脱〝梅雨だる〟レシピ

2023年6月9日 

リビング編集部

脱〝梅雨だる〟レシピ

湿度が高く、ジメジメと蒸し暑い梅雨時、体のだるさや不調に悩まされるという人も。そんな状態を解消してくれるレシピを紹介します。

撮影/桂伸也 ほか

体内の水分を循環させて梅雨時の不調を解消

倦怠(けんたい)感や頭痛、関節痛、食欲不振、むくみなど、この時期に現れがちな体の不調を〝梅雨だる〟といいます。

「梅雨は春から夏に向かう中、体がまだ汗をかき慣れていない時期。体内の水分がうまく循環せず、停滞することで不調になるとされています」と、栄養士の米村好美さん。「半身浴や軽い運動をしたり、常温の水を少量ずつ飲んだりして、発汗、利尿を促すことが大切です」

〝梅雨だる〟に効く食材について教えてもらいました。

「豆類やウリ類、貝類は利尿作用があり体の余分な熱を取るとされています。一方、体を温めて発汗を促すにはショウガやネギ、シソ、パクチーなどの香味野菜を。トウモロコシなどの穀類やヤマイモなどの芋類、タマネギ、カボチャなど胃腸の働きを助ける食材も食欲不振にぴったり。キノコ類は免疫機能を高めるともいわれています」

これらを使った「脱〝梅雨だる〟」レシピを、料理教室の先生たちに教えてもらいました。

教えてくれたのは

京都府栄養士会 会員
「薬膳カフェぼちぼち」(上京区)の店主
米村好美さん


冬瓜(トウガン)のチーズフライ

※写真は1人分

脱〝梅雨だる〟食材

トウガン体の余分な熱を取る 利尿作用 むくみ解消
シソ香り成分で食欲増進
ネギ発汗作用

旬のトウガンは食感が楽しめるフライに

「夏が旬のみずみずしいトウガンはウリ類で、体にこもった熱を取る食材です」と、「身体にやさしいお料理教室 kitchen studio ココロヨシ」の鎌田朋代さん。

「食べ方が分からないという声も多く、家族みんなが喜びそうなフライのレシピを考えました。相性の良いチーズと青ジソを挟んだトウガンは、とろっとやわらかな食感。シャキッとしたネギやスプラウトにも合います」

梅肉ソースや青ジソの風味でさっぱりと食べやすく。トウガンは厚めの7mmくらいに切るのがポイントで、見た目にもインパクトがあり、食べ応え感じる一品に。

【材料】〈2〜3人分〉

  • トウガン … 1/8個
  • 青ジソ … 5〜6枚
  • スライスチーズ … 適量
  • 卵 … 1個
  • 薄力粉 … 大さじ4
  • 水 … 50cc
  • 白ネギ … 約6cm
  • 酒 … 大さじ1〜2
  • 梅肉 … 大さじ1
  • 片栗粉、パン粉(細目)、植物油、好みのスプラウト、塩、こしょう、(エキストラバージン)オリーブオイル … 各適量

【作り方】

  1. トウガンを約7mmの厚さに切って厚めに皮をむき、2枚一組にする
  2. ❶の表面に塩、こしょうをして、茶こしで片栗粉をふりかける
  3. 青ジソ、スライスチーズを❷でサンドする(片栗粉のついた面を内側に)
  4. 卵と薄力粉、水を混ぜたバッター液に、❸をくぐらせてパン粉を付ける
  5. 180度の植物油でこんがりと色がつくまで揚げる
  6. 白ネギを白髪ネギにして水にさらし、スプラウトと混ぜておく
  7. 煮てアルコールを飛ばした後に冷ました酒で梅肉を伸ばす
  8. ❺に❻をトッピングして、塩、こしょう、オリーブオイルをふりかける。❼を最後に添える

緑豆リョクトウのカレー

※写真は1人分

脱〝梅雨だる〟食材

緑豆、小豆体の余分な熱を取る 利尿作用
ショウガ、タマネギ香り成分で食欲増進
パクチー胃の働きを助ける

緑豆がたっぷり 夏野菜もトッピング

鎌田さんが二つ目のレシピに使ったのは、緑豆。

「緑豆や小豆は体の余分な熱を取る効能があります。豆料理が苦手な方も食べやすいようにカレーに。緑豆は小粒なので豆特有の粒感も少ないです。パクチーにも胃の働きを良くして消化を助ける働きが。味に変化をつけるのも食欲増進につながります」

トッピングには旬の夏野菜を。「植物性の食材だけで作っているので、胃腸が疲れているときにもおすすめ。物足りないという方は焼いた鶏肉などを足してもOK」

【材料】〈4〜5人分〉

  • 緑豆(小豆でも代用可) … 100g
  • ショウガ、ニンニク … 各1片
  • 植物油 … 大さじ2
  • タマネギ … 中1個
  • カレー粉 … 大さじ1
  • トマト … 中1個
  • 水 … 350cc
  • ココナツミルク … 200cc(またはココナツクリーム…100cc)
  • 塩、しょうゆ … 各小さじ1
  • スパイス(クミンパウダー、コリアンダーパウダー、ガラムマサラ) … 各小さじ1/4(なくても可)
  • 焼き野菜、パクチー … 各適量

