来たのです。続いて、丁子(クローブ)の風味が強く感じられたのですが、次第に馴染んできて、こし餡の上品な甘味と覆っているかりんとうのような生地のごま油が効いて、混ざり合うと、ちょっと癖になるお味でした。

独特の風味の正体は「清め」の意味を持つ7種類のお香。白檀、桂皮、竜脳などを練り込んだこし餡を、米粉と小麦粉で作った生地で金袋型に包み、上質なごま油で揚げてあるそう。伝来してから1000年以上もの間、その製法や形が変わっていないそうです。代々の職人さんの手を経て、1000年…気の遠くなるほどの年月ですね。

一つの儀式のように、家族で大切に頂きました。来年、良い一年でありますように…と、願いを込めて。

今回は、他にも黒糖とクルミが美味しい「月影」、ドライ苺を加えたきんつば「吟角」、アンズ・イチジクのドライフルーツを入れた一口サイズの羊羹「翔(SHOU)」など購入してみましたが、素材の組み合わせが面白く、こちらは新しい味覚の和菓子を楽しめました。

左:吟角 中央:月影 右:翔(SHOU)

初めての「清浄歓喜団」は、印象的な味でした。このお菓子のことを詳しく知る機会にもなり、味わってみると、お供え物や他府県の方などへの手土産に使うのも良いなと思ったのでした。  

亀屋清永

京都市東山区祇園石段下南
TEL:075(561)2181
https://www.kameyakiyonaga.co.jp/
営業時間等はHPから確認を

プロフィール

大好チヨ子

在住エリア:京都市西京区
メインテーマ:博物館などのアートイベント/パン屋さん
子育てを終えて、ようやく京都歩きを楽しめるようになりました。知識がない私でも「楽しい!美味しい!美しい!面白い!」と感じたり「知っていたらお得」な情報をゆる~く伝えてゆきたいです。趣味はドラム演奏と、博物館ボランティア。