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秋を告げる小さな花 藤袴(フジバカマ)~革堂 行願寺と寺町通り~

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yukoプロフィール
2021年10月11日 

 

歳時記の秋を表わす季語にもなっている藤袴。

秋の七草のひとつ、「藤袴(フジバカマ)」ときいてみなさんはすぐにその花が思い浮かびますか?秋の七草は、万葉集に詠まれた歌にちなんでいるそうですが、今回はそのひとつ、「藤袴」が咲く街、寺町通りを散策しました。

寺町通り竹屋町の信号の下に門があります。

スタートは寺町通竹屋町上ルにある、革堂行願寺です。寺町通りに面した門から本堂にかかる赤い大きな提灯が見えます。まずはご本尊の千手観世音菩薩さまをお参りしました。境内にはご近所の方や巡礼をされている方がひっきりなしに訪れ、昔からこのお寺が町堂として町の人々の篤い信仰を受けていたことが感じられました。

秋の青空にそびえる本堂。現在の本堂は1815年に建てられたそうです。

行願寺では、毎年、10月に行われる「藤袴祭」に合わせて境内にたくさんの藤袴の鉢が並べられますが、今年はコロナ禍により、祭りの規模が縮小され、一部の鉢のみが展示されています。例年に比べると鉢の数は少ないのですが、保存会の方が丹精込めて育てた小さな花はとてもかわいらしかったです。

2021年は10月8日(金)〜11日(月)まで行われ、今年は後祭として10月16日(土)・17日(日)に行願寺を花いっぱいにされるそうです。

境内の藤袴。薄紫いろの可憐な花です。

藤袴は以前はたくさん自生していたそうですが、現在はその数が減り、京都市の準絶滅危惧種になっています。藤袴のほのかな香りに誘われたのか、境内にはちょうちょの姿がちらほら。

また、行願寺には都七福神のひとつ、「寿老神」も祀られています。

長寿を授けるという神様、寿老神にお参りして家族の長寿をお祈りしてきました。写真に写っていますが、夏は蓮の花が咲くそうですから、来年は蓮の頃に訪れたいと思います。

老寿人神堂の横にある七福神の石像です。神様の表情がやさしくて癒されます。

革堂を出て、寺町通りを南下してみます。通り沿いには、仏具屋さん、古書店、筆屋さん、骨董店やお茶屋さんなどが並びます。お店の中を覗きながらのんびり歩くのが楽しい通りです。

豊臣秀吉が京都の街並みを整えたときにお寺を集めたことから名付けられた通りだそうです。

何度も通っている道ですが、今回は面白いものを見つけました!「囲碁 本因坊発祥の地」の駒札です。囲碁のタイトルマッチ「本因坊」戦の由来にもなった、囲碁の名人、「本因坊算砂」がかつてこのあたりに居を構えていたそうです。駒札の横には石造りの碁盤のオブジェもありました。京都はいろいろなものの発祥地なんですね。

囲碁ファンの聖地⁈ 横の椅子に腰かけて実際に囲碁が打てそうです。

寺町通りはこの時期、各店舗の店先に藤袴の鉢が飾られ、初秋らしいしっとりとした街の風景でした。

革堂行願寺

京都市中京区寺町通竹屋町上ル行願寺門前町
TEL:075(211)2770
https://kaudau.jp
※拝観時間等はHPから確認を

藤袴祭

TEL:075(241)2084(源氏藤袴会事務局)
https://kyotofujibakama.com/
※開催内容はHPから確認を

プロフィール

yuko

在住エリア:京都市左京区
メインテーマ:京都の文化(社寺、庭園、伝統工芸、建築)
子育てがひと段落ついた頃から、大好きな英語を生かせる通訳ガイドの仕事を始めました。
近くに住んでいるのに知らなかったことや、何度も訪れているのに気づかなかったことなど、新しい発見にあふれる街。迷子になって楽しい街、京都が大好きです。