甘くてジューシー!パプリカ彩りレシピ

2021年6月11日 

リビング編集部

ビタミンカラーで料理を引き立てるパプリカ。その色合いはもちろん、甘みやジューシーな食感を存分に生かしたレシピをプロが教えてくれました。

撮影/二階堂直敬、鈴木誠一(スイーツ)


京都産のパプリカをたずねて

スーパーでは年中見かけるパプリカ。輸入物が多いのですが、6月は国内産も出回り始めて全体の流通量が増える時期。八幡市の「上杉農園」でも、ハウスのパプリカが収穫を迎えます。

「酷暑に弱いので、ハウス内の気温が上がりすぎないよう気を付けています」。そう話すのは同農園の上杉篤さん。京都では数軒だけというパプリカを出荷している農家です。苗の植え付けから収穫までは約3カ月、木の高さは2mにも。

「輸入物とは違い完熟の状態で出荷するので、色が濃く甘みが強いんですよ。ジャムにして販売もしています」

11月まで、1本あたり約30個が収穫できるのだそうです。

つやつやとした実をつける同農園のパプリカ

うちの子も大好きなパプリカ。
ピーマンの代わりに使ってみて

上杉農園
八幡市内里舟小路303
上杉 篤 さん
https://www.uesugifarm.com/


野菜のうま味たっぷりパプリカのカラフルフリット

揚げることでジューシーさが際立つパプリカ。色とりどりの野菜を詰めたフリットは、八百屋さん兼食堂ならではのアイデアです。肉詰めとは違うみずみずしい味わいを楽しんで。

詰める野菜は彩りと旬を考えて変更もOK。揚げるときはまず切り口が上になるように入れ、途中で返せばはがれにくいですよ(母坪さん)

材料 [4人分]

・パプリカ(小さめ)…赤・黄各2個

【A】
・ナス…1/2本
・ズッキーニ(緑・黄)…各1/3本
・マッシュルーム…4個
・ベーコン…40g

・塩、こしょう…適量

【揚げ衣】
・小麦粉…150g
・片栗粉…20g
・炭酸水…300g

・揚げ油…適量
・トマトソース、塩、レモン汁など

<トマトソースの材料>

【B】
・トマトピューレ(トマト缶でも可)…300g
・ウスターソース
・みそ
・塩こうじ(塩でも可。その場合は5g)
・甘酒(砂糖でも可)…各10g

・タマネギ…小1個
・ニンニク…みじん切り1かけ分
・オリーブオイル…適量

[作り方]

  1. パプリカは縦半分に切り、内側に薄く小麦粉(分量外)を振る
  2. 【A】はそれぞれ約5mm幅の半月切りなどにし、①に層になるように詰めて塩・こしょうを振る
  3. 小麦粉と片栗粉を合わせ、炭酸水を混ぜて揚げ衣を作る
  4. ②に薄く小麦粉(分量外)を振る。③をつけて165~170℃に熱した揚げ油で5~6分じっくり揚げ、縦半分にカットして盛る。季節の野菜を付け合わせに揚げても
  5. 好みで塩、レモン汁などをかけていただく

<トマトソースの作り方>

  1. フライパンにオリーブオイルとニンニクをいれ、弱火で香りが立ったらタマネギのスライスを入れ炒める
  2. タマネギがしんなりしたら【B】を入れて煮込む

教えてくれたのは

ベジサラ舎 
上京区西社町179
母坪 章子 さん
https://www.instagram.com/vejisara.sha


フレンチの定番ふわとろパプリカムース

口に入れるとふんわりとろり。色鮮やかなパプリカのムースはフレンチの定番。丁寧に炒めてから煮詰め、ピューレ状にすることでうま味が凝縮されます。

かんきつ系のゼリーを多めにのせると清涼感があってより食べやすいですよ。ホタテ貝柱の湯引きやウニをトッピングしても(畠中さん)

材料 [4人分]

・パプリカ…赤2個(細切り)
・タマネギ…1個(細切り)
・固形コンソメ…1/2個
・生クリーム…130ml
・板ゼラチン…7~8g
・塩…適量
・サラダ油…適量
・トマト、グレープフルーツゼリー(市販)、バジル、オリーブオイル…適量

[作り方]

  1. フライパンにサラダ油を引き、タマネギ・パプリカの順で入れて、タマネギが透明になるまでじっくりと炒める
  2. ①の具材に対して水をひたひたに注ぐ。コンソメを入れて強火にかけ、沸騰したらアクを取る
  3. 弱火にしてふたをし、全体量が3分の1程度になるまで10~15分煮込む
  4. 水で戻した板ゼラチンを入れて溶かし混ぜ、粗熱を取る
  5. ④をミキサーでなめらかになるまでかくはんする。塩で味を調えたら冷蔵庫で約2~3時間冷やす
  6. 八分立てにした生クリームと⑤を空気を入れ込むように混ぜる
  7. 器に入れ、好みで角切りのトマトやグレープフルーツゼリー、バジルなどを飾り、オリーブオイルをかける

