個性豊かな表情に出合えます ひな人形展

2024年2月16日 

リビング編集部

桃の節句を迎えるころ、情緒ある町家や博物館などで、ひな人形が展示されています。人形の多彩な装いや異なる表情を楽しみに、出かけてみませんか。

※写真は全て過去の様子

明治初期から昭和期の段飾りなどが約16組

長岡京市で行われている「ふれあいひなまつり」は、今年で17回目。
江戸末期に建てられた町家に、地元の住民から寄贈された明治初期から昭和期までの段飾りなど、約16組がずらり。つるしびなや住民たちの手作りびなも飾られています。
期間中は、フルートのミニコンサートや、すごろくゲーム大会など、随時イベントを実施。喫茶スペースもあり、ひな人形を見ながら食事や甘味をいただけます。

奥にある喫茶スペースは長居してしまいそう

「ふれあいひなまつり」

  • 〈期間〉2024年3月10日(日)まで。午前9時~午後6時
  • 〈料金〉無料 ※喫茶は有料
  • 〈会場〉長岡京市立神足ふれあい町家(長岡京市神足2丁目13-10、JR「長岡京」駅から徒歩約5分)
  • 〈問い合わせ〉TEL:075(951)5175=同家

様式や表情の違いを見比べて

「京都国立博物館」の「雛まつりと人形―古今雛の東西―」で見られるのは、江戸で生まれた“古今雛”。瞳に玉眼(ガラス玉)を入れた写実的な人形の表情や、華麗な衣装が特徴とか。近年新たに発見されたという、江戸の人形師・二代原舟月による作品も公開されます。
京都を中心とする上方で製作された“京風古今雛”も展示。上方では玉眼ではなく、筆で描く描き眼が主流でした。東西の様式や表情の違いに注目してみては。

「古今雛飾り 二代原舟月作」/写真提供:京都国立博物館

「雛まつりと人形―古今雛の東西―」

  • 〈期間〉2024年3月24日(日)まで。午前9時30分~午後5時、金は午後7時まで(入館は各閉館30分前まで)、月休
  • 〈料金〉一般700円、大学生350円、高校生以下および満18歳未満・満70歳以上無料
  • 〈会場〉京都国立博物館(東山区茶屋町527、市バス「博物館三十三間堂前」停からすぐ)
  • 〈問い合わせ〉TEL:075(525)2473=同館テレホンサービス

歴史ある西陣の町がにぎやかに

“千両ヶ辻”と呼ばれ、西陣織の町として栄えた今出川大宮かいわい。「千両ヶ辻 ひな祭り 桃の節句の彩り」は、立ち並ぶ町家や商家が展示会場に。一帯がにぎわいます。
大宮通沿いにある「町家写真館」では、江戸中期から昭和期まで、各時代のひな人形や道具類を鑑賞できます。写真家の水野克比古さん、水野秀比古さんが京都各地を撮影した写真も展示されますよ。
2024年3月3日(日)は、「京都観光サポーター」のミモロちゃんが、“みもろ雛”の姿で各所に登場。

「町家写真館」のひな飾り/©水野秀比古

「千両ヶ辻 ひな祭り 桃の節句の彩り」

  • 〈期間〉2024年3月2日(土)・3日(日)午前10時~午後4時30分 ※3日のみ開催の場所もあります
  • 〈料金〉無料
  • 〈会場〉上京区大宮通周辺(今出川通~中立売通)の店舗や町家
  • 〈問い合わせ〉TEL:080(5761)6023=実行委員会・仲さん

人形も衣装も職員の手作り

「宇治市植物公園」の入り口からすぐの通路周辺で行われている、「トロピカルフルーツ雛とひな人形の展示」には、ユニークなひな飾りが。
同園の温室で栽培されている南国の果物を模した人形が並んでいます。最上段に飾られるのは、ドリアンの男びなとマンゴスチンの女びな。顔は紙粘土、着物は和紙や折り紙が使われ、すべて職員たちの手で作られているとのこと。
絵付けされたオリジナルのヒョウタンびなや、ひな人形の7段飾りとともに鑑賞を。

写真は2021年の展示。今年は「仕丁」と呼ばれる家来の3体が加わり4段飾りに

「トロピカルフルーツ雛とひな人形の展示」

  • 〈期間〉2024年3月10日(日)まで。午前9時~午後5時(入園は4時まで)、月休
  • 〈料金〉高校生以上600円、小・中学生300円(幼児無料)
  • 〈会場〉宇治市植物公園(宇治市広野町八軒屋谷25-1、京都京阪バス「植物公園」停からすぐ)
  • 〈問い合わせ〉TEL:0774(39)9387=同園

(2024年2月17日号より)