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読者と考えた、配慮や援助が必要な人のためのマークが決定

2020年11月27日 

リビング編集部

本紙で2月からスタートした「わかりあおうプロジェクト」。配慮や援助が必要な人のためのマークを、読者の皆さんと一緒に考えてきました。今回、三つのマークのデザインが決定! 選定者や原案者の思いとともに紹介します。


「こんなマークがあったら」という読者の声の中から三つのテーマを選び、6月27日号でそれぞれのマークのデザインを募集、89点のデザインが寄せられました。たくさんのご応募ありがとうございました。

選考については、京都精華大学特任准教授でグラフィックデザイナーの峠田充謙さん、各関係団体と編集部で行いました。最終3点を選んで、原案からアレンジ。

決定したマークは、当ホームページ「LIVING kyoto web」上で公開しています。ページ下記からダウンロードを。誰でも無料でダウンロードOK。印刷して貼り付けたりキーホルダーにしたり、必要なときに自由に使ってもらえます。※個人利用に限ります。収益目的での利用は不可。詳細はWEBにて

マークは記号であることが大切です。表現したいことが伝わる分かりやすいデザインを選びました。

マークは記号であることが大切です。表現したいことが伝わる分かりやすいデザインを選びました。

デザイン峠 グラフィックデザイナー
京都精華大学特任准教授
峠田充謙さん
http://www.designtoge.com/


認知症の人のためのマーク

外出の目的を忘れたり自宅へ戻れなくなるなど、困っている認知症の人に周囲が気付けるマークを募集。色や脳のイラストで、認知症を連想しやすいマークを採用しました。

原案者・西野初音さん

認知症サポーターのオレンジ色を使用し、人の形にして脳を描きました。体には名前や連絡先などを(任意で)書けるように。祖父も認知症ですが、マークがあることで周囲も対応しやすくなってくれたら良いなと思います。

峠田さん

原案者の意図が明確で、オレンジ色を使用したのも分かりやすい。認知症について一般的にイメージしやすい「?」を使わず、脳のイラストで表現しているのも個性があります。

〝認知症になっても安心して暮らせる社会〟を目指す「認知症の人と家族の会」

認知症の人は、何も分からずにボーッとしているのではなくて、分からなくなったことで困っています。汗があることでそんな焦りや困り事が表現されていますね。
認知症の人と家族の会HP:http://www.alzheimer.or.jp/



マスク越しでは会話が難しい人のためのマーク

マスク着用時に口の動きが見えないことで、言葉の読み(聞き)取りが難しい人が使えるように。マスクやペンといったイラストでシンプルに描き表したマークを採用。英語表記も作成しました。聴覚障がいのある人に役立ててもらえれば。

原案者・安西枝里さん

多くの情報を、誰が見ても分かるようにコンパクトにまとめました。パッと見て印象に残るように線は太く。自身も聴覚障がいがありマスク生活で困る場面が増えたので、「聞こえないこと」と「してほしいこと」を伝えられるマークを考えました。

峠田さん

「耳」「マスク」「ペン」と必要な要素が全て入っています。筆談を希望する文字もあるのでシンプルに内容が伝わります。

〝耳マーク〟の普及など社会の理解促進のために活動する「全日本難聴者・中途失聴者団体連合会」

耳マーク

「耳」の部分で耳マークとのコラボもできそうです。当事者の方の思いが反映されているのも良いですね。
全日本難聴者・中途失聴者団体連合会HP:https://www.zennancho.or.jp/



食物アレルギーの人のためのマーク

特定の食物アレルギーがあることを示すマーク。特に幼い子どもに持たせて周囲に気づいてもらうように。カトラリーをお皿の上に横並びに置いて「食事終了」の意を模すことで、「食べられません」という意味を持たせています。下のスペースにエビ、卵などの対象の食物を選んで付けるか、自分で書くことができます。

原案者・村瀬登樹子さん

食物を連想できるスプーンとフォーク。信号の「止まる」のような赤色が目立って良いかと思いました。自分や親戚が食物アレルギーを持っているので、「言いにくいなぁ」というときも、マークで気付いてもらえるようになるとうれしいです。

峠田さん

カトラリーで食物に関係していることを、赤色で注意喚起の意味を表すことができますね。

食物アレルギーの子どもと保護者の生活の質の向上に取り組む「FaSoLabo(ふぁそらぼ)京都」

当事者や家族として、「×」マークのような否定的な印や悲しい表現は避けてほしいという意見が多くありました。シンプルで持ちやすく、話のきっかけにもなるマークが広まってほしいです。
FaSoLabo京都HP:http://www.allergy-k.org/


(2020年11月28日号より)