伏見のとあるお店で行われているお茶会。普通の会話はもちろん、手話や筆談などで話に花が咲いています。
撮影/桂伸也ほか
伏見区役所の近くにある一軒のカフェ。扉を開けると、真っ白な看板猫が出迎えてくれました。
「この〝ぷくちゃん〟と、お店のフレンドリーな雰囲気がみんなを和ませてくれるんです」
そう話すのは小池育子さん。こちらの一角を借りて、誰もが気軽に集える居場所、「ぷくカフェ」を毎月1回開催しています。
障がい者やその支援に携わる人、高齢者など多彩な面々が集まる同会。訪れた日は、視聴覚に障がいのある人を中心に約10人が来店していました。談笑する風景の中では、相手に合わせて手話や口話(相手の口の形を読み取る)、スマートフォンの筆談用アプリを使う様子も。会の中心メンバーであり、聴覚障がいのある森井香也子さんが手話をレクチャーするシーンもありました。
笑顔で手話をまねていた女性は、今回が2度目の参加だそう。「手話に興味があったので参加してみました。いろいろな形でコミュニケーションができるし、世界が広がった気がします」と話してくれました。
会費は無料で、参加者は自身の飲食代のみ支払います。小池さんによると、内容は毎回決まっていないのだとか。「みんな来たいときに来て、好きなようにおしゃべりを楽しんでいます。互いの違いを踏まえながら、どうコミュニケーションを取るかを学び合う場なんですよ」
講演会のほか新たな活動目標も
伏見で生まれ育った小池さん。地域の役に立ちたいとボランティアコーディネーターの資格を取り、母校である小学校の支援員など25年来さまざまなボランティア活動に携わってきました。そんな中で、障がいの有無や年齢、状況の垣根を越えて集える居場所づくりの必要性を実感。4年前から同会の活動を始めたそう。
お茶会のほかに、知識を深める場として講師を招き講演会を行うことも。その運営はママ友でメンバーの米田恵子さん、久留宮共樹(くるみやともき)さんが中心です。取材当日も、伏見区身体障害者団体連合会と協力して、全盲の弁護士による講演会を伏見区役所にて開催していました。約50人が聴講に訪れ、後日オンライン配信も行われたそうです。
同連合会会長で、視覚に障がいのある中田壽子さんも「ぷくカフェ」に顔を出す一人。「普段困ったときに気軽に相談できる、助け合える関係づくりがここでは生まれています」といいます。
「社会状況により、集まりにくい時期もありましたが、今後は音楽会や映像鑑賞会なども行いたいですね」と小池さん。
同会は誰でも参加可能。「回によって言語聴覚士や家族の介護の息抜きに来る高齢の方など、いろんな人が訪れます。ここは誰もが主役のフラットな場。その雰囲気を楽しんでみてください」
会の活動や今後の開催予定は、フェイスブック=https://bit.ly/35oCtok=へ。問い合わせは小池さん=TEL:090(4277)8504=まで。
ぷくcafé(カフェ)
日時/毎月第4木曜日 午後6時30分〜
場所/「カフェ マンヘイ」(伏見区鷹匠町34)
※予約不要。開催日は変更になる場合あり。フェイスブックで確認を
(2022年4月16日号より)
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