夏休みは家族で釣りに挑戦

2024年8月2日 

リビング編集部

ピクッと反応したさおを上げると、針の先に魚が! 何が釣れたかワクワクしながら手に取る─。釣りの楽しい瞬間ですね。夏休みを前に、実際に読者家族に体感してもらいましたよ。京都府内の釣りや漁体験などができるスポットを紹介。新たな魚の魅力に触れてみませんか。

撮影/深村英司

読者がニジマス釣りを体験 新鮮な魚のおいしさを堪能

JR「綾部」駅から車で約20分。看板を頼りに山の奥へと細道を進むと「乙味(おとみ)渓流荘」が現れます。こちらは乙味川の水を引いて造られた自然豊かな釣り場。読者の進士(しんし)琢磨さん、茜さん、栞十郎(かんじゅうろう)くんが訪れました。5歳の栞十郎くんは自然や生き物に興味があり、家族で釣りに出かけることもあるそう。

まずは、同店スタッフの朝倉さんに釣りざお2本とエサを用意してもらい、説明を聞きます。だんご状に作られたエサをちぎって針の先端が見えないように取り付けること、一度釣った魚は放流してはいけないルールなどを教わったら、いざ釣り場へ。

自然の緑に囲まれた釣り場では、さまざまな野鳥の鳴き声も聞こえてきます。池の中央には噴水を設置。波を起こすことで発生する酸素が魚を活性化させるとか

「噴水の近くが良いかもしれません」と朝倉さんからのアドバイスを聞きながら、栞十郎くんと琢磨さんが場所を定め、同時に仕掛けを投げ入れます。するとすぐに栞十郎くんのさおに反応が。さおを上げると、魚が1匹エサに食い付いていました。落とさないようにさおをそっと動かして池の外へ。

身に赤く入った線が虹のように見える魚、ニジマスです。栞十郎くんは「釣れた!」とうれしそう。「ピクッとなっても、少し待つのがポイントですよ」とは、朝倉さん。

琢磨さんも栞十郎くんも次々と釣り上げます。しかし、中にはエサだけ食べて逃げられてしまったり、引き上げる途中で池に落ちてしまったりすることも。それでも「大物を釣りたい!」と元気いっぱいの栞十郎くん。エサも自分で付けます。「池の奥の方が釣れるかも」と家族3人で場所を変えながら挑戦。約1時間で18匹ものニジマスが釣れました。

反応があったさおをそっと持ち上げて、「釣れたよ!」と笑顔。「魚を針から外すのが難しい場合は手伝います」と朝倉さん(写真奥)
栞十郎くんは魚をつかむと「ヌルヌルしていて持ちづらいね」

魚を塩焼きや唐揚げに

こちらでは、釣った魚を塩焼きや唐揚げなどに調理してくれます。「さっきまで生きていた魚だよ」と話しながら、唐揚げにした魚を頭から丸かじりすると、「意外とやわらかい!」と栞十郎くんは初めての食感に驚いたよう。「淡白ながらも濃厚な味がしました」とは琢磨さん。

「こんなに魚を釣ったのは家族全員初めて。とても良い経験ができました」と話してくれた茜さん。栞十郎くんは、「ニジマスまた食べたいなぁ」と帰りの車でも話していたそうです。

18匹のニジマスで作られた料理がずらり。自分たちで釣った魚と思うと喜びもひとしお。「いただきます!」
ニジマスを唐揚げや塩焼き、フライ、刺し身などに加工してもらえます

「水温が高くなると魚の食欲がなくなり、エサの食いつきが悪くなることも。特に夏は水温の低い午前中がおすすめです。また、魚にとって糸が見えづらくなる、曇り空の日の方が釣りやすいですよ」(朝倉さん)

取材協力:「乙味渓流荘」

1979(昭和54)年に開業した釣り場。四季折々の自然を楽しみながら、三つの池で釣りができます。〝雪が解けた春から寒くなる冬前まで〟の期間に営業。

  • 綾部市釜輪町奥山口30
  • TEL:0773(45)1950 ※予約制
  • 時期/3月〜11月頃
  • 時間/午前10時〜午後5時(土日祝は午前9時〜)、水曜休み
  • 料金/貸しざお1本300円、エサ100円、釣った魚は買い取り(1匹270円※変動あり)。塩焼き150円、天ぷら330円など別途加工代要 ※日によって加工できる種類が変わります

その場で食べたり持ち帰ったり。魚を堪能して

京都府内の〝釣りスポット〟

京都府内の〝釣りスポット〟を紹介。「釣りをあまりしたことがない」という人から「家族でよく行く」という人までチェックして。いずれも釣った魚は持ち帰りOK。その場で食べて楽しめる場所もありますよ。