【作り方】

  1. 緑豆は洗って3〜4時間水(分量外)につけておく。その後、水を捨てて鍋に緑豆とたっぷりの水(分量外)を入れて火にかける
  2. ❶が沸騰したらザルにあげて洗う。再び鍋に戻してたっぷりの水(分量外)と火にかけて沸騰したら約20分弱火でゆでて、ザルにあげておく
  3. 厚手の鍋にショウガとニンニクのみじん切りと植物油を入れて弱火にかける。香りが立ったらみじん切りにしたタマネギを入れて弱めの中火でキツネ色になるまで20〜30分炒める
  4. ❸にカレー粉を加えて炒め、湯むきして角切りにしたトマトを加える
  5. ❹に❷と水を加え、弱火で20分煮る
  6. ココナツミルク、塩、しょうゆ、スパイスを加えて軽く煮て塩(分量外)で味を調える
  7. 焼き野菜やパクチーをトッピング

レシピを教えてくれたのは

「身体にやさしいお料理教室 kitchen studio ココロヨシ」(伏見区)主宰 料理研究家、管理栄養士
鎌田朋代さん


鶏肉とエリンギのソテー 葱ネギレモンソース

※写真は1人分

脱〝梅雨だる〟食材

エリンギ免疫機能を高める 体の余分な熱を取る
ネギ発汗作用

エリンギをまるごとレモンでさっぱりと

ソテーした鶏肉の上にたっぷりとかかる「葱レモンソース」と、一本丸ごと焼いたエリンギ。「mame-cafe cooking salon」の佐藤香里さんが考えてくれた一品です。

「鶏肉やエリンギはそのまま焼くことで手軽にボリューム感を出せます。弾力ある鶏肉と、コリコリとしたエリンギの食感の違いも味わってください。さっぱりとした『葱レモンソース』を添えることで、食べやすさにもこだわりました」

【材料】〈2人分〉

  • 鶏モモ肉 … 小2枚
  • ごま油 … 大さじ1
  • エリンギ … 2本
  • 塩、こしょう … 少々

【A】葱レモンソース

  • 青ネギ … 100g
  • レモン汁 … 大さじ2
  • 塩、砂糖 … 小さじ1/4
  • ごま油 … 大さじ2

【作り方】

【A】葱レモンソース
小口切りにした青ネギ、レモン汁、塩、砂糖、ごま油をボウルに入れてよく混ぜ、ラップをし30分おく

  1. 鶏モモ肉は余分な脂を除き、包丁で肉を開いて厚さを均一にする。塩、こしょうで下味をつける
  2. フライパンにごま油を入れて中火にし、❶の皮目を下にして焼く。皮目に焼き色がついたら裏返して弱火で中まで火を通す
  3. ❷のフライパンの空いているところでエリンギも転がしながら一緒に焼き、軽く塩をふっておく
  4. ❸を皿に盛り、【A】をかける

アサリとキュウリとトマトのスープ

※写真は2人分

脱〝梅雨だる〟食材

アサリ体の余分な熱を取り、火照りを鎮める
キュウリ、トマト体にこもった熱を取る
ショウガ発汗作用

冷やしてもOK 火照りを鎮めるアサリがポイント

体の余分な熱を取るアサリがメインのスープ。

「同じく体にこもった熱を冷ますという、キュウリとトマトを加えてみました。キュウリは皮をむくことで清涼感が出ます」と佐藤さん。

冷え過ぎないようにショウガもプラス。

「調理時間も短いので、蒸し暑い時期にも手早く作れます」

冷やしてもおいしくいただけるのがうれしいですね。

【材料】〈2人分〉

  • アサリ … 200g
  • キュウリ … 1/2本
  • トマト … 中1/2個
  • ショウガ … 1片
  • ごま油 … 大さじ1/2
  • 水 … 300cc
  • しょうゆ … 小さじ1
  • 塩 … 小さじ4
  • こしょう … 少々

【作り方】

  1. アサリは砂抜きし、殻をこすり合わせてよく洗っておく
  2. キュウリはピーラーで皮をむき2センチ幅の輪切りにする。トマトは2センチ角にカット。ショウガは千切りにする
  3. 鍋にごま油を熱し、ショウガを炒め、香りが立ったらキュウリとトマトを加えてさっと炒める
  4. ❸に❶を加え、フタをして弱火にする
  5. 2、3分後、アサリの口が開いたら水を入れる。ひと煮立ちしたらしょうゆを加えて塩こしょうで味を調える

レシピを教えてくれたのは

「mame-cafe cooking salon」(左京区)主宰
佐藤香里さん

(2023年6月10日号より)