中身を見せて!「#わたしの防災リュック」 Vol.1

2021年9月1日 

9月1日は「防災の日」。LIVING kyoto webでは、京都でボランティア活動を行う「京都ジェンヌの会」とのコラボで、9月30日(木)まで「#わたしの防災リュック」企画を始めます。

いろいろな女性が防災リュックの中身を紹介するというこのシリーズ。1回目は「京都ジェンヌの会」代表の中村菜穂さん。防災士でもある中村さんに、女性が意識しておきたい防災リュックの中身を聞きました。

まずはリュックの用意から

中村さん自身、実際に被災した経験がなく、以前は差し迫った危機感を持っていなかったそう。

「転機になったのは2014年、京都市が発行する女性目線の防災ハンドブック『KYOTO わたしの防災ノート』の制作に携わったことでした。

このノートを制作するにあたって被災者の女性に直接話を聞く機会がありました。

例えば生理用品が不足したことや、着替え・授乳スペースの確保が難しかったなど、被災時の女性ならではの困りごとや不安をたくさん知りました。現実的な話を聞くことで、意識も変わっていきました。

防災リュックというと通販などでセットになったものを購入するイメージを持たれている人も多いと思います。もちろんそれも間違いではないですが、自分で防災リュックを作ってみることで、避難生活で起こることや、それに合わせて必要な物が何かを考える、いい機会になります。

防災リュックの準備は〝いつも〟の暮らしの中で〝もしも〟の状況を考えたり実践できる、最初のステップです。家族や、自分自身に必要な物のリストアップにチャレンジしてみてくださいね」

通学リュックを防災リュックに(中村菜穂さんの場合)

中村さんの持ち出し用防災リュックがこちら。

「以下は防災リュックの中身を定期メンテナンスした時の写真です。季節に応じて今持ち出すとしたら何が必要かなぁと考え、グッズを減らしたり足したりしてリストを見直します。非常食の賞味期限のチェックも兼ねています」

《現在のリュックの中身》
飲料水、非常食(ドライフルーツ、ナッツ、大豆系シリアルバー、飴、黒豆などの保存食)、ミニ懐中電灯、乾電池、はさみ、筆記用具、タオル、着物の腰ひも(何かと便利)、スマホ充電器、スマホモバイルバッテリー、ティッシュ、使い捨てカイロ、ライター、ろうそく、パーカー、軍手、スリッパ、ゴミ袋、ビニール袋、携帯トイレ、使い捨て用のビニール手袋、常備サプリメント、常備薬、使い慣れた生理用品(1周期分)、ばんそうこう、歯ブラシ、歯磨きシート(水がなくても歯磨きできる)、万能バーム(スキンケアや保湿などなんでも対応できるもの)、マッサージオイル(手先足先の血流を促す)、シャンプーやせっけんなど最低限のアメニティ、使い捨てお箸やコップ、水に溶ける粉末のお茶、下着(ブラトップ、ショーツ、靴下)、包帯、万能ドライバー、防犯笛、雨具、折りたためる長靴、健康保険証のコピー、現金少し、「わたしの防災ノート」

《感染症対策で加えたもの》
使い捨ての不織布マスク、除菌シート、体温計、アルコールスプレー、アロマスプレー(気持が暗くならないように空間に噴霧)

「車中泊や避難所ではパーソナルスペースが狭いこともあり、同じ体勢でいることで血流が悪くなり、冷え性の人や年配の人は影響を受けやすくなります。私も冷え性で手足の末端がよく冷えるので、携帯用のマッサージオイルを入れています。使い慣れたものなら、香りでリラックスもできますよ。

生理用品は近年、支援物資として避難所で支給される優先順位も高くなっているのですが、すぐには手に入らないことも。自分が使わない時は、周囲で困っている人に女性同士でそっと助け合うこともできます。

水が使えなくなるかもしれないので、携帯用ビデやデリケートゾーン専用のふき取りシートを準備しておくのもオススメです」

中村さんの防災リュックには、準備する上で心掛けている二つのポイントがあるのだとか。

「一つ目は、できるだけすでに持っている物を活用すること。

私が防災リュックに使っているリュックは、中学生の時の通学リュックです。新たに買い足したものは3〜4個でほとんどがもともと家にあったものです。家に余分にある物やもう使わなくなった物を活用することはとてもエコですし、家族の人数に合わせて複数の防災リュックが必要なファミリー世帯にとってはコストも抑えられ経済的なハードルも下げられます」

