伏見区の公園を、再びいこいの場に

2022年2月10日 

リビング編集部

訪れる人が減った公園を、住民のいこいの場として復活させようと活動してきたグループがあります。公園のリニューアルを機に、その思いを聞いてきました。

撮影/桂伸也ほか

南部公園
リニューアルされた「南部公園」。閉鎖されていたプールを撤去し、広々とした空間に。朝から多くの子どもたちが集まっていました


伏見大手筋商店街から伏見区役所へ向かう道の途中、住宅地の真ん中にその公園はあります。「南部公園(旧南部児童公園)」。広々としたスペースには真新しい遊具が並び、見上げると、囲んでいるマンションの間に青空が広がっていました。

「少し前までは木が生い茂って暗く、あまり人が訪れないところだったんですよ」。話をしてくれたのは、「南部公園愛護協力会」代表の晴佐久(はれさく)浩司さん。毎月2回、メンバーとともにこちらの清掃を行っています。取材に訪れた日は4人が集まっていました。

1月の清掃日に集まったメンバー。右から2番目が代表の晴佐久さん。右端の菱田さんほか3人は全員公園の近所に住んでいるそう


昨年末に京都市によるリニューアル工事が完了。「きれいになってからゴミもぐっと減りました」とのこと。メンバーの一人、近所に住んでいる菱田さんも、「本当に明るくなりました。元日に来てみたら人でいっぱいで驚いたんです」と、すっかり様変わりした公園を眺めます。

メンバーでゴミ拾いを。この日初参加という男性は、「幼いころ遊んだ場所で子どもの声が増えてうれしい」とのこと

住民による住民のための公園づくりを

こちらの公園ができたのは昭和17年。現上皇の誕生を記念して、各地に作られた公園の一つなのだそう。

「昔はここに住民団体が運営するプールがあってね、夏には近隣の子どもたちの多くが通っていたんですよ。もちろん私も」と菱田さん。隣接して図書館もありましたが、35年前に移転。さらに20年ほど前にはプールも閉鎖されたことで、だんだんと訪れる人が少なくなったといいます。

「この辺りは大きな庭のある家も少ないし、公園もあまりありません。私たちにとってここは、いつも集まって遊んだ愛着のある場所なんです」

この公園を再び人が集い地域に愛される場にしようと、約10年前に結成された同会。晴佐久さんは3代目の代表です。

「私自身は兵庫育ちですが、近所の公園といえばいつも子どもでいっぱいでした。だから、仕事で伏見に引っ越してきて、こちらの公園があまり利用されていないのを知り残念に思っていたんです」

近隣の人に足を運んでもらうため、花壇づくりやヨガレッスン、落ち葉を使ったたい肥づくりのワークショップなどを開催。活動に加わる住民も増えてきました。リニューアルに際しては、市に要望を伝えたりアイデアを提案したりも。

リニューアル前に行っていた〝公園ヨガ〟では、近隣住民が多数参加(現在は休止中)


「人が集まって気軽に話せる場が減少している今、この公園が近所の井戸端会議のような場になれば」と晴佐久さん。

「行政に使用許可を申請する場合もありますが、良識の範囲内で近隣や利用者の迷惑にならなければ、公園で〝やっていけないこと〟はないんです。広く使いやすくなったことで、住民のみなさんからより自由な活用法が生まれてほしいと思います。そして公園を中心に、街がさらに活性化するといいですね」

コミュニティ花壇の整備など今後も活動は続きます。2022年2月23日(祝・水)にはさまざまな催しを行うキックオフイベントを開催予定(表参照)。同会への問い合わせは=k.haresaku@gmail.com(晴佐久さん)=へ。

南部公園愛護協会
https://nanbukouen.jimdosite.com/

〈1日体験プレーパーク@南部公園〉

  • 日時/2022年2月23日(祝・水)午前10時〜午後4時(和ろうそく点灯式は午後5時30分)
  • 場所/南部公園(伏見区瀬戸物町746-8)
  • 内容/シャボン玉遊び、自分史カフェ、竹ぽっくり作り、桃苗木の記念植樹、レモネードスタンド ほか多数。予約不要、随時参加OK
  • 問い合わせ/TEL.090(8570)6387(きょうのあそびば代表/さだもとさん)
    https://www.facebook.com/kyoto.playpark/

※社会状況により中止・延期になる場合があります

(2022年2月12日号より)