天井画や彫刻で見上げる社寺の〝龍〟

2023年12月27日 

シティリビング編集部

新年の始まりに。2024年の干支(えと)・辰(たつ)年に合わせて、
龍(りゅう)の描かれた天井画や彫刻を見に社寺を訪れてみては。

撮影/桂伸也(東福寺、瀧尾神社)

17日間で描き上げられた天井一面の蒼龍図を堪能

「東福寺」本堂(仏殿)の鏡天井に描かれているのは、体長約54m、胴回りは6.2mほどありそうな龍。暗雲の中を荒々しい表情で泳いでいます。日本画家の堂本印象による「蒼龍(そうりゅう)図」。わずか17日間で仕上げられたそう。本堂は非公開ですが、屋外から見ることができます。今にも飛び出してきそうな迫力を感じられますよ。

「東福寺」の本堂。2024年3/14(木)〜16(土)は特別公開を予定。蒼龍図を真下から見られます

東福寺

  • 京都市東山区本町15-778
  •  TEL.075-561-0087
  •  9:00~16:00(受付は〜15:30) ※12月第1月曜〜3月末
  • 拝観料(秋季期間以外)/大人500円(本坊庭園)、大人600円(通天橋・開山堂)
  • 地下鉄「京都」駅下車、市バス「京都駅前」停から208号で「東福寺」停下車徒歩約4分

どこにいても睨まれているよう 躍動感のある「八方睨みの龍」

1997年に日本画家の加山又造が描いた「雲龍図」が、「天龍寺」法堂の天井に。どこにいても見上げると睨(にら)まれているように感じることから〝八方睨みの龍〟と呼ばれています。躍動感のある龍は、杉坂159枚を張り合わせ、白土を塗った上に直接墨色で描かれたもの。土日祝と春夏秋の特別参拝期間のみ公開されています。

国の史跡・特別名勝に選ばれた庭園は、四季折々の景色が魅力

天龍寺

  • 京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
  • TEL.075-881-1235
  •  8:30~17:00(庭園)、8:30〜16:45(諸堂)、9:00〜16:30(法堂「雲龍図」)
  • 参拝料/一般500円(庭園) ※諸堂は別途300円、法堂「雲龍図」は別途500円
  • 地下鉄「太秦天神川」駅下車、市バス「太秦天神川駅前」停から11号で「嵐山天龍寺前」停下車すぐ

辰年に合わせて特別公開 手をたたいて〝鳴き龍〟体験も

「泉涌寺」舎利殿の天井には、1647年に狩野山雪が描いた「雲龍図」が。堂内で手をたたくと、龍が鳴くような不思議な音がするため、〝鳴き龍〟という別名があります。普段は非公開ですが、辰年に合わせて特別公開。2024年は1/6(土)〜3/18(月)の期間に公開され、鳴き龍も体験できますよ。※1/8(祝・月)は拝観休止

「泉涌寺」の舎利殿。ほかに仏殿の鏡天井には「蟠龍(ばんりゅう)図」も

泉涌(せんにゅう)寺

  • 京都市東山区泉涌寺山内町27
  • TEL.075-561-1551
  • 9:00~16:00(閉門は16:30) ※12〜2月
  • 拝観料/大人500円
  • 地下鉄「京都」駅下車、市バス「京都駅前」停から208号で「泉涌寺道」停下車徒歩約13分

全長8mの龍の彫刻は細部まで見ごたえあり

注目は、「瀧尾神社」の拝殿天井にある、全長8mの龍の彫刻。細部までこだわった立体的な造形は、まるで龍が浮き出てくるよう。あまりにもリアルなことから「夜な夜な龍が川へ水を飲みに行っている」とうわさが広がり、天井に金網を設置して龍を閉じ込めていた時期もあるとか! 祇園祭に登場する「大船鉾」の龍頭のモデルにもなっています。

鳥居をくぐった先にある拝殿。彫刻は外から眺められます

瀧尾(たきお)神社

  •  京都市東山区本町11-718
  • TEL.075-531-2551
  • 境内自由参拝
  •  拝観料/無料
  • 地下鉄「京都」駅下車、市バス「京都駅前」停から208号で「東福寺」停下車徒歩約4分

(記事元:「シティリビング京都」年末年始号)