※釣りの際は、天候や水の流れに注意を。子連れの場合は、子どもから目を離さないようにしましょう

川釣り

左京区/いこいの里久多キャンプ場

川の水は澄んでいて、魚が見えるほど

久多川の遊漁券を買って 釣ったアマゴをバーベキューに

京都市中心部から車で北へ約1時間。滋賀県・福井県との境にほど近い山間部にある「いこいの里久多キャンプ場」では、そばを流れる久多川の遊漁券の購入が可能。釣りが楽しめます。夏は初心者でも比較的アマゴが釣れるとか。久多川で釣った魚をバーベキューで味わう人が多いそう。

  • 京都市左京区久多川合町
  • 電話/TEL:075(748)2054
  • 時期/4〜11月
  • 料金/日帰りで1人500円、1棟1泊4000円〜。別途久多川の遊漁券の購入が必要
  • 備考/さおのレンタルはなし。道具や食材は持参を。コンロのレンタル、炭の販売あり

海釣り

舞鶴市/舞鶴親海公園

湾内のため波は穏やか。自衛隊の船やクルーズの往来が見られます

足場が良い公園でアジやグレを釣りましょう

日本海側に位置する「舞鶴親海公園」内の「海釣広場」は、子連れに人気の場所。全長120mほどの長さの護岸が、休日は利用者で混み合うとか。安全柵付きで、足場が良いのも特徴。海風を感じながら、アジやグレなどさまざまな魚が釣れます。水遊びができる場所もあり。釣れた魚は持ち帰ることができます。

  • 舞鶴市字千歳897-1
  • 電話/TEL:0773(66)1020
  • 時間/午前7時〜午後7時(時期により変動あり)、水休み(祝日の場合は翌日) 
  • 備考/道具のレンタルはないので、持参を

船釣り

伊根町/舟屋の宿 鍵屋

全長80cmのシーバスなどが釣れることも。希望者は釣りの後に周囲の遊覧も可能

貸し切りの船で伊根湾へ 海上からの眺めも楽しみ

伊根湾で船釣り体験はいかが。伊根町の民宿「舟屋の宿 鍵屋」が運営しています。貸し切りの船に乗り、約10分で魚の多いポイントへ。8月はキジハタやアマダイなどが釣れるとか。海上から眺める〝伊根の舟屋〟も見ごたえあり。同乗するスタッフがサポートしてくれます。魚は持ち帰りOK。

  • 与謝郡伊根町亀島864
  • 電話/TEL:0772(32)0356 
  • 料金/1回3時間、4人まで2万6400円。1人追加につき、6600円追加
  • 備考/道具のレンタルあり(一部有料)。手ぶらでOK

地引き網

宮津市/海鮮宿 黒崎荘

松林のそばの岩のない砂浜で網を引きます

天橋立公園の緑を感じながら10人以上で網を引いて

網を引いて漁師気分に。宮津市にある民宿「海鮮宿 黒崎荘」では、緑豊かな天橋立公園内の砂場で地引き網体験ができます。
スタッフが約100m先の沖に仕掛けた網を、10人以上で海岸から引っ張ります。藻にすみ着いたアジやスズキなどがとれるそうですよ。魚はとれなくてもお土産にもらえます。

  • 宮津市字江尻883-6
  • 電話/TEL:0772(27)0190
  • 時期/5〜10月
  • 料金/1回6万6000円 ※利用は10人以上で。詳細は問い合わせを

磯釣り

京丹後市/城嶋(しろしま)公園

城嶋公園へは、間人小間漁港から橋を歩いて渡ります(写真提供:京丹後市観光公社)

間人の西端に浮かぶ小さな島で磯釣りを

「城嶋公園」は、京丹後市丹後町間人(たいざ)の西端に浮かぶ小さな島。島内を整備された遊歩道で一周することができます。いくつか点在する波止(はと)での釣りに加え、広がる地磯で磯釣りもおすすめ
※磯釣りは上級者向き。釣れた魚は持ち帰りを。

  • 京丹後市丹後町

船井郡京丹波町道の駅 和(なごみ)

道の駅でアユのつかみ取りができます

つかみ取りは子どもでも楽しめる浅さの小川で

京丹波町の北に位置する「道の駅 和」では、「鮎ガーデン」を夏季に開催。こちらではアユのつかみ取りができます。北大路魯山人(ろさんじん)が好んだとされる和知川のアユを再現して始めたのだとか。清流で1、2週間泳がせ、身を引き締めたものを、由良川から引いた施設内の小川に放流しています。塩焼きにしてその場で食べたり、持ち帰ったりが可能。※アユは琵琶湖で養殖しています

  • 船井郡京丹波町坂原上モジリ11。駐車場あり
  • 電話/TEL:0771(84)1008
  • 営業時間/午前11時〜午後9時、火休み(8月は無休) 
  • 時期/9月30日(月)まで
  • 料金/アユ1匹550円(3匹以上で1匹430円)
  • ※捕まえた分を買い取り。体験料は不要

(2024年8月3日号より)