その距離・長さ、何m?

2020年6月12日 

リビング編集部

商店街、橋、神社の参道…、その距離や長さはどのくらい? 今回はそんな素朴な疑問を調査! さまざまな町中の距離・長さを、そのスポットにまつわるトピックスも交えて紹介します。専門機械を使った実際の測量の様子も気になるところです。

撮影/二階堂直敬、山﨑晃治ほか


「ここからあそこまでは何m?」。町で見かける身近なスポットでも、その正確な距離や長さを知る機会はないかもしれませんね。

例えば、宇治橋や京都三条会商店街の端から端までの距離、長岡京市・八条ヶ池の全長は? この後、その答えを紹介していきます。



【宇治橋】約155m

〝日本三名橋〟の一つ。秀吉にもゆかりが

瀬田の唐橋、山崎橋とともに〝日本三名橋〟に数えられる宇治橋。646年、道登という僧によって架けられたとされ、上流側に張り出した「三の間」では、豊臣秀吉がお茶のための水をくみ上げたとも。全長は約155m、青銅製の擬宝珠(ぎぼし)も見どころです。

【八条ヶ池】約440m

遊歩道や水上橋を歩くと感じる、その大きさ

長岡天満宮東側に位置する「八条ヶ池」の名前は、1638年に当時の領主・八条宮智仁親王が造営を命じたことに由来しています。南北の全長は約440m。池に沿って続く遊歩道や水上橋を歩けば、その大きさが感じられますよ。

【京都三条商店街】約800m

大正時代に発足し、発展とともに西へ延長

堀川三条から千本三条まで、店舗数は約190軒。全長は東西約800mに及びます。これだけの長さになったのは、1963年のこと。1914年の発足当初は、油小路通から大宮通までの約450mでした。商店街の発展とともに、距離が延びていったのです。


【京阪「中書島」駅〜「淀」駅】約4426m

京阪全路線の駅間の中で最長

京阪電車ユーザーは、「中書島」駅または「淀」駅に「なかなか着かないな」と感じたことがあるかも。それもそのはず。京阪全路線の駅間で、この2駅の距離・約4426mが最も長いんです! ちなみに、最短駅間のうちの1カ所が「宇治」駅~「三室戸」駅。約375mとのことです。

※各駅の中心間の距離


【四条通沿い 高倉通~東洞院通】約133m

〝碁盤の目〟といっても距離はさまざま

〝碁盤の目〟という響きから、京都市街地の各通り間の距離は同じくらいだとイメージしていませんか。四条通沿い、高倉通〜東洞院通を調べてみると、約133mという結果に。そのほか寺町通〜御幸町通は約43m、富小路通〜柳馬場通は約82mと、大きく差があることが分かりました。

※道幅は含めず


【向日神社参道】約248m

西国街道に面した鳥居。こちらから参道が続きます

土地家屋調査士が測量 地域に親しまれる鳥居から境内までの道

鳥居からは、奥の境内が見えないほど。地域住民に親しまれている、向日神社の参道の長さは? 京都土地家屋調査士会の中島昌行さんと上茶谷拓平さんが、現地で測量をしてくれました。

参道は高低差があるため、2回に分けて測量することに。鳥居と境内・舞楽殿の中間地点に立てた三脚の上に取り付けたのは〝トータルステーション〟という機械です。

「レーザー光を発射し、その斜距離や角度を観測します」と上茶谷さん。参道の端の鳥居の辺りに照準を合わせます。そちらでは、中島さんが〝ピンポールプリズム〟を用意。「付属のミラーでトータルステーションへレーザー光をはね返すことで、斜距離を測定できます」(中島さん)。発射後、斜距離と角度がすぐに表示されました。

次に反対側、境内までも測量。結果をもとに長さを算出してもらうと…、248.775mと判明しました!

「土地家屋調査士の主な業務は不動産表示登記の代理手続き。土地の境界を確認するのが仕事です」と上茶谷さん。距離の数字の裏には、こうした専門家が存在していたのですね。

参道の中間地点でトータルステーションをのぞく上茶谷さん。「一般の方に測量に関心を持っていただくため、学校での特別授業やSNSでの広報活動なども積極的に行っています」

舞楽殿の前では、中島さんがピンポールプリズムを設置。高低差に合わせ、棒に付いたミラーの位置を調整します




隠居後に測量をスタートした伊能忠敬ゆかりの場所が中京区や城陽市に

ところで、江戸時代に初めて実測による日本地図を作ったのが伊能忠敬。6月11日は忠敬がその測量に出発した日です。当時の測量術や、府内のゆかりの場所を探りました。

取材協力/京都市歴史資料館・宇野日出生さん

伊能忠敬を描いたパネル。城陽市教育委員会の事業「JOYOエコミュージアム」の一環で作られました

伊能忠敬が地図作りを始めたのは、49歳で隠居した後! 17年に及ぶ測量の結果をもとにして、精密な日本地図「大日本沿海輿地全図」が完成しました。

忠敬が用いた測量法が「導線法」と「交会法」。「導線法」とは出発点から見通しのきく次点までの距離と方位角(※1)を繰り返し観測する方法。各地点から目標物(山など)を見たときの方位角を測る方法が「交会法」です。

そんな「大日本沿海輿地全図」の経度の基準になった場所が「京都西三条改暦所(京都改暦所)」。月光稲荷神社(中京区西ノ京西月光町)の北にあった江戸幕府の天文台です。こちらを通る子午線が本初子午線(※2)に設定されたのだとか。

また忠敬は測量の途中、宿場町・長池宿(現城陽市)に泊まったと伝わります。JR「長池」駅西側の道には、忠敬をモチーフにしたキャラクターパネルも設置されていますよ。

(※1)北を0度としたときの東側の角度
(※2)経度0度の子午線

(2020年6月13日号より)