今年は、向日市で公的な教育活動が始まって150年目。向日市文化資料館では特別展が開催されるほか、市民ボランティアが企画する「校歌を唄おうコンサート」が行われます。
乙訓郡に小学校ができて150年目
1872(明治5)年に日本初の学校制度を定めた「学制」が発布され、乙訓郡(現向日市・長岡京市・大山崎町と伏見区・南区・西京区の一部)にも学校が誕生。それから150年目の今年、向日市では記念事業として「向日市教育150年記念学校展」が開催されています。
場所は向日市文化資料館。明治以降の各時代の卒業写真や教科書、古い校舎の図面など貴重な資料が見られます。その関連事業として、2022年12月に同館で「校歌を唄おうコンサート」が開催予定。こちらは向日市の市民ボランティア8人で企画・運営されています。
同メンバーたちは、2022年9月から数回集まって準備を進めてきました。出場者をウェブやチラシを使って募集、知人にもあたってみました。「ほかに伴奏ができる人を探さないと」「社会情勢に合わせてオンライン出場も可としよう」などが話し合われました。
「出場者が少なければ私たちも歌う準備を」と、歌の練習についても相談。
実は、15年前にも同館で校歌を歌うコンサートが開催されていて、8人中6人はその時もボランティアとして参加していたそう。メンバーのひとりは、「校歌を聞くと昔を思い出します。学校に通っていた当時の風景が思い浮かぶんです」と。二度目の開催を楽しみにしています。
「向日市教育150年記念学校展」で展示されている資料
地域性や時代性も感じて
向日市文化資料館館長で、ボランティアのメンバーを取りまとめている玉城玲子さんは、乙訓地域の校歌(旧校歌も含む)はいくつかの特徴があるといいます。
「ふるさとの山・川の名は多くの校歌に読み込まれています。山で最も多いのは『西山』で21校、次は『愛宕』。大原野付近は『小塩山』、南のエリアだと『天王山』が入っている校歌もありますね」
乙訓ならではの「竹」や、いにしえの都・長岡京をイメージした「歴史」といった言葉が多く使われているのも特徴だとか。
「古い校歌では音楽の専門家に作曲を依頼したり、校長や国語の先生が作詞したりといった例がありました。戦時中に作られたものの中には、国、奉仕などの言葉も。高度成長期以降は、生徒ら学校全体で歌詞を考えたり、広く一般に歌詞を募集するなど、作られ方も変化してきました」
コンサートでは、このように今は歌われていない懐かしい校歌も聞けるよう。60代のボランティアメンバーからは、「当時は歌詞の意味も分からず歌っていたけれど、今ようやく分かるようになってきました。歌い継がれるうちに少し変化している校歌もあっておもしろいですよ」との声が。
開催は2022年12月18日(日)の午後2時〜。生徒たちが出演予定の向陽高校のほか、旧乙訓郡エリアの学校の新旧校歌十数曲が披露される予定です。開催中の「向日市教育150年記念学校展」も同日が最終日。コンサート会場でも一部の展示が見られますよ。
「社会情勢により声を出して校歌を歌う機会が少なかった昨今。大人はもちろん子どもたちにも来聴してもらい、感想を聞きたいですね」(玉城さん)
出演者、来聴者のいずれも募集中。申し込み・問い合わせは電話で同館=TEL:075(931)1182=へ、または直接来館を。
会場は、向日市文化資料館(向日市寺戸町南垣内40-1)。
「地元で生まれ育った人が、校歌を聞いて懐かしんでもらえれば」と館長の玉城さん
(2022年11月12日号より)
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