食費・フードロス削減へ 冷蔵庫使いをレベルアップ

2023年5月26日 

リビング編集部

食品の値上げが続いていますね。食費やフードロスを減らすためにも、食材は無駄なく使い切りたいもの。そこで、普段の冷蔵庫使いを見直しませんか。プロに整理・収納術を教えてもらいました。

※2023年3月にリビング読者にアンケート。有効回答数914。本文( )内は読者のイニシャル・年齢 撮影/三國賢一ほか

読者の家の冷蔵庫をプロがスッキリ整理

読者に聞くと、冷蔵庫使いについていろいろと悩んでいるよう。アンケートでは、「中身がパンパンで取り出すのも戻すのも大変」(YN・33歳)、「奥に入れた食品を忘れて腐らせてしまう」(KM・61歳)、「最上段が見えにくく、賞味期限切れが出てくることがある」(HR・50歳)といった声が寄せられました。

そこで、整理収納アドバイザーの山本さやかさんに、冷蔵庫の中を整理するコツを教えてもらうことに。実際に、読者・МHさんの家の冷蔵庫を整理してくれました。

読者MHさんの冷蔵庫事情

家族の人数
5人
冷蔵庫の容量
370L
買い物の頻度
週2回
悩み
家族5人分の食料があふれ、常にごちゃごちゃしています。スペースが足りないので、飲み物や冷凍食品は押し込んでいる状態。買ってあると気づかずに二重買いすることも…。

冷蔵室

かごを活用してグループごとに収納

まずは中身を全て出し、かごを使って食品を分類します。

「庫内のサイズをきちんと測り、ぴったり合うかごを選ぶことが大切です。中身を要・不要に分別してから必要な物だけを残し、使用頻度、賞味期限、使うタイミングなどでグループに分けましょう」(山本さん)

一目で分かるようラベルをペタッ

「それぞれのかごに何が入っているのか一目で分かるよう、ラベルを作って貼りましょう。マスキングテープに書いてもOKです」。MHさんの家では常備している「ヨーグルト」や「コーヒー」などのラベルを作成。

手が届きにくい最上段も出し入れ簡単

庫内で使うかごは出し入れしやすい取っ手付きに。最上段や奥など、手が届きにくいスペースもしっかりと使えます。「冷気が通りやすいメッシュタイプのかごがおすすめです」

〝ちょっと置き〟に余白スペースを

庫内には余白スペースを。短時間だけの〝ちょっと置き〟に便利です。「残り物や作り置きの場所にしたり、鍋のまま冷蔵庫に入れたりと、使い道はいろいろあります」

同じタイミングで使う物は一緒に入れれば時短にも

バターやチーズは「パン食セット」のかごにまとめて収納。「一度に出し入れできるので時短になります」。同じタイミングで使う物や、よく使う調味料、優先して食べる物などで分類しては。

ドアポケット

飲み物や調味料のボトルは高さ順に並べて

家族の好みがバラバラで、飲み物の種類が多いというMHさん。使いかけの調味料もずらりと並びます。

山本さんによると「ボトル類は高さをそろえるか、高さ順に並べるとスッキリ。子どもが飲む物は手の届くところに置くと、一人で出し入れできます」とのこと。

開閉しても倒れない仕切りでイライラ解消

マヨネーズやケチャップ、ソースなどの容器は、ドアの開閉で倒れがち。「100円ショップなどで売っている仕切りを取り入れれば安定します。イライラを解消してくれますよ」

チューブや小袋は仕切り容器にイン

不安定なチューブや使わずにたまっていく小袋の調味料。「ドアポケットに引っ掛けて使う仕切り容器を利用して。場所を決めることで目に付きやすく、使い忘れを防止できます」

野菜室

使い切れるよう上から見渡せる配置に

「野菜室は深さがあるので、上に重ねてしまうと下にある物が見えません。野菜が重ならないよう、こちらもかごを使って仕切りました。何がどこにあるかパッと見て分かるので、腐らせることも二重買いも軽減します」と山本さん。

手前には背の低い野菜や使用頻度の低いボトル類を入れて。

深いスペースを利用した高さのあるかごに〝立てる収納〟

「野菜は立てて収納しましょう。葉物など上に伸びる野菜は、立てるとより長持ちするといわれています」

使いかけの野菜は見えるところにまとめて

使いかけの野菜はお弁当やみそ汁用に保存するMHさん。でも、奥に入り込んで後から発見することもあったとか。「それなら、専用のトレーを作りましょう。定位置を決めると、見失わずに使い切れます」

冷凍室

重なりを防ぐため区切って詰め方を工夫

冷凍室は詰め込み過ぎにより、下の物が取り出しにくい状態でした。そこで、「弁当」「おやつ」など大まかなジャンルに分類し、かごで区切って袋を立てて収納。

「必要な物がすぐ取り出せ、冷気の漏れも抑えられます。冷凍室は中身が詰まっていると保冷効果が高まるので、詰め方を工夫して」(山本さん)

保存袋の中身の把握にラベルクリップが活躍

「保存袋は何が入っているか分からなくなることも。100円ショップなどで売っている保存袋用のラベルクリップをセットし、中身を記入しては」

〝いつ開けた?〟を回避するため開封日を記入

開封済みの冷凍食品は袋の口を小さくたたんでからダブルクリップで挟み、マスキングテープで開封日を記入。「袋止めのクリップを使うより省スペースです」

散らかりがちな保冷剤はケース収納がおすすめ

たくさんストックされていたのは、子どものお弁当や発熱時に使う保冷剤。「ケースを使用し、〝ここに入るだけ〟と量を決めておくと増え過ぎません。場所も固定されるので取り出しやすいですよ」

冷蔵庫の整理・収納3STEP

冷蔵庫の整理・収納は、「出す」「分ける」「しまう」という手順に沿って進めます。一度やってしまえば、毎日の生活で使った物を元の場所に戻すだけでOK。常にきれいな状態をキープできますよ。

( STEP1 )出す
冷蔵庫に入っている物を部屋ごとに全て出します。出した後は庫内の拭き掃除も行いましょう。
( STEP2 )分ける
必要な物だけを残し、使用頻度、賞味期限、使うタイミングなどでグループに分けます。
( STEP3 )しまう
分けた物をかごなどに入れ、場所を決めて戻します。定位置が決まることで子どもも一人で片付けられるように。

教えてくれたのは

整理収納アドバイザー
山本さやかさん
合同会社アイリーライフ 代表)

(2023年5月27日号より)