教えてくれたのは

RESTAURANT Hatanaka 
八幡市美濃山宮道25-42
畠中 広記 さん
https://www.instagram.com/restaurant_hatanaka/


甘さにびっくり焼きパプリカのマリネ

じっくり焼いて皮を取ることで生まれる、とろりとした食感と驚きの甘さ! 料理にパプリカをよく用いるヨーロッパではポピュラーな調理法だそうです。

パプリカの野菜汁がマリネ液のベースになるので、捨てないように注意を。マリネを刻んでバゲットなどに乗せてもおいしいですよ(瓦さん)

材料 [4人分]

・パプリカ…赤・黄各2個
・塩…小さじ1/2
・酢…大さじ1
・イタリアンパセリ、エディブルフラワー…適量

[作り方]

  1. パプリカはオーブン(190℃)で約40分焼く。途中、2~3度パプリカを回して全体が均等に焼けるようにする
  2. パプリカをざるに取り出し粗熱を取る
  3. ボウルにざるを重ね、その上で②を縦に四つに割いて種とわたを除き、皮を丁寧にめくる。パプリカから出る野菜汁はボウルに残しておく
  4. パプリカを容器に入れ、その上から③の野菜汁と塩・酢をかけて全体を混ぜる。冷蔵庫で少し冷やすとベター
  5. 好みでイタリアンパセリやエディブルフラワーを飾る

教えてくれたのは

レストラン&カフェ セ・デュール 
中京区丸太町通西洞院東入ル梅屋町166-5 樋口ビル1階
瓦 政史 さん
https://c-est-dur.com/


デザートに変身!パプリカのベイクドチーズケーキ

野菜スイーツも手掛けるパティシエ考案の、ほんのりオレンジ色のチーズケーキ。パプリカが2個分も入っていて、豊富な栄養をデザートでいただけます。

オレンジでさわやかさを加え、②の湯通しを行うことでえぐみが取れます。ケーキ型がなければグラタン皿などを使ってもOK(樋口さん)

材料 [15cmのケーキ型1台分]

・パプリカ…赤・黄各1個(へた、種、わたを除いて約100g分)
・オレンジ…1/4個(皮付き約40g)
・グラニュー糖…約70g
・生クリーム(植物性ホイップも可)…60g
・クラッカー(クッキーなどでも可)…50g
・クリームチーズ…200g

【A】
・グラニュー糖…60g
・卵(溶いたもの)…2個(約110g)
・薄力粉…20g
・ヨーグルト…50g
・レモン汁…1/2個分

・粉糖…適量

[作り方]

  1. パプリカは飾り用に約5mmの輪切りをそれぞれ3枚ほど、残りは種、わたを取って縦に切り分ける。オレンジは皮ごと薄切りにする
  2. ①を全て鍋に入れて水を加え、沸騰したらざるに取る。これをもう一度行う
  3. ②を鍋にもどし、グラニュー糖を加えて出てきた水分で軟らかくなるまで煮込む
  4. ③から飾り用のパプリカを除いてミキサーに入れ、生クリームを加えてペースト状にする
  5. クラッカーを細かく砕き、【A】の卵から20gを取り、混ぜ合わせる。クッキングシートを敷いたケーキ型に敷き詰める
  6. 軟らかくしたクリームチーズに【A】を順に混ぜ合わせる。ダマが多いようならこし器などでこし、④を加えて混ぜ合わせる
  7. ⑤に⑥を注ぎ入れ、予熱したオーブン(170℃)で50~60分焼く(20分たったところで飾り用のパプリカをのせる)
  8. 皿に取り出し、冷めたら粉糖を振る

教えてくれたのは

Crème de la Crème 京都本店 
中京区東洞院通三条上ル曇華院前町449 CASA LOTUS 1階
樋口 忠史 さん
https://www.cremedelacreme.co.jp/


色だけじゃない栄養にも注目!

パプリカをもっと食べたくなるマメ知識を紹介。

ルーツはハンガリー
パプリカ(paprika)は実はハンガリー語。南米から入ってきた唐辛子がハンガリーで品種改良され誕生したそう。パプリカ粉を使ったスープ「グヤーシュ」は代表的な家庭料理。
ビタミンCやβカロテンが豊富
ビタミンCはピーマンの2倍以上。加熱してもほとんど損失はありません。βカロテンはピーマンの2.75倍も(赤パプリカの場合)。油で調理するとより吸収されやすくなります。
赤・黄だけじゃない
さまざまに品種改良が行われ、オレンジ、紫、白のほか、茶色や黒いパプリカも! いずれにしても、選ぶときは色むらがなくハリつやのあるものを。

〈参考〉農林水産省ホームページ、日本食品標準成分表2020年版

(2021年6月12日号より)