左からモバイルバッテリー、長靴、携帯トイレ、笛

《買い足したもの》
・モバイルバッテリー
情報のライフラインともいえるスマートフォン。電気が使えなくなることも想定し、フルチャージしたものを常備。

・伸縮性の高い携帯長靴
ぬかるみでも脱げず、農作業にも重宝する折りたためる長靴。
「私は自主防災の役員をしていて、緊急時には避難所開設に駆けつけないといけませんので、特に水害があった際に役立ちそうです」(中村さん)

・携帯トイレ
断水が発生した時、自宅や一時的に避難所と成り得る施設の手洗い用に備えは必須だとか。

・防犯笛
緊急に助けが必要な時に役立つグッズ。
「防災・防犯面で笛は全ての年代の女性に携帯してほしいものです。この笛は名古屋のとある神社の笛御守りなのですが、とてもよく通る音がします」(中村さん)

「二つ目は、自分に必要なもの、家族に必要なものを知っておくこと。

みなさんは、避難所で女性が必要なものと聞いてどういったものを思い浮かべますか? 女性と一口に言っても、様々な世代やステイタス(状態)の人がいます。

例えば、妊娠中、乳幼児を抱えたお母さん、お年を召して一人で食事することやお手洗いに行くことが困難な高齢者、思春期の女の子…多様な立場の女性それぞれに必要なものがあります。自分にとって必要な物、繋がり、サポートは何か考えてみると、備えておくものが見えてきますよ」

家族や友達と一緒に話してみて

「防災リュックを作ったら、家族や友達と〝リュックにこれ入れてる?〟〝このグッズが使い心地良かった!〟と、気軽に話してみるのもいいですね。

『KYOTO わたしの防災ノート』には、実際に東北や神戸の震災を経験した人の声や多くの女性の意見から選ばれた持ち出しグッズも紹介されています。参考にしてみて。

防災は〝地域力〟だとも言われています。〝もしも〟の時も大丈夫!と互いに助け合える、繋がりのある社会になるよう、情報を共有をしていけたなら嬉しいです」

「KYOTO わたしの防災ノート」はここからダウンロードできます
https://www.wings-kyoto.jp/publish/info/

中村菜穂さん
「京都ジェンヌの会」代表。防災士の資格を持ち、ジェンダーの視点に立った防災意識を若い世代に向けて発信。

「京都ジェンヌの会」
日本の「文化」を大切に継承し、日本のサステナブルな〝足るを知る〟価値観を体現、次世代に伝えていこうという思いで様々な活動を行うボランティア団体。防災についての取り組みを行っています。
公式Facebook

「#わたしの防災リュック」で防災リュックの中身をシェアしよう!

みなさんはどんな物を防災リュックに入れていますか?
人のリュックの中身を見れば、自分に必要な備えのヒントになるかも。そこで、みなさんのいろいろな防災リュックの中身の教えてください。いま、中身の写真を募集しています。
InstagramまたはTwitterにハッシュタグ「#わたしの防災リュック」「#リビング京都」を付けて写真を投稿し、一緒に防災について考えませんか?

■募集期間
2021年9月1日(水)〜9月17日(金)午前10時

■参加方法
①自身の防災リュックとその中身を撮影
②下記投稿規約に同意の上、撮影した写真に「#わたしの防災リュック」「#リビング京都」のハッシュタグを付けてTwitterまたはInstagramに投稿

■参加資格
非公開ではないアカウントにて投稿いただける方。TwitterまたはInstagramのユーザー名、および写真・コメントを当サイトで紹介することに同意いただける方。

■投稿規約
「#わたしの防災リュック」に投稿する前に、以下の投稿規約を必ずお読みください。投稿者は本規約に同意したものとみなします。

参加について
第三者の著作権や、人物撮影による肖像権を有するものについては投稿者が事前に承諾を得るものとします。トラブルが発生した場合、弊社は一切責任を負いません。

投稿写真の使用について
投稿者は、投稿画像が「LIVING kyoto web」および弊社の公式SNSなどで使用または公開されることに同意したものとみなします。使用の際は事前に各SNSの弊社公式アカウントからダイレクトメールにて連させていただきます。

禁止事項について
以下の内容に当てはまる投稿はご参加いただけません。
・投稿テーマの内容と合っていないもの
・公序良俗に反しているもの
・第三者の権利を侵害する恐れのあるもの
・そのほか弊社事務局が不適切だと判断したもの

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