みんなの〝やってみたい〟に寄り添う「Minami Living Lab」

2024年1月19日 

リビング編集部

みんなの〝やってみたい〟に寄り添う「Minami Living Lab」

みんなの〝やってみたい〟を実践できる場を作ろうと活動している団体、「Minami Living Lab(ミナミリビングラボ)」。その取り組みを取材しました。

撮影/山﨑晃治

京都市南区在住で、子育て中の安尾香奈さんと中嶋珠生(たまき)さんが昨年9月に立ち上げた「Minami Living Lab」。地元工務店のイベントスペースを借り、月5日ほど「オープンデイ」として開放しています。用意するのは、活動に共感する人々から寄付された木の廃材や絵の具など。これらを使い、誰でも好きに創作を楽しめる場所を作っています(参加費1回500円)。

作業をする中で、自然と会話が生まれていたリース作りのワークショップ

こちらでは、さまざまなワークショップも開催。昨年12月の「リース作り」(参加費1人3000円)を訪れてみると、子どもを連れたお母さんなど5組が参加していました。会場の作業台にはユーカリや杉、ドライハーブなどの素材がずらり。講師は代表の安尾さんです。

「材料はすべて普段は捨てられているもの。林業に従事する友人から安価で譲ってもらいました。リースとして再生することで、〝アップサイクル〟を日常に取り入れるきっかけになれば」

作業に取りかかると、参加者の間では子育てのこと、学校のことと会話がはずみます。リフレッシュするひとときを過ごし、できあがったリースを手にみんな笑顔で帰っていきました。

「多忙なお母さんたちは自分の時間が取れず、好きなことややりたいことを見失っている場合も。オープンデイもワークショップも、楽しく手を動かしながらほかの人と話すことで、それに気づける場になればと思います」と安尾さん。

実際、オープンデイの参加者から「看板作り」「石けん作り」のワークショップにチャレンジしたいという声が上がり、それぞれ開催につながったといいます。

アップサイクルも同団体が取り組むテーマの一つ。リースの材料にはメンバー提供の不用品も
「オープンデイ」で使用する木材やタイル。親についてきた子どもたちも工作に夢中に

子どもたちの考える力をはぐくむ活動も

もう一つの活動が、子どもたちの〝やってみたい〟をかなえる「ゼロから考える商店」です。商品の内容から製作、販売の仕方まですべてを子どもたちが考えるというもの。昨秋開催の「東寺道マルシェ」では、有料のくじで手作りのアクセサリーやグッズが当たるという店「くじ引きハンドメイド」を企画して、参加しました。

昨秋の「ゼロから考える商店」の出店の様子。子どもたちからは「またやりたい!」との声が
安尾さん(左)と中嶋さん。イベントによりほかにもメンバーが加わるそう

「子どもたちにはなるべくたくさんの体験をさせてあげたい」と中嶋さん。「ほかの人と交渉したりぶつかったりする中で、自分はどうしたいかを決める力を身につけてほしいです」。次の出店に向けた活動を2月から開始予定とか。同時に、大人が運営する“商店”も企画中。

「当団体の活動には性別や年齢問わず誰でも参加可能です。一歩踏み出したい人をサポートできれば」とふたり。

問い合わせはメール=minami.livinglab.kyoto@gmail.com=で。ワークショップの参加募集やオープンデイの日時など詳細はInstagram(インスタグラム)から。

<Instagram>
https://www.instagram.com/minami_livinglab_kyoto/

(2024年1月20日号より)