澄み渡った空に映える、京都の秋バラ

2021年10月22日 

リビング編集部

バラといえば春のイメージですが、秋にもたくさん開花。今、見ごろを迎えています。その魅力を「京都府立植物園」で聞きました。

※見ごろは天候によって変わります

「京都府立植物園」の「ばら園」

数は少ないけれど、大きく咲くのが特徴

美しい花が多くの人の心を捉えるバラ。さまざまな品種があり、色も赤や黄色、ピンクとバラエティー豊かです。

「今多く流通してるのが、『四季咲き』という年中開花させることができる品種です。ピークは春と秋。春は、たくさん花が咲いてとても華やか。ですが一つ一つが小さくて、日に日に気温が高くなっていくので傷みやすく、長持ちしません。

一方、秋は花の数は少ないのですが大きく咲き、日々気温が低くなっていくので傷みが少なく、長く楽しめるのが特徴です。この時期のバラは艶やかで透明感もあり、春とは違った美しさがありますよ」

下記に、数ある中でもこの時期に見ておきたい、おすすめのバラを教えてもらいました。チェックしてみて。

見る時期に合わせて、開花の調整も

「秋にバラを楽しむため、開花時期を調整。およそ50日前をめどに夏剪定(せんてい)を行っています。

例えば、開花のタイミングを10月20日ごろにするとしたら、8月下旬~9月上旬ごろに枝を切っていきます。夏の間はよく枝が伸びるので、咲いたときに目線の高さになるように、計算しながら切っているんです。

秋は気候も良く穏やか。じっくりとバラを眺めるのにぴったりの季節です。爽やかな空にも映えますよ」

「京都府立植物園」で出合える、秋に咲くバラ

伊豆の踊子

作出者であるフランスの「メイヤン」社から、パリ市との友好の証しとして、物語の舞台になった静岡県河津町に寄贈。香りの良さが特徴です。

マチルダ

春から秋まで休みなく開花。生育も旺盛で育てやすく、花付きも良いと人気の品種。白地にピンクの縁取りの入ったフリルの花弁が愛らしい。

プリンセス ドゥ モナコ

ピンクの縁取りの入った、ふっくらとした大輪の花を咲かせます。往年の大女優、モナコ公国の故・グレース王妃にささげられた、気品のあるたたずまいが魅力。

フリュイテ

フランス語で「フルーティー」の意。オレンジ一色に見えて、中心が薄いグラデーションに。四季咲き性が高く、季節による表情の変化も楽しめます。

この人に聞きました

京都府立植物園
技術課 課長
平塚健一さん

「当園は、京都にちなんだバラ『貴船』『大文字』『大原女』など、320品種、1400株を有します。「ばら園」からは比叡山を一望。遮るものがないので美しい景色が楽しめます。秋の見ごろは、例年11月上旬ごろまでです」

京都府立植物園

  • 京都市左京区下鴨半木町
  • TEL:075(701)0141
  • 午前9時~午後5時(入園は4時まで)
  • 入園料/200円

綾部バラ園

「あやべグンゼスクエア」の敷地内、約500人のボランティアスタッフにより、「アンネのバラ」など150種、1200株が植栽。2021年11月15日(月)まで「バラまつり」開催(期間中は無休)。

  • 綾部市青野町亀無1番地の2
  • TEL:0773(43)0811
  • 午前9時~午後5時
  • 火休
  • 入場無料

すとろべりぃあいすバラ園

約1100種類のバラの見学のほか、花束や苗などバラに関する商品の購入も可。カフェもあり、さまざまなイベントも多数開催されています。見ごろは11月上旬まで。

  • 舞鶴市福来120番地
  • TEL:0773(77)1267
  • 午前10時~午後6時(オフシーズンは5時)
  • 入場料/300円(オフシーズンは無料)

宇治市植物公園

園内にあるバラの小径(みち)で見られます。秋は、数が少なめですが色がきれいと好評。一緒にローズヒップも楽しめます。見ごろは11月上旬まで。

  • 宇治市広野町八軒屋谷25-1
  • TEL:0774(39)9387
  • 午前9時~午後5時(入園は4時まで)
  • 月休(祝日の場合は翌休)
  • 入場料/600円

ガレリアかめおかバラ園

国道9号線沿い、「道の駅ガレリアかめおか」に併設。約40種、900本のバラが植えられ、自由に鑑賞できます。見ごろは11月上旬まで。

  • 亀岡市余部町宝久保1-1
  • TEL:0771(29)2700
  • 入場無料

※各園訪問時は、マスクの着用を

(2021年10月23日号より)